
ZEP二度の来日公演については、オーディエンス録音の流通状態に一貫した共通点が見られるのです。それは「初日の音源が多く存在する」ということ。つまり、1971年と72年のどちらにおいても、ツアー初日の武道館に多くの音源が集中しているのです。ただし、音源のクオリティ状況に関して言うと、71年と72年で全く異なっていました。前者においては「FRONT ROW」音源から始まって、現在では「ROCK CARNIVAL」といった具合に、現在の耳で聴いても十分に通用する、驚きの高音質オーディエンス録音がズラリと居並ぶハイレベルな状況なのに対し、後者は当店が「BUDOKAN 1972 1ST NIGHT」としてリリースしたのも記憶に新しい、長年の定番オーディエンス録音が別格すぎて、それ以外の音源がどうしても軽視されがちでした。そもそも当店が「BUDOKAN 1972~」がリリースしたのも記憶に新しく、それでいてSold Outしてしまったところで、今度は72年武道館初日の何を出す?これまでに現れてきた別録音の再発か?いいえ、違います。既に多くのレコーディング・ソースが存在するこの日、新たに発掘されたまっさらニュー・ソースが今回のリリースとなるのです!やはり今回も「初日音源」伝説は健在でした。またまた現れた72年武道館初日のオーディエンス録音。とはいえ、それだけなら大したアドバンテージにはならないほど、今も昔も「BUDOKAN 1972~」音源の録音クオリティは絶大。その音質だけでなく、演奏にほとんどカットが入らない、記録としての見事さも大きかったのです。実際に当店も別音源を「LIVE AT BUDOKAN 1972 1st NIGHT」をリリースした過去がありましたが、それもやはり不完全収録であったことや、何よりも音質が「BUDOKAN 1972~」音源には及ばないことから、貴重な別音源ながらも、結局はCD-Rのギフト扱いに留まってしまった訳です。こうした状況が長年続いていましたので、今回のニュー・ソースも「BUDOKAN 1972~」音源と比べたらどうってことない…とんでもない!遂に現れた「BUDOKAN 1972~」に比肩しうるクオリティを誇る音源が!遂に!未だにこうした別録音が2016年の今日まで眠っていたことに驚きを禁じませんが、それ以上に驚かされるのが、その高音質ぶり。今回のニュー・ソースですが、デメリットがあることを最初に申し上げておきましょう。それは新曲「ZEP」こと「The Song Remains The Same」と、それに続いた「Rain Song」がテープ・チェンジのせいで収録されていないのです。さらにはZEPステージ登場前のカリスマDJによるMCも同様。これらの欠損部分に関しては、当然ながら「BUDOKAN 1972~」音源を補填した上での完全収録編集となっています。 ここでまた驚かされるのが、特に「Rain Song」から本音源が「Dazed And Confused」へと切り替わっても、ほとんど違和感がないのです。これだけも、今回の音源の高音質ぶりがいとも簡単に実感してもらえるはず。もちろん、定番「BUDOKAN 1972~」音源がステレオ録音なのに対し、今回はモノラル録音という根本的な違いがあります。しかしそれでもなお、「BUDOKAN 1972~」音源にひけを取らないクオリティなのは見事というしかありません。しかもそれがステレオ録音ならではの鮮度やクリアネスを誇っていたのに対し、こちらはモノラル音質ならではの迫力がまた新鮮な魅力としてスピーカーから飛び出す!特にボンゾを中心としたヘヴィ・グルーブ指向のサウンドの変化を生々しく伝えてくれるという点が「BUDOKAN 1972~」を上回っている。そんな完全初登場の別音源だからこそ、今回のタイトルが「HARD TRUTH」と名付けられたのです。そして前年の来日とはサウンド志向がガラリと変化しただけでなく、ライブの構成自体がまたガラリと変化を遂げた新生ZEPライブ・ショウを前に、息をのんで見守りつつも、あまりの変貌ぶりに戸惑いも隠せない武道館の臨場感がまた非常に解りやすく捉えられています。それを一言で表すのならば「シーン」という静けさ(笑)。1972年当時、日本のロックファンがZEPに求めていたのはファーストから「III」のA面にかけて顕著だったハードロック・サウンド。71年がそれを前面に押し出していたライブ構成だったことは、初来日時において日本のロックファンに大きないインパクトを残し、それこそが現在まで日本に生き続けるZEP伝説の礎となっています。ところが、72年の来日公演になると、日本のロックファンが愛したZEPサウンドはすべてライブの終盤に押しやられてしまい、ライブの大半が「IV」と新たなサウンドの新曲…という斬新すぎる構成へと豹変を遂げました。それが翌年には大きな成果を挙げた訳ですが、当時の日本のロックファンにとっては戸惑い以外の何物でもない。それが「二度目の来日は精彩を欠く」という誤解された定説を生む原因となってしまった。さらに今回の音源からは、そうしたファンの戸惑いが「BUDOKAN 1972~」以上に生々しく捉えられたという点も大きな魅力であり、ドキュメントとしての価値を高めています。それが顕著に表れていたのが「Whole Lotta Love」メドレー終了後のテーパーとその友人の会話。「まだやる?」「…眠くなっちゃった!」何ということでしょうか、この時の「Whole Lotta Love」においても日本のロックファンが不満を感じていた場面が捉えられてしまった。つまり、前年のメドレーの場合は基本的にアッパーなノリ、それでいてオールディーズ・カバーの合間でも「Good Times Bad Times」や「How Many More Times」がインサートされていたことで大いに盛り上がっていたし、カバーの選曲自体も解りやすいものが多かった。ところがメドレーの選曲に関しても、72年の来日時からスロー・ブルーズを中心とした渋めの展開へと切り替わっており、これがまた当時の日本人には解り辛かった。当然のことでしょう。その後のアンコールを待つインターバルなどは「BUDOKAN 1972~」よりもはるかに長く録音されており、そこでまた愉快な会話が。「飯でも食ってんじゃねえのか!?」 これはテーパー周辺にいた、さらに別の人物から発せられた言葉だったのですが、そこからは、待たされていて「早くアンコールをやってくれ」という思いに留まらない、初期の「Communication Breakdown」や「Immigrant Song」といったアッパーなハードロックが聴きたい…という思いが込められていたのです。それは後の大阪公演におけるアンコール場面でも見られた光景ですし、何よりもインターバルの欠落した「BUDOKAN 1972~」音源からは伝わってこなかった、いわば衝撃の新事実。その点でも「HARD TRUTH」というタイトルがピッタリ来るニュー・ソース。おなじみ「BUDOKAN 1972~」音源とはまた違った、ウォーミーな音質というのも大きな魅力であり、ナチュラル感もたっぷり。定番72年武道館初日からの衝撃かつ、一級のドキュメントになりうる、高音質オーディエンス録音が発掘されました!
Live at Budokan, Tokyo, Japan 2nd October 1972 (from Original Masters)
Disc 1 (74:05)
1. Introduction 2. Rock And Roll 3. Over the Hills and Far Away 4. Black Dog 5. Misty Mountain Hop 6. Since Ive Been Loving You 7. Dancing Days 8. Bron-Yr-Aur Stomp 9. The Song Remains the Same 10. The Rain Song 11. Dazed And Confused (incl. The Crunge)
Disc 2 (56:25)
1. Stairway to Heaven 2. Whole Lotta Love 3. Heartbreaker 4. Immigrant Song 5. Communication Breakdown