
48年にも及ぶ長い長いDEEP PURPLE史。その中で、彼らがもっとも輝いていた“1972年の秘宝”が登場です。この“1972年”の輝きたるや、それはそれはもう猛烈なものでした。超名盤『MACHINE HEAD』をリリースしたかと思えば『MADE IN JAPAN』を生む来日公演を実現させ、『WHO DO WE THINK WE ARE!』まで創り上げる……。数ヶ月の間に歴史に残る大偉業を矢継ぎ早に成し遂げながら、その合間にも徹底的に強烈な凄まじいライヴを重ねまくっていた。本作は、そんな彼の真実を伝える「1972年7月14日ウェスト・パルム・ビーチ公演」を収めたオーディエンス・アルバムなのです。この録音は、以前から「来日公演直前の名録音」として知られていたもので、近年になって発掘されたマスター。ギフト・アルバムとしても大人気を博しましたが、その名録音に最新・細心のリマスターを施した1枚なのです。どれだけ直前だったのか、当時のスケジュールをちょっと覗いてみましょう。
《3月25日『MACHINE HEAD』リリース》・3月17日-31日:北米ツアー#1(11公演)《3月31日リッチーが肝炎で倒れる》・4月6日:ケベック公演(代役ランディ・カリフォルニア)《1ヶ月半後》・5月25日-6月6日:北米ツアー#2(9公演)・6月27日-7月1日:欧州ツアー(3公演)・7月6日-18日:北米ツアー#3(11公演) ←★ココ★
《7月『紫の肖像』基礎録音》・8月15日-17日:伝説の初来日(3公演)(情報が確定していない時期のため、公演数などは不確実です)
以上が『MACHINE HEAD』リリースから初来日公演までの歩みです。これをご覧の通り、『MACHINE HEAD』リリースから1週間も経たないうちにリッチーが肝炎で倒れてツアーが頓挫。復帰したかと思ったら、いきなり北米と欧州を行ったり来たりしながら『WHO DO WE THINK WE ARE!』の制作を始める強行軍で、そのまま日本公演に突入する。この間、わずか5ヶ月しかなく、嵐のような半年間だった。本作は、そんな嵐の5ヶ月間でもリッチーが調子を回復させつつ、初めての日本へと臨む直前だった「北米ツアー#3」の記録。1972年の録音というと、ほとんどが2-3月や8月であり、来日直前である「北米ツアー#3」は、まともな記録がほとんどなく、貴重な1本なのです。そんな本作のサウンドは、一言で言うと「ブラックモア・アルバム!」。とにかく、リッチーのギターサウンドがデカい、近い! ド迫力!! 録音環境がどのようなものだったのかは分かりませんが、まるでリッチー側のステージ袖で聴いているような間近感覚が凄い。もちろん5人全員の演奏は記録されているものの、やや遠い。ハッキリ言って風呂場の中で演奏しているかのようなバンド・サウンドなのですが、それを土台にしたリッチーだけは脱衣所にいる。一切ボケることないリフは鋭く切り込み、ソロはどこまでも激しく、軋みまくるアーミングも超リアル! 正直なところ「理想的なバランス!」とは間違っても言えないのですが、ここまで“リッチー・オリエンテッド”なライヴアルバムもちょっと覚えがない。そのサウンドでキレにキレるのが、かの『MADE IN JAPAN』直前のリッチー・ブラックモアなのですから、それはそれはもう凄絶。録音者がテープの残量を気にしているのか(実際、アンコールは録音されませんでした)、曲間がカットされていますが、そのせいで矢継ぎ早に鋭いリッチー・サウンドが集中豪雨のように押し寄せるド迫力ライヴアルバムなのです。ごく短期間に『MACHINE HEAD』『MADE IN JAPAN』『WHO DO WE THINK WE ARE!』を次々と生み出していった“1972年のDEEP PURPLE”。その凄まじさは、『MADE IN JAPAN』ですでに耳にタコ状態なことでしょう。しかし、もし、それと同時期・同等の演奏を“リッチーの隣”で体験できるとしたら? あの閃光のようなギターを、すぐ目の前で聴けるとしたら? 本作は、そんな夢のような体験をくれる1枚なのです。貴重極まる記録にして、“1972年のリッチー・ブラックモア”に最接近できるライヴアルバム。
Live at Spring Auditorium, West Palm Beach, Florida, USA 14th July 1972 (58:29)
1. Highway Star 2. Smoke On The Water 3. Strange Kind Of Woman 4. The Mule 5. Lazy 6. Space Truckin'
Ritchie Blackmore - Guitar Ian Gillan - Vocal Roger Glover – Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice – Drums