
ボウイ最後のワールドツアー“A REALITY TOUR 2003-2004”の極上ライヴアルバム再発です。このツアーからはオフィシャル作品『A REALITY TOUR』や最後の日本公演のイメージが鮮烈ですが、本作が録音されたのは、それらよりも後期。「2004年4月17日バークレー公演」のオーディエンス・アルバムです。日本公演が2004年3月で、ツアー終了が2004年6月ですから、その合間のコンサートにあたります。オーディエンスとは言っても、そのクオリティは客席録音離れした素晴らしさ。その楽音はとにかくクリアで美しい。すべての楽音が綺麗にバランス良く収録されているだけでなく、1音1音がとても艶やか。特にボウイの歌声の滑らかさは絶品。しかも、それが開演から終演まで、一切ブレることなく続くのです。ためらいなく「まるでサウンドボード」呼びたい楽音ではありますが、本作は確実にオーディエンス録音。多めに拾われた客席声がやたらとリアルで、楽音の隙間から漏れ聞こえてくるのです。「サウンドボード音声に極わずかな残響とオーディエンス・ノイズをオーバーダブしたような感じ」とでも言えばいいでしょうか。ライン録音の白々しさが皆無でありながら、素晴らしく美しいボウイ・ミュージックが楽しめる客席録音のお手本のようなサウンドなのです。そんなバランスが殊更に嬉しいのは、日本公演で聴けなかった数々の名曲たちに出会えるから。ザッと挙げてみると「The Motel」「Panic In Detroit」「Let's Dance」「The Supermen」「Always Crashing In The Same Car」「Pablo Picasso」と、日本公演後にセット入りした曲もたっぷり聴けるのです。しかも、単に珍しいだけではないところが素晴らしい。例えば、「Panic In Detroit」のイントロでは曲を察知した観客の歓喜の声が上がり、「The Supermen」では曲をコールされるもイントロでは「どの曲だっけ?」になる。もちろん、歌が入ると盛り上がっていき、最後は大喝采を受けるわけですが、まさにレア曲を演るとはこういうこと。喜びも動揺も困惑も、やたらとリアルなオーディエンス録音ならでは。同じレア曲でも、サウンドボードやオフィシャルではこうはいかない。歓声なしで反応がサッパリ分からないか、妙にマニアな客だらけの大歓声が被せられてしまう。それらとは根本的に違う“ライヴに参加している”醍醐味に溢れていながら、サウンドボード級の絶品な音楽を損なうこともない。これこそ、本作が幾多のオーディエンス録音でも特別な理由なのです。「お客さんの密録」。改めて考えれば考えるほど、不思議な文化です。オーディオ的な価値観で言えば、アーティストが磨きに磨き抜いたオフィシャルのライヴアルバムや、プロが腕によりをかけた放送音源でもあれば十分なはず。「音楽ファン」を自認する人たちでも、オーディエンス録音を愛する人は極々わずかでしょう。しかし大事なのは、わずかであっても愛好する人々は確実にいて、その魅力を分かり合えるということ。たとえ、見知らぬ人同士であっても「現場っぽいよね」「この残響が良いんだよね」で通じるということは、普遍的な魅力・美点がある。本作は、そんな魅力をこれ以上ないクオリティで封じ込めたライヴアルバムなのです。正直に申し上げて、いかなボウイ最後のワールドツアーとは言っても、本作は歴史的な一夜ではなく、“ある夜の記録”でしかありません。しかし、その“ある夜”には「Rebel Rebel」に続いてロカビリーを歌ってしまうほど上機嫌なボウイがいて、レア曲に驚き、喜ぶ観客たちがいた。その中に身を置くことの喜び、1人でも多くの方に知って頂きたい。コレクターの一覧に埋もれさせておくのは、あまりにももったいない。そんな一念を込めた再発です。日本では知ることさえ難しかったコンサートへ連れて行ってくれるライヴアルバム。極上の音楽の隙間から観客たちの感情が漏れ出す、そんな理想的な現場感覚に溢れた1本。その魅力を分かってくださるあなたへ、この傑作をお届けします。
Live at the Berkeley Community Theatre, Berkeley, CA. USA 17th April 2004 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(71:20)
1. Intro 2. Rebel Rebel 3. New Killer Star 4. Looking For Water 5. Cactus 6. Reality 7. All The Young Dudes 8. China Girl 9. A New Career In A New Town 10. The Motel 11. The Loneliest Guy 12. Panic In Detroit 13. Let's Dance 14. The Man Sold The World 15. The Supermen
Disc 2(78:26)
1. Sunday 2. Heathen (The Rays) 3. Under Pressure 4. Days 5. Always Crashing In The Same Car 6. Pablo Picasso 7. Ashes To Ashes 8. Quicksand 9. Hang On To Yourself 10. "Heroes" 11. Bring Me The Disco King12. Five Years 13. Suffragette City 14. Ziggy Stardust
David Bowie - vocals, guitars, stylophone, harmonica. Earl Slick - lead guitar Gerry Leonard - lead guitar, b-voc. Gail Ann Dorsey - bass, vocals Mike Garson - piano, keyboards. Catherine Russel - b-voc, percussion, keyboards & guitars Sterling Campbell – drums