
終焉間際のステージを愛情たっぷりに記録した傑作映像の登場です。本作は、生涯最後のワールドツアー“A REALITY TOUR 2003-2004”の終盤にあたる「2004年6月2日アンカスビル公演」のマルチカメラ・オーディエンス・ショットです。どれほど終盤だったかをご理解いただくため、“A REALITY TOUR”の概要から始めましょう。
・2003年10月7日-11月28日:欧州レッグ#1(31公演)・2003年12月13日-2004年1月7日:北米レッグ#1(22公演)・2004年2月14日-3月1日:オセアニアレッグ(8公演)・2004年3月4日-3月14日:アジアレッグ(5公演)★2004年3月29日-6月5日:北米レッグ#2(39公演)・2004年6月11日-6月25日:欧州レッグ#2(7公演)
(★印は本作が記録された日程)このように“A REALITY TOUR 2003-2004”は、全112公演で全世界を巡る本格的なツアーでした。地域ごとに6つに分類されますが、本作のアンカスビル公演は「北米レッグ#2」の最後から3公演目。“A REALITY TOUR”全体で言うなら、最後から10公演目にあたるのです。この日の3週間後であるドイツ公演の直後にボウイは緊急手術を受け、二度とツアーを行わなかった。その後、フェスティバルで数曲歌ったり、友人ミュージシャンのライヴに飛び入りすることはありましたが、ステージをキャンパスに自身の世界観を描くことはなくなった。つまり、ボウイの生涯で“最後から10回目のフルショウ”なのです。そんな終演間際のボウイを収めた本作は、胸がじんわり熱くなるマルチカメラ仕様。海外の熱心なファンが2台のカメラをていねいにミックスしたものなのです。何が熱いかと言えば、その編集。単に「見どころを押さえた」の一言では済ませられない気持ちが溢れ出てくる仕上がりなのです。まず、使用されているアングルからご説明しますと、ステージ正面の2階席から見下ろすショット2台。真っ正面とやや右寄りという違いはありますが、それほど極端には変わらず、前列の影が一切入らないアングル。画面いっぱいにステージとボウイの姿だけが映る極上視点です。通常、マルチカメラは丸っきり違う視野を組み合わせるものですが、本作は似通ったアングルだからこそ美しい。ポイントは、2台のカメラのズーム。どちらも安定感抜群に寄っていくのですが、ズームのタイミングや注目ポイントが違う。片方がボウイの表情に迫ったかと思えば、もう1台は引きでライトショウのスケール感・幻想感を映している。また、ギターソロでアール・スリックの手元に寄っている間、もう1台は観客へ寄り添うボウイを追う……といった具合です。そして、肝心なのは、そのミックス。各カメラの見どころ、美しさを吟味しており、丁寧に丁寧に切り替える。そのタイミングは、1小節、歌詞の1単語にいたるまでこだわっているのがハッキリと分かり、切り替え方も画面分割からフェイド処理、スライドなど、曲のムードに沿っているのです。この心遣いが胸に迫る。正直な話、1台1台のアングルでも十分に成立するほどのクオリティであり、当日を体験するだけならわざわざ似たアングルの2台をミックスする必要はない。でも、近いながらも違う2台を見極め、コンマ数秒のタイミングまで見計らってまで“この日の魅力”を最大限に引き出したい………その気持ちがじんわりと胸を熱くする。これこそオーディエンス撮影、これこそアンダーグラウンド映像の魅力なのです。どこまで凝ろうとも、結局は客席映像。プロショットの分かりやすさには及びません。しかも、カメラを隠しての全編撮影は容易いことではない。それでもなお、目の前のショウを記録したい。そんな撮影者の気持ちを汲み、精緻に組み上げる。そこには、撮影者の気持ちだけでなく、「この映像を分かってくれる人がいるはず」という想いがこもっている。だからこそ、この映像は生まれたのです。そんな愛情で綴られたボウイは、力強く歌い。爽やかな笑顔を見せてくれます。最後の欧州レッグでは体調不良が透けるショウもありましたが、ここではそんなそぶりは微塵も見せず、観客に語り、歌いかけている。3週間後には病に倒れるとは思えない元気な姿。そんな姿を、一番輝く形にまとめあげた1本です。撮影者、編集者の胸に浮かんでいたであろう“分かってくれるあなた”へ。この胸に熱い傑作を贈ります。
Live at Mohegan Sun Arena, Uncasville, CT. USA 2nd June 2004 AMAZING SHOT!!!(2 CAM)
1. Intro 2. Rebel Rebel 3. Queen Bitch 4. Cactus 5. Sister Midnight 6. New Killer Star 7. China Girl 8. All the Young Dudes 9. The Loneliest Guy 10. The Man Who Sold the World 11. Battle for Britain (The Letter) 12. Pablo Picasso 13. Heathen (The Rays) 14. The Supermen
15. Hallo Spaceboy 16. Under Pressure 17. Station to Station 18. Fantastic Voyage 19. Ashes to Ashes 20. Quicksand 21. Modern Love 22. Let's Dance 23. I'm Afraid of Americans 24. "Heroes" 25. Diamond Dogs 26. Ziggy Stardust
COLOUR NTSC Approx.134min.