
世界最高峰を更新するクオリティで蘇った「TOKYO 1978」。そのクオリティで描かれるパフォーマンスは、38年前のボウイだけでなく、当時の彼を包み込む時代の空気もパックされています。そこで同じように当時の空気が匂い立つテレビ・インタビュー映像をお贈りします。本作に収められているのは、民放局の番組“スター千一夜”の1コーナー。現在も有名な某司会者を相手に、ホテルの一室でインタビューを受けるボウイの姿が見られます。若々しいボウイもさることながら、番組演出から司会者の髪型に至るまで、70年代後期の匂いが満載。冒頭で「Blackout」を歌うライヴ映像が流れますが、赤茶けた映像には「(唄)デビッド・ボウイー」の手書きテロップが乗り、番組終盤にはニュース速報まで入るという時代感覚爆発の映像です。そんな中、やはり最大の見どころは、ノーメイクで穏やかな声でインタビューに応えるボウイ。煙草を吹かしながらも、パフォーマンスに対する姿勢や日本の文化、自身の芸術観を誠実に応える姿が印象的なのです。例えば、「舞台の勉強をしていた頃、歌舞伎や能に影響を受けたんだ」「ジギーというキャラクターは、日本の舞台とアメリカのSFを掛け合わせたもの」「自分を芸術家と呼ぶのなら、どんな芸術に対しても貪欲であることはとても大切だと思うんだよ」等々など。その真剣な表情も相まって、ステージとはまた違った彼の素顔、歌詞や衣装に包まれていた心が描き出されている。そして、そんなボウイとはまるで対照的な司会者とのやりとりがまた面白い。彼の深い世界観を掘り下げることなくサラッと流し、映画、牛乳(!?)、息子……と、話題を次々に変えていく司会者がいかにも日本のテレビらしい。普通なら、アートへの想いを真摯に語ったところで「ところで僕らはジュースなのに、彼は牛乳なんだね。健康のため?」と返されたらガッカリしそうなものですが、ボウイはそんなそぶりを微塵も見せずに、笑顔で「日本の牛乳の味は珍しい、面白い味がするんだ」と応じる。こんなズレたやりとりも気にしないところにも彼のスターらしさ、人柄が滲む映像なのです。わずか11分ほどの短い映像ではありますが、ここには熱い情熱で歌うステージとは違う、真剣な表情や悪戯っぽい笑顔がある。それこそが“1978年のボウイ”の素顔があり、司会者よりもカメラの向こうにいるファンに向かって自身の心を語りかける彼がいるのです。「日本に住むなら東京より南がいいな」と応えるボウイ。ステージを史上最高峰でご覧になれる「TOKYO 1978」があるからこそ、ぜひオフステージの彼にも会っていただきたい。その想いを込め、このプライベートな1枚をあなたに贈ります。
Broadcast on 6th December 1978 PRO-SHOT
1. Opening 2. Introduction 3. Interview
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.11min.