
(イントロDJ語りより)「お正月もずっと過ぎて、この辺でヤードバーズなんぞ、いまどきに聴いてみるのも、これまたおつなもんではないかと考えたわけです。現在のヤードバーズに対する評価ってのは、圧倒的な過大評価以外の何物でもなくて、今のロックを聴いている人間にとっては、古めかしくて聴くに堪えない・・・例えば、ビートルズが今現在、聴いてみて新鮮であるってのは認めるんですが、ヤードバーズの場合、どちらかと言うと、そうした性格は持っていないわけです。今回は、レコードをかけて、変な幻想を高めることを止めて、ヤードバーズってのは、こんなグループだったんだよって感じで、1時間聴いてみたいと思います。」今や、お馴染みになった、70年代の有名DJによる人気ラジオ番組。今回は77年1月16日に60分間に渡り放送された「ザ・ヤードバース」特集を収録。有名音楽評論家でもあったDJは、冒頭でこの特集の意義を表明しています。それによると、ヤードバーズは三大ギタリストが在籍したことで伝説的に「過大評価」されているグループであり、この放送は彼らの楽曲をかけながら、正当に評価していこうという意図だったとのことです。また、この当時は入手困難盤となっていたため、番組へのリクエストが多かったジミー・ペイジ在籍時代のアルバム「Little Games」の全曲をかけるということも目的でした。曲は時系列に沿ってクラプトン在籍時代からジェフ・ベック在籍時代へと移っていきます。ベックにまつわるエピソードとして明かされたのが、番組放送当時はまだデビュー間もなかったエアロスミスのギタリスト(ジョー・ペリーのこと)が昔からベックの大ファンであり、Train Kept A Rollin’をバンドのレパートリーにしていたところ、あるコンサートでベック本人がそれを聞きつけて飛入りしてくれ、感激のあまり彼が泣き出したという話です。番組自体の比重はジミー・ペイジ時代にかかっていて、彼の意思で回収された幻のライブ盤からZEPへの試金石となったI'm Confusedも紹介されます。その絡みで彼が伝えた中では、クラプトンがヤードバーズ脱退後にスポットで結成したバンド「パワーハウス」にZEP加入前のジョン・ポール・ジョーンズが参加していたという間違った情報もあります。知識も豊富なDJのはずが、ジョン・ポール・ジョーンズとマンフレッド・マンのポール・ジョーンズを混同してしまっていたわけです。こういうことも確認すると、70年代半ば当時の日本は、まだまだブリティッシュロック史については評論家自身も学習途上だったと言えるでしょう。そんな時代の興味深い話とヤードバーズの歴代の楽曲で構成された、ロックファンなら聴いておいても損はない貴重な音源です。
(番組ラストのI'm Confusedの説明が面白いので、追記します)
「ヤードバーズってのは、マネージャーとか、プロデューサーってのは酷い人ばかりで、実にいい加減にやらされてたらしいですけど、勝手にレコードがアメリカ、イギリスで出てしまって、ジミー・ペイジが激怒したというヤードバーズのライヴ・アルバムなんですが、その中で、彼はレッド・ツェッペリンでやった「幻惑されて」を演奏しているわけです。この曲はレッド・ツェッペリンで聴くと、かっこいいんですけど、それをヤードバーズ時代、彼はいかに悪戦苦闘して、自分のメッセージが伝えられてなくて大変だったかという、その可哀想さを聴いてもらって、今日のヤードバーズ特集を終わりたいと思います。」
Broadcast Date: 16th January 1977
1. Intro 2. I'm A Man 3. DJ Talk 4. New York City Blues 5. DJ Talk 6. Stroll On 7. DJ Talk 8. What Do You Want 9. DJ Talk 10. Little Games 11. Smile On Me 12. White Summer 13. Tinker, Tailor, Soldier, Sailor 14. Glimpses 15. DJ Talk 16. Drinking Muddy Water 17. No Excess Baggage
18. Stealing Stealing 19. Only The Black Rose 20. Little Soldier Boy" 21. DJ Talk 22. I'm Confused