
久々のトリオ・バンドへ回帰した『PHOTO-FINISH』時代のロリー・ギャラガー。そのフレッシュなムードも眩しい超極上プロショットがリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1979年1月27日ロンドン公演」。BBCの名物テレビ番組“ROCK GOES TO COLLEGE”で放送されたマルチカメラ・プロショットです。そのクオリティは、完璧にして鉄壁。ひと口に「オフィシャル級」と言っても玉石混淆で、「当時なら」や「発掘物としてなら」の枕詞が付くものも多い。しかし、本作はそんな次元ではなく、デジタル大全盛の現代でもそっくりそのままリリース可能。超ビビッドにして超美麗な極上品なのです。実のところ、詳しいデータが伝わっていないので断言できないのですが、間違いなく“放送局の大元マスター”、もしくは“近年のデジタル再放送”。断言できなくても断言したい。クオリティ自体が無言でそう言い切ってくる絶品の映像美なのです。そんな超絶クオリティで描かれるのは、ひと口に言って「PHOTO-FINISHの映像版・生演奏版」。約45分枠の番組なのですが、演奏される7曲のうち、『CALLING CARD』の「Do You Read Me」以外は全部『PHOTO-FINISH』ナンバー。実のところ、オフィシャルDVD『LIVE AT MONTREUX』や『THE COMPLETE ROCKPALAST COLLECTION』にも1979年の演奏は収録されていますが、ここまで徹底的に『PHOTO-FINISH』なものはない。しかも純度だけではなく「Fuel To The Fire」「Cruise On Out」は公式DVDでも観られない貴重なナンバーです。そして、それを演じるバンドも素晴らしい。メンバーはもちろん、アルバム『PHOTO-FINISH』と同じトリオ。ロリーと盟友ジェリー・マカヴォイ、それに(ハードロックファンにはMSGで有名な)テッド・マッケンナ。アルバムでも久々のメンバーチェンジでリフレッシュした開放感がありましたが、ステージではさらに倍増しており、シンプルながらテンションの高い演奏がブチかまされる。「Shin Kicker」では必殺のハードロックを轟かせ、「Shadow Play」ではマイナー旋律がシャープに疾走。「Brute Force & Ignorance」ではジェリーのベース・ラインが冴えに冴え、「Fuel To The Fire」がじんわりと胸に染みる。上記のオフィシャルDVDでも凄い演奏でしたが、本作もまったく引けを取らない。歴史的に見れば黄金の4人編成が崩れたわけですが、1979年のトリオも凄い……。そんな中でディープなブルース愛をのぞかせるのが「Mississippi Sheiks」。ザディコ王クリフトン・シェニエが亡くなったときにも「The King of Zydeco」を書いて追悼したロリーですが、この曲は戦前南部の伝説グループ“MISSISSIPPI SHEIKS”に捧げたもの。実のところ、フィドルがウリだった本家とはまったく違うサウンドだったりするのですが、それがいい。単にカバーするのではなく、オリジナルの新曲を書き、あくまでロリー流を貫くことで血肉に染み込んでいることをさり気なく表現している。シェニエにしてもシークスにしてもえらくディープなセレクトですし、やり方もスマート。ブルース愛を公言するロックギタリストは数いれど、ロリーは間違いなく本物だった。それを痛感するライヴでもあるのです。まさに「目で観るPHOTO-FINISH」。わずか45分ではありますが、新たなパワートリオが奏でる開放感に浸りきれる大傑作プロショットです。ロックを弾けばシャープでパワフル、ブルースを奏でればディープに滴る。超極上クオリティで炎のギタリストに逢える1枚。
Live at Middlesex Polytechnic, London, UK 27th January 1979 PRO-SHOT (44:29)
1. Shin Kicker 2. Mississippi Sheiks 3. Do You Read Me 4. Brute Force & Ignorance 5. Fuel To The Fire 6. Shadow Play 7. Cruise On Out
Rory Gallagher - Vocals, Guitars Gerry McAvoy - Bass Ted McKenna - Drums
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.45min.