EL&P、EGG、QUATERMASS等と共に“キーボード・ロック”を確立させた名バンド、ATOMIC ROOSTER。彼らの黄金期をオフィシャル・クオリティで目撃できる超極上プロショットリリース決定です。本作に収録されたプロショットは5種。そのすべてがトリオ時代とクリス・ファーロウを迎えたばかりの『IN HEARING OF ATOMIC ROOSTER』時代。約95分にも渡ってたっぷりと堪能できる超傑作です。それでは、各映像をそれぞれご紹介していきましょう。
【2ndアルバム時代のBEAT CLUB(2種)】●1970年8月4日(3曲)●1971年2月22日(2曲)
まず登場するのは、西ドイツの名物番組“BEAT CLUB”に出演した際のプロショット。4回分から合計7曲・10テイクを収録しています。冒頭を飾るのは『DEATH WALKS BEHIND YOU』リリース直前となる“1970年8月4日”の3曲です。この時、すでにカール・パーマーはEL&Pを結成しており、デビュー作の制作中。ATOMIC ROOSTER側もポール・ハモンドを迎えて『DEATH WALKS BEHIND YOU』を制作している……という夏の記録です。デビュー作の「Save Me (Friday the 13th)」に加え、2ndアルバムの「Sleeping For Years」「VUG」を演奏しています。その次は“1971年2月22日”出演回。3rdアルバム『IN HEARING OF ATOMIC ROOSTER』の制作は1971年の夏になってからであり、ここではまだトリオ編成。「Tomorrow Night」「I Can't Take Any More」の2曲を演奏を披露しています。かの大名盤『DEATH WALKS BEHIND YOU』のバンド・ポテンシャルそのままな苛烈な生演奏がフルカラーのマルチカメラで炸裂するのです。どちらもクオリティは、映像も音声も絶品にもほどがある超・極上なプロショット。単なる放送用収録という以上の超絶クオリティは完全にオフィシャル級……と言いますか、かつて本当に(ハーフ?)オフィシャルでリリースされたこともある映像。その最高峰版なのです。
【3rdアルバム時代のBEAT CLUB(2種)】●1972年2月17日(1曲・2テイク)●1972年2月23日(1曲・3テイク)
ここからは4人編成になった『IN HEARING OF ATOMIC ROOSTER』時代。とは言っても、ヴォーカルはアルバムに参加したピート・フレンチではなく、加入したてのクリス・ファーロウ(元COLOSSEUM)です。BEAT CLUBでは「Breakthrough」が放送されましたが、本作ではその本テイクだけでなく「Breakthrough」と「Black Snake」の仮テイクも併せ、合計5テイクのプロショットを収録しています。いかにも70年代な「Breakthrough」の放送版もカッコイイのですが、さらに面白いのは仮テイク。カチンコや映像加工用のブルーバックも生々しく、GOサインを待つヴィンセント・クレインの緊張した様子も見られる。さらに、テイクによってはマルチカメラではなくクレイン・アングルだけのワンカメもある。左手でベース・パートをキープしながら右手だけで鮮やかにインプロヴァイズしていく手元の超アップもたっぷりと見られます。もちろん、サイケな映像処理も全開な「Breakthrough」のファイナル・テイクも最高です。
【BELGIAN TV出演プロショット(5曲)】
最後はベルギーの公共放送局“RTBF”のマルチカメラ・プロショット。やや赤みがかった画面ではありますが、これは恐らく当時の演出だったのでしょう。画質・音質はBEAT CLUBにも劣らぬ超極上でして、実際『MASTERS FROM THE VAULTS』としてリリースされたこともある映像です。この映像の醍醐味と言えば、5曲を通しで演奏するライヴ感。観客ナシの局スタジオ・ライヴではあるのですが、BEAT CLUBのように1曲をPVのように作り込むのではなく、次々と自然体で演奏していくムードはまるでステージのよう。BEAT CLUBでも演奏していた「Breakthrough」「Black Snake」だけでなく「A Spoonful Of Bromide Helps The Pulse Rate Go Down」「The Rock」といった3rdナンバーも披露しており、さながらファーロウ版の『IN HEARING OF ATOMIC ROOSTER』。さらに『NICE 'N' GREASY』の「Can't Find A Reason」を早くも披露しています。EL&Pとは違った方法論でハードな“キーボード・ロック”を確立していったヴィンセント・クレイン。彼が率いたATOMIC ROOSTERの黄金期を完全オフィシャル級の超美麗マルチカメラ・プロショットで見られる1枚です。まさに英国ロックの文化遺産。
BROADCAST ANTHOLOGY : THE TOTAL EXPERIENCE 1970-1972 Highest Quality Pro-Shot Compilation (95:41)
The "Beat Club" Sessions, Radio Bremen, Germany 1970-1972
1. Save Me (4th August 1970) 2. Sleeping For Years (4th August 1970) 3. VUG (4th August 1970) 4. Tomorrow Night (22nd February 1971) 5. I Can't Take Any More (22nd February 1971) 6. Black Snake - Take 1 (17th February 1972) 7. Breakthrough - Take 1 (23rd February 1972)
8. Black Snake - Take 2 (17th February 1972) 9. Breakthrough - Take 2 (23rd February 1972) 10. Breakthrough - Final Take Broadcast (23rd February 1972)
Belgian TV Studios, RTBF 1972 11. Breakthrough 12. Black Snake 13. A Spoonful Of Bromide Helps The Pulse Rate Go Down 14. Can't Find A Reason 15. The Rock
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.96min.