快作『THE NATURE OF THE BEAST』を引っさげ、30周年を祝う来日を果たした光速の男クリス・インペリテリ。その最新・極上のオリジナル録音が登場です。先日は31年ぶりに実現したグラハム・ボネットとの共演盤『TOKYO 2019』をご紹介しましたが、本作はその続編とも言うべきライヴアルバム。「2019年6月4日:梅田クラブクアトロ」公演の超・極上オーディエンス録音です。本作最大のポイントは衝撃的なまでのクオリティにありますが、まずはショウのポジション。先日の『TOKYO 2019』と併せ、スケジュールの中で確かめてみましょう。 ・6月1日:豊洲PIT 『TOKYO 2019』《6月2日:移動/オフ》・6月3日:名古屋クラブクアトロ・6月4日:梅田クラブクアトロ【本作】以上、全3公演。東名阪を1公演ずつ巡っており、本作の梅田公演は、その最終日にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は「超」をズラズラと並べたくなる極上サウンド。先日の『TOKYO 2019』も傑作でしたが、本作はブン殴らるような凄まじいまでの衝撃サウンド! もちろん、轟音・爆音の類ではありません。超・超ビビッド&超絶クリア!! 本作もまた、当店お馴染みの名匠“西日本最強テーパー”氏の手によるオーディエンス録音なのですが、そのあまりの密着ぶりに「なんだコレは!?」とビビってしまうのです。よく最上級オーディエンス録音には「まるでサウンドボード」「オフィシャル級」と賛辞を使いますが、これは本当に卓直結の流出サウンドボードにしか聞こえない。演奏音や歌声に距離がない……と言うより、大気の存在感がゼロすぎる。とにかく、ずっしりとした手応えと超鋭利な金属エッジがギラッギラに輝き、弦の振動やドラムの皮の振動まで感じるディテールは圧倒的。「現実離れしたリアリティ」などと矛盾した表現が頭の中をグルグル回るのです。さらに卓直結感を演出するのがオーディエンス・ノイズ。本作からも観客の息吹は伝わりはするのですが、超・極太な演奏音や歌声に比べて不自然なほどに小さく、えらく遠い。そして、そのムードがまたクラブの密室感満点。もはやコンサート記録と言うより、スタジオ・リハーサルに同席している感覚。これはもう空気を伝わった音とは思えない。“最強”氏と言えば、先日からALCATRAZZとIMPELLITTERIの極上録音がリリース・ラッシュとなっていますが、サウンドだけでド肝を抜く衝撃は本作こそがNo.1……と言いますか、名作だらけの名匠コレクションでも最高傑作の最有力候補に躍り出る1本なのです。衝撃のクオリティで描かれるショウは、30周年を迎えたIMPELLITTERIの本領が大爆発。残念ながらグラハム・ボネットとの共演は東京のみでしたが、代わって本作を貫くのはグッと完成度を増したショウ。実のところ、東京公演はグラハム共演の奇跡が話題にはなったものの、演奏内容は必ずしも完璧とは言い難かった。元イングヴェイ・バンドのパトリック・ヨハンソンは加入後2回目のショウであり、アンサンブルは今ひとつ。しかもグラハムとの共演を控えてショウ運びにもぎこちなさが見え、ギターにトラブルまで起きる始末でした。しかし、本作では生まれ変わったようにタイト。アンサンブルのバタつきがなくなり、クリスのギターも冴えに冴えている。さらに凄いのは、ロブ・ロック。東京でも絶好調グラハムを向こうに回しても圧倒するほどの歌いっぷりでしたが、本作はさらに上。全編で凛々しくも伸びに伸びるヒロイック・ヴォイスを轟かせるのです。全曲で素晴らしいのですが、特に注目したいのはデビューEPの「Lost In The Rain」。“ヴォーカル殺し”とまで言われる難曲ながら、あのイントロ・シャウトからして超人声が炸裂!! 復活を果たしたグラハムが絶賛を呼んでいますが、いやはや、やはりロブも超人です。セットは大筋で東京公演に通じ、黄金の大代表曲+新ネタ「Run For Your Life」「Hypocrisy」「Symptom Of The Universe」という構成。東京ではグラハムとの共演だった「Stand In Line」「Since You Been Gone」もロブが熱唱する一方、「All Night Long」と「Goodnight And Goodbye」はグラハムのための特別曲だったらしくセットから外れました。その代わりに披露されたのがDEEP PUPRPLE/RAINBOWジャム。「Smoke On The Water」「Man On The Silver Mountain」「Burn」をリラックスしながら楽しみ、「リッチ―の作る曲はほとんどGだよな」と軽口を挟んで「Since You Been Gone」へと雪崩れ込む。先述したように本作のサウンドはリハーサルルーム・レベルの密室感であり、このジャムがその雰囲気にぴったり。ステージ上のライヴアルバムというより、サウンドチェックでも聴いているかのような親密感まで宿った極上録音なのです。『TOKYO 2019』はグラハムとの共演こそ記念碑的でしたが、ことIMPELLITTERIのショウとしては本作の方が圧倒的に上。そんなフルショウを音だけでビビらせる超絶サウンドで完全収録した1本です。音楽に珍しさよりも充実度を求める方には絶対の2枚組。 Live at Umeda Club Quattro, Osaka, Japan 4th June 2019 ULTIMATE SOUND Disc 1 (44:13) 1. Intro 2. Carmina Burana 3. The King Is Rising 4. Warrior 5. Run for Your Life 6. Father Forg ive Them 7. Wicked Maiden 8. We Own the Night 9. Lost in the Rain 10. Over the Rainbow 11. Crazy Train Disc 2 (40:19) 1. Stand in Line 2. Jam (incl. Smoke On The Water, Man on the Silver Mountain, Burn) 3. Since You Been Gone 4. Answer to the Master 5. The Future Is Black 6. Hypocrisy 7. Band Introductions 8. Symptom of the Universe Chris Impellitteri - Guitar Rob Rock - Vocal ames Pulli - Bass Patrick Johansson - Drums