
ついに「ロックの殿堂」入りも決定したDEEP PURPLE。長く続いた彼らの“NOW WHAT? WORLD TOUR 2013-2015”の最終日公演の最新オーディエンス・アルバムが登場です。2013年2月にスタートしたツアーは2年10ヶ月にも及び、もはや「NOW WHAT?」を新作と呼ぶのもためらわれるほど長大なものとなりました。その最終日となったのは、母国イギリスの「2015年12月3日ロンドン公演」。会場はLED ZEPPELINの「CELEBRATION DAY」の現場ともなった“ロンドンO2アリーナ”です。実は、長大な“NOW WHAT? WORLD TOUR”の中でも、それまで母国で行われたライヴは2013年10月の5公演のみ。本作のライヴの直前までヨーロッパをじっくりと回っていた彼らは、最終日に2年ぶりとなる1回だけの大会場を選んだわけです。その記念すべき最終公演に足を運んで記録した録音家は、当店でお馴染みの英国在住テーパー。毎度、お馴染みの紹介で恐縮ですが、遠く離れた日本まで“ブリティッシュロックの今”を伝え続けてくれる録音家で、ポール・マッカートニー、THE ROLLING STONES、デイヴ・ギルモア、U2等々など、無数の傑作録音をモノにしている巨匠です。先日もTHE SWEET、STEVE HARLEY & COCKNEY REBEL、AVERAGE WHITE BAND & KOKOMOの各タイトルが大好評を賜りました。その巨匠サウンドというと、DAT録音にこだわった暖かみのある音色が特徴ですが、今回もその例に漏れない素晴らしいもの。なにしろ、“ロンドンO2アリーナ”と言えば、2万人収容の大会場。たっぷりとした距離感になってもおかしくないのですが、本作の楽音は芯も図太く、素晴らしいダイレクト感でグッと迫ってくるよう。多少丸みのある感じもしますが、楽音そのものを身近に感じられるタイプなのです。そのサウンドで刻まれた最終公演は、尋常ならざるムードでもあったそう。パリ同時多発テロ事件の影響で、ボディチェックがかなり厳しく、空港のスキャナーまで導入された厳戒態勢。巨匠いわく「extra security checks」という環境の中をかいくぐっての録音だったのです。そんな現場の厳格ムードを重厚感に変えて会場を包み込むホルストの「火星」に導かれてショウはスタート。快走する「Highway Star」、そこから間髪入れず雪崩れ込む「Bloodsucker」と日本公演では聴けなかった2曲が畳みかけられる。さらに「Hard Lovin Man」「Strange Kind Of Woman」と、一言のMCを挟むまもなく名曲が次々と飛び出す実に美味しいオープニングです。ショウの中盤は新旧レパートリーと各人のソロを織り交ぜながらじっくりと聴かせる流れになりますが、ここで本国公演だからこそのスペシャルゲストが登場。スティーヴン・ベントレー・クレインなるヴァイオリニストで、デイヴィッド・バーンやウリ・ジョン・ロートとも共演経験のある人物。彼はドン・エイリーのよく転がるオルガンとひとしきりフレーズを絡ませあい、「Lazy」に突入していくのです。そこで聴かせるヴァイオリン・ソロとDEEP PURPLEサウンドの相性が実に良い。全曲でヴァイオリンのソリストが暴れるライヴが見たくなってしまいそうです。さらに本作ではスペシャル・ゲストがもう1人。ショウ終盤で盛り上がる「Smoke On The Water」」でRIVAL SONSのギタリスト、スコット・ホリデイが参加。RIVAL SONS自体はアメリカのバンドですが、この日のDEEP PURPLEの前座を務めていました。この頃になると、コンサート序盤に漂っていた厳格ムードはどこへやら。若いバンドのゲストも迎えたお祭りムードが会場を満たし、最終公演の開放感、それも久々の母国公演だからこそのリラックスな雰囲気が支配していく。ロックを知るものなら誰でも知っているリフが轟き、“ロンドンO2アリーナ”を満たす2万人の合唱隊がサビを唱和する巨大なスケール感。素晴らしいサウンドと客席録音のリアリズムが共生する本作だからこそのスペクタクルです。長きにわたったワールドツアー最終日の祝賀ムードに彩られた、特別な母国イギリス公演。そのムードを現場でたっぷりと吸い込んできたオリジナル・マスターだからこその鮮度ぴちぴちなライヴアルバムです。この日からおよそ2週間後に“ロックの殿堂”入りが決定し、次なる歩みはまだ発表されていません。次なるスタジオアルバム制作に入るのか、それとも新たなコンセプトのプロジェクトやツアーを実施するのか。それ以前に、決定した殿堂入りセレモニーに誰が出席するのか。リッチー・ブラックモアとイアン・ギランが並び立つまさかの光景が……などと期待は膨らむばかり。パープル・ファミリーに俄然注目が集まってきた今だからこそ味わいたい、本家本元の最新録音。“この次”はいつになるか分かりません。ぜひ、この機会にツアー最終公演をご賞味ください!
Live at the O2 Arena, London, UK 3rd December 2015 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(60:58)
1. Mars, Bringer of War 2. Highway Star 3. Bloodsucker 4. Hard Lovin Man 5. Strange Kind Of Woman 6. Vincent Price 7. Steve Morse Solo 8. Uncommon Man 9. Well Dressed Guitar 10. The Mule incl. Ian Paice Solo 11. Violin/Keyboard Solo (with Stephen Bentley-Klein) 12. Lazy (with Stephen Bentley-Klein)
Disc 2(57:12)
1. Demon's Eye 2. Hell To Pay 3. Don Airey Solo 4. Perfect Strangers 5. Space Truckin 6. Smoke On The Water (with Scott Holiday) 7. Green Onions 8. Hush 9. Roger Glover Solo 10. Black Night
Ian Gillan - Vocal Steve Morse - Guitar Roger Glover - Bass Ian Paice – Drums Don Airey – Keyboards Guests Stephen Bentley-Klein - Violin Scott Holiday - Guitar