「2017年5月28日ルイビル公演」の極上オーディエンス・ショットです。そんな本作最大のポイントは「同じショウ」「同じ人物」といったコレクション価値ではありません。そんな統一感さえも吹っ飛ばす極上のクオリティにこそある。実際、本作はとんでもない映像美。ステージ右寄りのスタンド席から見下ろしショットなのですが、最前席だったのか遮蔽物ゼロ。そして、最新デジタル機材の威力をまざまざと見せつける画質はズームでも超鮮明。アップに寄ればステージの端から端まで望むままに映し出せ、引けば会場のスケール感も巨大スクリーンも自由自在。まさに絶好のポジションからありとあらゆる見どころを押さえきっている映像なのです。しかも、安定感も異常。思い切り引くと結構距離があるようにも見えるのですが、果敢なズームでも手ブレなし。撮影者もかなり慣れていると見えて、左右のパンもズームイン/アウトもゆっくりと慌てない。ショウ全編にわたってじっくりと見つめ続けられるのです。もちろん、サウンドも極上。本作はマトリクスではありませんが、『LOUISVILLE 2017』でも大好評だった極上録音をそのまま使用しており、ゴージャスな光景を重厚に彩ってくれるのです。そんなクオリティで描かれる“US + THEM”は、文字通り“息を飲む”一大スペクタクル。この撮影者はバンドの見どころを直視撮影してもいますが、決してそれだけにこだわっていない。スクリーン・ショットも多用しており、それが本当に素晴らしい。宇宙塵が集まって“月の裏側”を形づくる「Speak to Me」、ジェス&ホーリーの女声が圧倒的な「The Great Gig in the Sky」、プロモーション・ビデオを効果的に使った「Deja Vu」、地鳴りと共に巨大なバタシー発電所がそそり立つ「Dogs」、レーザー光線の最新アートでさえある「Eclipse」、空中を舞うスクリーン幕に映し出される数々の映像演出……。これまでの映像作品はスマホ映像なども駆使したものがほとんどだっただけに、見どころに集中はしても、ショウ演出の全体像は見逃されることもありました。しかし、本作はロジャーの音楽を熟知するマニアが絶好ポジションからすべて撮影しており、見逃しがない。枚挙に暇のない見どころがたっぷり&超鮮明に目撃できるのです。そのサウンド、映像美。当代きってのステージ・アーティストであるロジャーが“THE WALL LIVE”を経てたどり着いた音と映像の舞台芸術。それを隅々まで理解するマニアが極上クオリティで描ききった1枚。
Live at KFC Yum! Center, Louisville, KY. USA 28th May 2017 AMAZING SHOT (112:40)
1. Speak to Me 2. Breathe 3. One of These Days 4. Time 5. Breathe (Reprise) 6. The Great Gig in the Sky 7. Welcome to the Machine 8. When We Were Young 9. Deja vu 10. The Last Refugee 11. Picture That 12. Wish You Were Here 13. The Happiest Days of Our Lives
14. Another Brick in the Wall Part 2 15. Another Brick in the Wall Part 3 16. Battersea Rises SFX 17. Dogs 18. Pigs (Three Different Ones) 19. Money 20. Us and Them 21. Smell the Roses 22. Brain Damage 23. Eclipse 24. Vera 25. Bring the Boys Back Home 26. Comfortably Numb
COLOUR NTSC Approx.113min.