伝説の映像作品『LIVE AT POMPEII』。その貴重なトレーラー映像とピッチ補正版を収めた1枚がリリース決定です。
【トレーラー・フィルム(1974年)】
本作に収められている映像は2種。1つはレアなトレーラー・フィルム。1974年に劇場公開された際に制作されたもので、1分あまりの映像。これまでもマニア筋では出回っていましたが、今回はごく最近ネットに登場した最新版。オリジナルの16ミリフィルムから現代技術でデジタル化されたものなのです。超美麗に残されている本編とは違うフィルム然とした映像なのですが、だからこそ1974年の薫りが匂い立つ。編集は監督のエイドリアン・メイベン自身が行っており、映像処理も含めて本編映画の粋が約1分間に凝縮されている。そのカット割り、カメラワーク、誇らしげな「AN EXPLOSIVE CINEMA CONCERT!」のテロップ、そして銅鑼を鳴らすロジャーのシルエット……そのすべてが『LIVE AT POMPEII』の世界観と重なる。フィルムの最後には権利クレジットも表示されるのですが、それさえもが70年代然としていて、本編よりもさらに濃厚な時代の風を感じるのです。
【補正版オリジナル・フィルム(1972年)】
1分ほどのトレーラーに続いては、巨大なボーナス映像として『LIVE AT POMPEII』全編を収録しました。しかし、こちらもただの本編ではありません。スピードを正確に直し、オリジナル版よりも4分以上長くなった「補正版」なのです。いきなり「補正」と言っても、何のことかご理解いただけないかも知れませんので、順を追ってご説明しましょう。そもそも『LIVE AT POMPEII』には3種類のバージョン「オリジナル・フィルム版(1972年:60分)」「劇場公開版(1974年:80分)」「ディレクターズ・カット版(2002年:92分)があります。しかし、現在知られているこの3種類はすべてピッチが速い。そのズレはおおよそ4%ほどであり、生演奏とはニュアンスがかなり異なるのです。本作は、海外マニアがそのズレを修正し、生演奏を正確に再現したものなのです。実際、そのズレは長さから見ても明らか。本作の元になっているのは「オリジナル・フィルム版」なのですが、元の60分に対して本作は「64分20秒」と4分以上も長くなっている。もちろん、この差はインタビューやスタジオ風景等の追加映像ではない。純粋にすピートの狂いなのです。そして、長さ以上に実感するのが演奏自身のニュアンス。ぜひ、お手元にあるオフィシャル版「Echoes」と見比べていただきたい。今までの公式版でも「何となく高いな」と思っていた方もいらっしゃるかと思いますが、本作の方が遙かに自然で曲本来のじっくりと迫るトリップ感が濃厚に発散されるのです。もちろん、基本クオリティも完璧で、素材となったオリジナル・フィルムも(何処から見つけてきたのか)未だかつてない最高の映像美。正しいピッチとあわせて、もっとも完璧な「オリジナル版」であり、もっとも「生演奏」に肉薄したバージョンなのです。改めてデジタル化された16ミリの美麗トレーラーと、正確なピッチに正されたオリジナル・フィルム。歴史的名作の貴重バージョン2つを1枚に封じ込めた傑作です。一層濃厚に“本物”の薫りを発散する『LIVE AT POMPEII』。
1974 Original 16mm Film Trailer 1972 Original Films Repitched Version
(1:05) 1974 Original 16mm Film Trailer
(64:20) 1972 Original Films Repitched Version
1. Intro 2. Echoes, Part 1 3. Careful With That Axe, Eugene 4. A Saucerful Of Secrets 5. One Of These Days 6. Set The Controls For The Heart Of The Sun 7. Mademoiselle Nobs 8. Echoes, Part 2
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.66min.