
これは凄い! 極初期MSGの高音質ライヴ・アルバムが登場です!! 本作は、ファーストアルバム「神(帰ってきたフライング・アロウ)」をリリースしたばかりの「1980年9月28日ダービー公演」を生記録したオーディエンス・アルバム。当時の詳しいツアー日程は不明なままですが、「神」のリリースが1980年8月ですから本格始動から1ヶ月が経つかどうかという時期。せいぜいほんの数公演しかやってないという初期中の初期記録です。このマスターは、最近になって突如ネット上に登場したもの。そのサウンドは抜群で、近い手拍子がわずかに入っているので客席録音ということは分かるのですが、楽音のダイレクト感はまるでライン録音。邪魔するオーディエンスノイズは一切なく、ポール・レイモンド&クリス・グレンのコーラスまでキッチリと聞こえるのです。ベースの低音も芯が太く、なによりコージー・パウエルのドラミングの凄まじい! 始動したての英国ツアーと言えば、前述のリハーサルの他にはシングルB面に採用された「Armed And Ready」「Into The Arena」程度。極初期MSGをここまで見事なサウンドで捉えきったアルバムなど、前代未聞です。ただし、欠点がないわけでもありません。元のマスターでは「Rock Bottom」の後半、”9:18ー10:07”でテープチェンジによるカットがあるのです。本作では、そのパートを同時期のツアーリハーサルを収めたコージー・テープ「RETURN OF THE FLYING ARROW」で補完しました。かの高音質サウンドボードで補完したにも関わらず、その違和感は最小限。さすがに「気づかないほど自然」とは言えませんが、逆に「早くライヴテープに戻ってくれ」と思うほど、本編のサウンドが素晴らしい! かの名盤をお聴きの方なら、これがどれほど凄いことなのかご理解いただけることでしょう。そんなサウンドで繰り広げられる極初期MSGは、実に、実に素晴らしい! 始動から日も浅いだけにキッチリとこなしていく堅実さも目立ちますが、もともと構築感あふれる楽曲を再現していくタイプのバンドのため、それがマイナスになっていない。新バンドが始まったばかりの熱さと、丁寧な演奏が見事な美しさを現出しているのです。しかも、そのセットリストは超名盤「神(帰ってきたフライング・アロウ)」が軸。「Bijou Pleasurette」の部分が「Natural Thing」に差し替えられ、「Looking Out From Nowhere」と「Tales Of Mystery」の間に「Rock Bottom」が入りますが、それ以外はアルバム「神」と曲順までそのまんま。当時は“アルバム再現ライヴ”などという手法はなかったわけですが、それに限りなく近い“「神」のステージ編”なのです。それを奏でるマイケル・シェンカーの甘く切ないトーンがもう、泣きに泣き、歌い叫ぶフライングV! 1974年の「現象」から約40年のキャリアを積んでいるマイケルですが、ここまで美しく、ここまで繊細で、ここまで雄弁だった時は他にない。触れれば壊れてしまいそうなフレーズが舞い狂う。ここまで書くのに、何度キーボードを打つ手が固まったことか……。それほど素晴らしい上、本作にはオーディエンス録音ならではのリアリティもばっちり。「神」からの新曲の間、美旋律に凍りついているのか観客が大騒ぎすることはありませんが、曲が終わるや一斉に大喝采。特にメンバー紹介は超リアル。ゲイリー・バーデンがポールやクリスを紹介した後、「俺の後ろにいるのは誰だ?」と問いかけるや、待ってましたとばかりに「コージー!」「コージー!」の大声援が沸き上がる。RAINBOWでの最終公演MONSTERS OF ROCKは「8月16日」ですから、それからほぼ1ヶ月。当時のイギリスでいかにコージーの人気が高かったかがビシビシ伝わってくるシーンです(この時期にツアーということは、RAINBOW末期には既にブッキングしていたのでしょうか)。それにしても、某評論家が「バーデンは吃音症だからMCをしない」と書いていましたが、本作ではまったく普通に堂々と話している。ランディ・ローズの小児麻痺説にしてもそうですが、一体、何のためにそんな話をつくる必要が!?!?「Lights!」「Out!!」のやり取りから弾け飛ぶ、灼熱の「Lights Out」! こんなにフレッシュなマイケルやコージーに、まさか35年後に再会できるとは……。ロックンロール調がベースだったUFOを飛び出し、隅から隅まで“自分の音楽”で塗り固めたマイケル。そして、「神(帰ってきたフライング・アロウ)」の衝撃から1ヶ月も経たない本場イギリスのキッズの熱狂が織りなす本生100%のライヴアルバムです。超名盤「神」を創り上げるほどのポテンシャルとパッションが、そのままステージで炸裂する。2015年は、シェンカーファンにとって忘れ得ぬ年になりましたが、その夏に相応しい激熱の1枚。ぜひ、ご堪能ください!
Live at Assembly Rooms, Derby, UK 28th September 1980 TRULY PERFECT SOUND (79:49)
1. The Ride Of The Valkyries 2. Armed And Ready 3. Cry For The Nations 4. Victim Of Illusion 5. Natural Thing 6. Feels Like A Good Thing 7. Into The Arena 8. Looking Out From Nowhere 9. Rock Bottom 10. Tales Of Mystery 11. Lost Horizons 12. MC / Member Introduction 13. Shoot Shoot 14. Doctor Doctor
15. Cozy Powell Introduction 16. Lights Out
Michael Schenker - Guitar Gary Barden - Vocal Chris Glen - Bass Cozy Powell – Drums Paul Raymond - Guitar, Keyboards