
『WHO DO WE THINK WE ARE!』時代の名録音が登場です。本作に収められているのは「1973年1月21日ミュンヘン公演」。かつてリリースされた名作を最新・細心のリマスターで蘇らせた決定盤です。“1973年”というと、第2期の崩壊と第3期の誕生が一気に起きた歴史上のターニングポイントでもある。本作はもちろん、第2期にあたるわけですが、まずは栄光の第2期末期の歩みを見てみましょう。
《1月13日『紫の肖像』リリース》・1月16日-3月20日:欧州ツアー(36公演) ←★ココ★・4月12日-6月19日:北米ツアー(42公演)・6月23日-29日:日本ツアー(6公演)《第2期DEEP PURPLE崩壊》
かなりアッサリとまとめましたが、これが『WHO DO WE THINK WE ARE!』リリースから第2期崩壊までの全容。本作のミュンヘン公演は、リリース直後のツアー冒頭にあたるドイツ・ツアーの模様です。この独ツーからは『BERLIN 1973』『MUNSTER MASTER』といった名作もありますので、日程で位置関係を確認してみましょう。
・1月16日ベルリン(ツアー初日) 『BERLIN 1973』 ・1月17日ハンブルグ ・1月19日ニュルンベルク ・1月20日フランクフルト ・1月21日ミュンヘン 【本作】 ・1月23日ミュンスター 『MUNSTER MASTER』 ・1月24日エッセン ・1月26日オッフェンブルク ・1月27日ケルン
これがドイツ日程9公演の全体像。アメリカや母国イギリスに次ぐ規模で、いかにドイツでの人気が高かったのかをうかがわれます。本作は、その5公演目にあたる。そんな本作のサウンドは、それは見事なオーディエンス・サウンド。『BERLIN 1973』『MUNSTER MASTER』も1973年を代表する名録音だったわけですが、本作も負けず劣らず。現場となった“オリンピアハレ”は、前年のミュンヘンオリンピックのやめに建設された屋内競技場ですが、その空気感がやけに透き通っている。曲間などで静寂になると「リッチー!」と叫ぶ遠くの1人の声や口笛までクリアに響く。その透き通る空気を切り裂く楽音こそが主役で、曲の前につま弾くギターやオルガンも繊細に聴き取れ、全員一丸の大音量で迫っても各人のフレーズが浮き立つ。POWER GATE盤の時点で大好評だったわけですが、今回はその名録音に最新リマスターを実施。全体的なバランスは手を加える必要がないほど整っている名録音でしたが、楽音が一層クッキリと鮮やかになるよう微調整いたしました。もちろん、ムリヤリ楽音のねじ曲げるような野暮は一切行わず、マスター本来の美しい“鳴り”を最大限活かした仕上がりです。そのクリアさで描かれる“第2期の末期”がまた、なんとも味わい深い。もちろん、“黄金の1972年”ほどの神懸かったテンションには届かないのですが、1人ひとりに耳を傾けると美味しいフレーズをこれでもか!と繰り出しつつ、ていねいに演奏していく。我を忘れるような爆テンションではないからこそ、楽曲の良さ、各人の素養がムキ出しになるような面白さがある。リッチーのギター・トーンは、全編にわたって冴え渡っていますし、このツアーだけの「Mary Long」も美味しい。さらにキーボードソロから続く「Lazy」以降の展開ではジョン・ロードも数々のキラめく即興フレーズが目映いほど。そして、それが手触り感覚で分かるほどに本作のサウンドは素晴らしいのです。『BERLIN 1973』『MUNSTER MASTER』に続く、“1973年ドイツ三部作”の完結編となる1本。これが、ロック史上に燦然と輝く第2期DEEP PURPLEの“終わりの始まり”。そんな1973年の真実を本生100%で伝えてくれる傑作録音。
Live at Olympiapark Sporthalle, Munich, Germany 21st January 1973
Disc 1(56:04)
1. Intro 2. Highway Star 3. Smoke On The Water 4. Strange Kind Of Woman 5. Mary Long 6. Keyboard Solo / Lazy 7. Drum Solo / The Mule
Disc 2(33:05)
1. Space Truckin' 2. Black Night
Ian Gillan - Vocals Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover – Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice – Drum