
最近になって登場したコアマニア制作の映像作品『STATION TO STATION: MONTREAL 1976』をお贈りします。この映像は、まさに“芸術作品”。概要的には「1976年2月25日モントリオール公演」の映像に「1976年3月23日ユニオンデール公演」のオフィシャル・サウンドボードを被せたもの。「Station To Station」1曲だけの15分映像です。しかし、その仕上がりが異常なのです。まず、肝心要の映像。これはモントリオール公演で撮影された8ミリフィルムで、ボウイの死後に追悼として公開されたもの。最初に公開されたのは1分ほどのサイレント映像だったのですが、その映像美が凄まじく世界中のマニアを震撼させた。あまりに感動したマニアのうちの1人がフィルムの所有者に連絡を入れ、公開された1分以外の映像もすべて入手したのです。その映像は10秒足らずの細切れサイレント映像ばかりだったそうですが、ショーの合間に会場のあらゆる場所に移動して撮影されており、総勢50カットにも及んだ。ステージの右側・左側どころか、ステージ全景、バンド・ショット、2階席、さらには徐々に埋まっていく開演前まで……。本当に1人で撮影したのかは分かりませんが、細切れながら会場のあらゆる視点からボウイを見つめていたのです。そのフィルムを入手したマニアは1カット1カットの美しさだけでなく、その膨大なアングルにも驚愕。しかし、いかに貴重で素晴らしいとは言っても、数秒ずつの無声フィルム。そこで、音楽も付けたビデオ・クリップ仕様に作り替えることを思いついた。音声にはオフィシャル『STATION TO STATION』のデラックス・エディションに収められていたナッソーコロシアムの「Station To Station」を使用し、さまざまなカットを駆使して構築。ときにクロスフェード、ときにスーパーインポーズ、エフェクト処理も加えて1本のクリップが完成した……それが本作なのです。その完成度は“芸術作品”としか言えない。ショウ全体から細切れされた映像だけに、実際には「Station To Station」ではないシーンも多数含まれていますが、ビート・曲想に合わせた編集はそれさえも気づかせない。演奏の中にボウイの表情が浮かび、客席が映り、極上の公式サウンドボードとシンクロして「Station To Station」を描いていく……。オフィシャル盤にはない開演前のシーンや歓声には、2CDと同じクリーヴランド公演の「Un Chien Andalou」も使用されており、まさにありとあらゆる手を尽くして創り上げた芸術なのです。現存するとは誰も知らなかった、貴重極まる8ミリフィルム。その価値を正確に理解し、尽きない情熱を注いだコアなマニア。ボウイに胸を焦がされた2人が出会ったことで生まれた芸術品です。
Live at Montreal Forum, Montreal, QC. Canada 25th February 1976
1. Pre-Show 2. Station To Station
* Live audio recording from Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, NY. USA 23rd March 1976
COLOUR NTSC Approx.15min.