
日本のテレビ特番『SPECIAL 1983』が復活です。本作は、3度目のジャパンツアーで日本を訪れていたボウイをゲストに迎えた民放特番『独占!! デヴィッド・ボウイ来日 あの「戦メリ」から「チャイナガール」まで』を50分収録したもの。当時、大ヒットしていた映画『戦場のメリークリスマス』をメインテーマにしながら、生放送のテレビスタジオで監督や共演者や大物お笑い芸人たちとのトークで進行していきます。その最大の旨みは、ボウイが呼吸していた1983年日本の空気感。冒頭の飛行場シーンから強烈で、ダンディに決めたボウイが足早に過ぎ去る映像に「デヴィッド・ボウイが来た!10月16日」「成田空港 ロンドン発JAL422便 17:23成田着」とテロップが乗る。さらに金屏風(!)を前にした記者会見でも「デヴィッド・ボウイ記者会見 10月18日 赤坂プリンス・ホテル」。なんとも言葉にしづらい時代感覚が溢れ出します。続く「Let's Dance」はもっと恐ろしい(?)。お馴染みのディスコ風セットで踊る日本人の映像が差し込まれるのですが、そのセットがショボイ。しかも、緊張している素人なのか、踊っている日本人がやたらとつまらなそう。これまた言葉にしづらい安っぽさが1983年のテレビ番組の匂いを猛烈に発散しているのです。その後、生中継のテレビスタジオにボウイが登場。そこに映画にまつわる多彩なゲストも加わってトークが始まります。カンヌ映画祭の記者会見映像を皮切りに、ボウイや映画で共演した有名音楽家や大物芸人、監督が撮影の裏話やテーマについて語っていく。軽めのトークではニコニコと語り、映画への想いやテーマ曲から東洋と西洋の文化について踏み込む話では真剣な眼差しを見せるボウイがたっぷりと見られる。日本の芸能人と外タレの共演というと台本のやりとりに終始するところですが、彼らは映画撮影で同じ釜の飯を食った者同士。番組の進行とは別に、どことなく互いに旧交を温めるムードが漂うところも、当時のボウイのポジションが浮かび上がります。番組は、さらに「China Girl」や「Modern Love」、ビング・クロスビーと共演した「The Little Drummer Boy」などのPVを挟みながら“ボウイの音楽”へと移っていく。洋楽ファンとしては一番美味しいテーマのはずなのですが、どうも番組が後半になるにつれ、“ボウイが語る”というより“出演者がボウイを語る”になってしまい、ボウイ自身のコメントが減る。生放送の進行も関係あるのかも知れませんが、ちょっと残念なところでしょうか。ともあれ、ポップスターとしても銀幕スターとしても頂点を極めていたボウイの姿、それを受け止める日本の時代が透ける傑作映像です。“SERIOUS MOONLIGHT TOUR 1983”の傑作ライヴアルバムの裏に吹いていた時代の風。その匂いまでもがモニターから漂ってくる1枚。ぜひ、この機会に“1983年のボウイ”を隅々までご堪能ください。
Broadcast Date: 18th October 1983
1. Intro.(Arrival at Airport/Press Conference) 2. Let's Dance(Promo Clip) 3. Studio #1 4. CM 5. Interview 6. Studio #2 7. Press Conference at Cannes Film Festival 8. Studio #3 9. CM 10. China Girl(Promo Clip) 11. Studio #4 12. CM 13. Modern Love(Promo Clip) 14. Studio #5 15. CM 16. Studio #6
17. The Little Drummer Boy(Promo Clip) 18. Studio #7 19. CM 20. Studio #8 21. Merry Christmas, Mr. Lawrence
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.50min.