日本公演の伝説放送が史上最高クオリティで登場です。本作に収められているのは、3度目の来日“NUDE TOUR”の「1990年8月31日東京ドーム公演」。当時から有名なフルスケールのテレビ放送です。有名なだけに、今までに幾多のタイトルも出回りましたが、本作はコアな映像マニアが秘蔵していたオリジナル・マスターをダイレクトにデジタル化したもの。このマニアは、時代時代のハイエンド機材を追求しながら記録し続けている方で、当時でも受信も録画にもプロユースの機材を使用されたそう。そのこだわりは、本作で映し出される映像美にしっかりと刻まれている。滑らかでありながらも艶やかな発色は当時そのままで、まるでレーザーディスクのように鮮明。保存状態も完璧で、線ノイズひとつ、歪みの欠片なく、とても26年前の放送とは思えない次元。恐らく、26年間1度も再生していなかったのだと思いますが、扇風機の風を受けながら激しくたなびく前髪、こめかみに浮き出た血管までも超鮮明に映し出されるのです。それだけのマスターですから、デジタル化にも最新・細心。レーザーディスクの復刻シリーズで提携している海外メーカーに委託し、現代のプロ機材でテープに封じ込まれた情報のすべてを可能な限り引き出しました。今さら断言するのもバカバカしいところですが、すべての既発を一掃する“過去最高”・“史上最高”のクオリティ。それこそ、そのまま公式DVDにできる超ハイクオリティな1本に仕上がっています。そのクオリティで描かれるプリンスは、「BATMAN」の大ヒットもあって東京ドームを超満員にする絶頂期。グレイテストヒッツ・ツアーの“NUDE TOUR”は、ヒット曲満載の豪華絢爛。その大スペクタクルなショウが画面いっぱいに広がるのです。冒頭から巨大な「P R I N C E」の文字がステージに現れ、青いギターを手にしたプリンスが登場。その白シャツに刻まれた日本語「ヌード」や黒パンツの「人間」も鮮明に映し出されます。プリンスはショウの間に何度も衣装替えしますが、「Kiss」での黒い衣装には「愛」が重ねられ、「Partyman」のオレンジのスーツにも「ふた子座」、アンコールの黒スーツにも「プリンス」「ヌード」と日本語描かれている。彼だけでなく、ロージー・ゲインズの衣装には「魂」、ミコ・ウェイバーには「ライブ」、ダンサーGAME BOYZには「猛男」。テレビ放送のプロショットに映る客席シーンはごくわずかですが、常に“日本感”満点の映像なのです。ここで、当日のライヴに参加された方は「あれ?」と思われるかも知れません。実は、この放送は、現場のステージとは曲順が大きく変わっています。とは言っても、完全にシャッフルなわけでもない。番組中にCMが入るのですが、そこで区切ったブロックをまとめて入れ替えているのです。簡単に整理しますと……
A:「Take Me With U」-「Alphabet St.」3曲 《CM》 B:「Kiss」-「Purple Rain」2曲 《CM》 C:「The Question Of U」-「Do Me, Baby」3曲 《CM》 D:「The Future」-「Sexy Dancer」4曲 《CM》 E:「Little Red Corvette」-「Partyman」3曲 《CM》 F:「Baby I'm A Star」1曲
……と、このような構成になっています。これが本作の収録順ですが、現場のステージは「D→B→A→C→E→F」進行でした。現場の曲順に戻すことも検討されましたが、ここでは放送そのものの時代感覚を大切に、そのまま収録いたしました。放送の時代感覚と言えばもう1点、当時のCMもそっくり収録。本来ならカットするところなのですが、このCMから漂う“時代の匂い”が凄いのです。ダイヤモンドな女子バンドは登場しますし、車のCMでバックに流れるのは覚醒剤使用で逮捕された男性デュオの曲。「映像ワンダーランド」のキャッチコピーも懐かしければ、リゾート企業(後に倒産)のイメージCMもバブル末期ならでは。さらにバンドブーム深夜番組でブレイクした女性タレントが登場したかと思えば、危なっかしい刑事さんは電話ボックスで話してるわ、ビーバップ高校の中の人が高画質FAXを喧伝するわ、肩パッドの女性がゲットワイルドなシンセ奏者の妻だったりするわ……。派手な人生が永遠に続くと信じていた、あの時代の匂いがむせ返るほど濃厚に薫ってくるのです。もちろん、“懐かCM”はオマケでしかありません。本編たるプリンスの輝きこそが本道であり、CM群は言わば、その輝きを時代の匂いで包む調味料。そう、プリンスは、“NUDE TOUR”は、こんな時代の真ん中で輝いていた。そのリアルな手触り感を演出してくれるのです。プリンスをこよなく愛する映像マニアが、あらん限りの手を尽くして記録していた傑作プロショット。その情熱に経緯を込め、時代感丸出しのCMも含めてすべてをDVDに詰め込みました。絶頂を極めたプリンスの輝きで充ち満ちた東京ドーム……いえ、BIG EGG。その眩しいコンサートを史上最高クオリティで永遠に残す1枚。今週末、本作があなたを“あの夜”にお連れいたします。
Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 31st August 1990 Broadcast Date: 21st September 1990 (104:23)
1. Introduction 2. CM 3. Take Me With U 4. Bambi 5. Alphabet St. 6. CM 7. Kiss 8. Purple Rain 9. CM 10. The Question Of U (incl. Venus De Milo / Under The Cherry Moon) 11. When Doves Cry 12. Do Me, Baby 13. CM 14. The Future 15. 1999 16. Housequake 17. Sexy Dancer 18. CM 19. Little Red Corvette 20. Batdance
21. Partyman (incl. What Have You Done For Me Lately?) 22. CM 23. Baby I'm A Star (incl. Respect) 24. Ain't No Way (Rosie Gaines) (Outro & Credits) 25. CM 26. Graffiti Bridge CD Competition / Ending
Prince - Leadvoice & Whatever Miko Weaver - Guitar Levi Seacer, Jr. – Bass Dr. (Matt) Fink - Keyboards Rosie Gaines - Keyboards, Vocals Michael Bland - Drums
Dancers "The Gameboyz" Kirk Johnson Damon Dickson Tony Mosley
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.104min.