
スレイン、バルセロナと続いている2007年ヨーロッパツアーのリリースですが、今回は6月13日のフランクフルト公演の登場です。この日は当時『THE BIGGEST BANG IN FRANKFURT』というアイテムがリリースされていましたが、それとは別な今年に入って発掘された初登場オーディエンス録音にて収録。既発タイトルの音源もなかなか良好な音質ではありましたが、今回の新たな音源はさらにその上をゆくクオリティとなりました。音像に関してはさほどオンなバランスという訳ではなく、その点では過去の音源と近いイメージかもしれません。しかし今回の音源が誇るのは何しろ抜群のクリアネス。非常にナチュラルで広がりを感じさせる高音域、そのきめ細やかな音質には思わず聞き惚れてしまいそうなほど。ミックのボーカルを中心とした録音のバランスも優秀で、正に優等生録音と呼ぶにふさわしいクオリティです。当店がリリースしてきた2007年ツアー、過去二タイトルと比べても音質に関しては今回がベストでしょう。まず音質だけでも安心して楽しめる優良音源であることを断言します。結果として当店のリリースは時系列を遡る形でのリリースともなった訳ですが、ライブの前半部分における盤石の演奏ぶりもまた過去二タイトル以上に安定のグルーブ感。メンバー全員が高齢となった2005年ツアー以降はミスが起きる頻度が高くなり、むしろそれが聴きどころでもあるのは過去二タイトルの演奏内容でも実証済み。しかしこの日の前半は非の打ち所がない演奏に圧倒されます。さすがはツアー三年目といったところでしょう。2006年や今年の来日公演ではむしろ暴走気味な演奏が聴かれた「Bitch」などもどっしりとした安定感がまた圧倒的です。しかしそんな盤石の演奏をかき乱してくれたのはやっぱりキース(笑)。しかも今回のミスはギター・プレイではありません。むしろ彼の歌が危ういのです。それはもう「Wanna Hold You」を聴いただけでも解るはず。どうにもこの日のキースはお酒に酔っているとしか思えません。しかしそれまではおかしな演奏も聴かれなかったので、ちょうど自分の歌の番で酔いが回ってしまったのでしょうか?それがさらに顕著なのが「Before They Make Me Run」。間奏から歌に戻るタイミングを完全に間違えていて、彼自身も歌いながら「shit」と呟く始末。ところがBステージでは再び安定のパフォーマンスが聴かれるから不思議なもの。しかもそこへ移っても音質がまったく変化しないおかげでなおさら演奏の素晴らしさが伝わってきます。「Respectable」は2012年から「コラボ専用ソング」と化した感がありますが、ここでは非常にベーシックなロックンロールのストレートなノリで演奏されました。その演奏が今聴いてみてとても新鮮に映ります。しかもこうした曲調であればキースは本領を発揮、なおさら先の酔った歌が不思議に聴こえるのではないでしょうか。そして「Sympathy For The Devil」の途中でチャーリーのドラムの音が鳴らなくなってしまうハプニングは今年のウィーンでの出来事とオーバーラップするものがありますが、ここでは演奏の中盤で発生したことが功を奏し、むしろ演奏がブレイクしたアレンジであるかのように映るから面白いものです。もちろんチャーリーのドラムも復帰するのですが、そのタイミングや入り方が何とも決まっていて鳥肌が立つ場面でした。前半の堂々たる演奏ぶりとキース謎の酔い歌唱、そして思わぬハプニングといったコントラストに溢れたライブを収録したクリアネス抜群の新発掘マスターがリリース決定です。ただし、ショウの後半で会場に打ち上げられた花火の音が物凄い迫力で響き渡ります、ヘッドフォンで聴く際には再生ボリュームに注意してください!笑
Live at Commerzbank Arena, Frankfurt, Germany 13th June 2007 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (65:46)
1. Intro 2. Start Me Up 3. You Got Me Rocking 4. Rough Justice 5. Bitch 6. Monkey Man 7. Sweet Virginia 8. Midnight Rambler 9. I'll Go Crazy 10. Tumbling Dice 11. Band Introductions 12. Wanna Hold You 13. Before They Make Me Run
Disc 2 (52:06)
1. It's Only Rock'n Roll 2. Respectable 3. Satisfaction 4. Honky Tonk Women 5. Sympathy For The Devil 6. Paint It Black 7. Brown Sugar 8. Jumping Jack Flash