1975年のアルバム「夏草の誘い」のアコースティック・デモ音源のリニューアル・ヴァージョンがここに。過去にも流通していた音源ながら、別テイクを加え、デジタル・リマスタリングを施したタイトルとなるもので、ジョニ・ミッチェルがジャズ思考を強め、ロックとの融合に積極的に取り組んだ3部作、『コート・アンド・スパークス』と『逃避行』の間にリリースされた、こちらも70年代を代表する1枚といえるもの。そして彼女の本来の魅力であるアコースティック・ギターでの弾き語による初期テイクは、通常のデモ・テイクとは異なり、もし『夏草の誘い』がアコースティック・アルバムでリリースされていたら、こうなっていたであろうという完成度となるもの。よって弾き語りのみというわけではなく、バックもオフィシャル・リリースされたトラックとは異なっているものの、「イーディスの親玉」ではジョニのギターと一緒に奏でられるピアノはジョー・サンプルぽく、またアルバム自体にはラリー・カールトンにロベン・フォード、チャック・フィンドレーなど腕利きがズラリと顔を揃えていた中、ここでの演奏も同レベルとなるもので、あのオリジナル・リリース・タイプの『ブルー』を凌ぐ貴重度となる、アルバムの制作過程を知る上でも貴重な逸品。
01. Harry's House / 02. Edith and the Kingpin / 03. In France They Kiss on Main Street / 04. Sweet Bird / 05. Shades of Scarlett Conquering / 06. Shadows and Light / 07. Dreamland / 08. Boho Dance / 09. Hunter (The Good Samaritan) from Original Blue
[The Hissing Of Summer Lawns Acoustic Demos : Unreleased studio recordings, Spring 1975, A&M studios, Hollywood, CA]