
今週末、とてつもない極上新タイトルがSigmaに登場します!アルバム『原子心母』のリリースに合わせ約1ヶ月間行われた1970年第2次北米ツアーの最終日・10月23日のサンタモニカ公演...とくれば、ファンにはもう御馴染みの公演でしょう。何と言っても1970年代初頭、TMOQから出た恐らくフロイド初のブートレッグLP盤『LIVE 』等でお馴染みでしたし、そのTMOQ使用ソースとは別の同日ソースを使用した『CREATURES OF THE DEEP 』を2009年にリリースし、長く親しまれてきました。しかしこの『CREATURES OF THE DEEP (※以降" 既発盤 "とします)』のディスク1と2に使用したソースは「太陽讃歌」の欠落や部分的なテープ劣化、カット&インサートの処理が散見された事もあり、当時出ていたこの日のタイトルの中では図抜けて秀逸でしたが、詰めの甘さがあった事も正直否めませんでした。その後もこの件が引っ掛かっており、TMOQ盤使用のソースとは違うソースでこの日の新定番を...と願い続けていたのですが、今月、遂に6年越しで既発盤に使用したリール・マスターの1st Genからリール・トゥ・リールで作製された極上テープの入手に成功したのです。そして劣化が全く無いそのサウンドをレーベル内で試聴した訳ですが....その時の興奮をどうお伝えしたら良いのでしょう。何しろそこに居合わせた、もう並大抵のモノでは驚かなくなっているレーベルスタッフ=フロイドのブート中毒者一同が仰天する、近年稀に見る感動を伴った超極上サウンドだったのですから! まさに45年間封印されていたパンドラの箱とも言うべきこのサウンドは、演奏音の圧倒的な近さと明瞭感、極めて高い透明度、音色の豊かな質感、そして驚くほど幅の広いダイナミックレンジによって潰れや歪みやブレが全く無い豪傑な音像で、正しくオーディエンス録音の極みとも言える驚異的なマスターサウンドなのです。当然、既発使用のソースで欠落していた「太陽讃歌」も、あるべき位置に完璧な姿で存在しており、そのうえ開演前の様子も既発よりずっと長く収録されている事も大きな特徴となっています。更に既発盤ソースでは左チャンネルが押し黙ってやや右寄りだった音の定位も元からセンターにしっかり固定されている(※もちろん最後まで完璧です)点も見逃せません。あまりに完璧な音像なので手を出す箇所すら無く、一応は最新機材でリマスタリングを試みましたが、原音に影響を及ぼさない程度の極僅かなノイズ除去と調整以外はしておりません。正直これはもうアッパー盤というよりは別次元の音楽体験で、45年前の会場の興奮がそのまま体験出来ると言っても過言ではない、ウルトラ級の傑出タイトルとなっているのです!!まずオープニングですが、既発盤には未収だった軽めのサウンドチェックを含む演奏開始前の様子が約46秒ほど含まれており、ディスク・スタートから既にアドヴァンテージが存在しています。「Astronomy Domine」が始まると重心の低いリズムが大胆に跳ね上がり、音楽が一気に開放(或いは、解放)される驚きがいきなり炸裂しますが、強い音でも全く濁ったり潰れたりしないのは勿論、驚くほど間近に現れる演奏音に唖然とされるでしょう。曲想が一旦静まる4分29秒からの静音部でも圧倒的な透明度があり、音が遠く濁り気味だった既発のサウンドとは別次元のサウンド体験である事にハッキリ気付かれると思います。「Green Is The Colour」では蕩けるような曲線美を思わせる歌唱旋律が、圧倒的な近さと透明度で出て聴く者を魅了します。バックの演奏が動き出すと更に濃密でリッチなサウンドになるのですが、既発盤でのこのシーンは音が混濁してやや聴き辛いものだっただけにそのアッパー感に驚かれる筈です。「ユージン、斧に気をつけろ」では曲中で終始漂う音色の変化がパーフェクトに追ってゆけます。弱音表現も完璧に追えるため曲の表情が微細なところまで感じ取れる様になり、スクリーミング後の音楽的収束と終息に至る響き豊かな行間の魅力も存分に堪能して戴けるでしょう。「Fat Old Sun」は、既発盤では沈み込んでいたベースとタムの動きがここでは全く滲む事無く、それどころか綺麗に浮いて音が出ている事にお気付きになると思います。歌声も非常に近く、演奏音全体の艶と見通しの良さもこれまでとは別次元です。これによってスローテンポ特有の躍動感が一層間近に感じられる様になり、音の休ませ方と曲中から主題旋律を再起動させる巧みさが更に確かな手応えで理解出来ると思います。「太陽讃歌」は既発盤『CREATURES OF THE DEEP』に使用したソースでは抜け落ちていた未収録曲で、今回が初登場です。導入の打ち鳴らし(銅鑼かクラッシュ・シンバルをマレットで叩いている?)によるクレッシェンド効果から驚異的な音像が一気に広がり、一旦リズムを消す中盤のサウンド・コラージュでも各楽器の音が既発盤とは比べ物にならないほど鋭く明瞭に飛び出してきます。またここでの演奏はベースとギターがフックのあるパフォーマンスをしていたり、定型で進むリズムが激しく変容する箇所も急速で特徴的(3分50秒~)なので、演奏面での聴きどころの多さも魅力でしょう。「Cymbaline」は重量感のあるリズムと力強いギルモアの歌声が豪奢で研ぎ澄まされたサウンドで飛び出し、中盤の足音とドアの開け閉めのシーンもその緊迫感がリアルに伝わってきます。こうしたシーンと音楽の繋ぎ方、すなわち視覚と聴覚を伴ったアーティキュレーションの驚きと面白さがここでは最高値で出ているのです。 「神秘」もまた目覚しいアッパー感が堪能出来る一曲です。中盤まで展開する前衛的なピアノの和音と旋律のばら撒き、凶悪なギターのフィードバック効果、呪文の様に繰り返されるドラムや銅鑼の派手な打ち鳴らし等の強音が、それぞれ濁ったり潰れたりせずどれも芯のある鋭い音で出てきます。この曲の様に突発的な強音や限界以上の音量を入力した場合、通常はレベルが飽和して波形が歪むものなのですが、でもこの45年前のマスターサウンドは微塵のブレも無く音が力強く" 立って "おり、録音されたリールテープのレンジ許容域がどれほど深いものであったかを強く物語るシーンともなっています。勿論オルガンから導かれて音楽が天上へ向かう終盤もそれぞれの楽音が品格ある艶やかな音色で出ていて、霊感に充ちた音の装飾がひとつひとつ無垢な祈りとなって昇天してゆく姿をこの音の中に視る思いがする筈です。そして管弦楽版の「Atom Heart Mother」に至ってはもう、現存するオーディエンス録音の中ではこれが最も音が良いとハッキリ申し上げましょう。混声合唱やブラス隊の出音も明瞭でバンド音との融合感も良く、それらの密度の濃い協奏的対話がこれまで聴けた管弦楽版収録のどのタイトルよりも遥かに高い次元で結実しているのです。また音質が格段に向上したことで発見もあり、例えば管弦楽の音を縫う様に歌っていたスライド・ギターが消えてゆくシーン(※6分03秒~09秒)では、消え入る寸前の微弱な音まで克明に聞こえており、これは既発盤の同シーンでは音が遠く不鮮明で殆ど分からなかったシーンです。また曲想が消えてサウンドコラージュのようになるシーン(※18分47秒付近~)も、既発盤では本来そこに無いギルモアのギタープレイが挿入されていた事に気付かされたり(※既発盤17分25秒付近~18分34秒に相当)、他にも22分00秒~12秒で出てくる東洋的な弦の旋律は既発では音が混濁してここまでくっきり旋律が追えませんでしたが、今回はひとつひとつの弦の響きまで鮮明に追ってゆけるなど、様々な事に気付けるシーンが多く散見されるのです。「Interstellar Overdrive」は、か細いギターに導かれて演奏が動き出す3分01秒からの分厚い濃密なサウンドに仰天されると思います。この出音の対比からも分かる様にこの日は強弱が幅広く取られた表現となっていますが、同時にアンサンブルに鋭く急速なドライヴ感が出ているのも興味深いところです。攻め込んでくる骨太の演奏がじんわりと表情を歪ませ、予測不能に変容してゆく様子を圧巻の至近距離・高解像サウンドで存分にお愉しみ下さい。それにしてもアッパー版とは何でしょう? ブートレッグに接してきた度合いや人の感性によってそれは様々な解釈が出来ると思いますが、当Sigmaはそれを" 音質の悪さから来る抽象性を減じ、より具体性をもたらす音像 "と考えます。ここにあるものが正しくそれですし、それどころかその定義すら軽く超えた別次元の音楽体験が詰まっています。どうか、心してこのサウンドに接して下さい。見知っていたあの音像が驚きのサウンドで上書きされ、あの当時のフロイドが放っていた本物の旋律が純粋な美しさでここに輝いている事をハッキリ感じ取る筈です。抽象性を全て廃したこの生々しい音の響きの充満こそ、45年前の夜に存在したシビック・オーディトリウム会場の残響=Echoesそのものであり、そして我々が想いを馳せ続ける45年前のフロイドから届いた本物の応答と言えるでしょう。
Live at Santa Monica Civic Auditorium, Santa Monica, California, USA 23rd October 1970 PERFECT/TRULY PERFECT SOUND(HUGE UPGRADE)
Disc 1(65:47)
1. Introduction 2. Astronomy Domine 3. Green Is The Colour 4. Careful With That Axe, Eugene 5. Fat Old Sun 6. Set The Controls For The Heart Of The Sun 7. Cymbaline
Disc 2(71:50)
1. A Saucerful Of Secrets 2. Roger Introduction 3. Atom Heart Mother (with orchestra and choir) 4. Interstellar Overdrive