ツアー「ONE ON ONE」が始まってからというもの、スタート地点のアメリカからはスカッと音がいいオーディエンス録音が登場しなかったのは、2016年としては意外な展開でした。やはり、どのツアーも昨年の来日公演アイテムや当店がリリースした驚きのソウル公演並みのクオリティで楽しみたいもの。「ONE ON ONE」ツアーがヨーロッパに移ってからというもの、まるでダムの水門が開いたかの如く、極上音質のオーディエンス録音がウヨウヨと広まり始めます。これはアメリカとヨーロッパのテーパーの気質の違いが現れた結果なのかもしれません。おかげで当店からも超高音質音源をゴージャスに二種類カップリングした「ONE ON ONE IN BERLIN」を始めとして「ONE ON ONE IN DUSSELDORF」そして「ONE ON ONE IN MUNICH」といったドイツからの極上音源を矢継ぎ早にリリースしたことは記憶に新しいはず。とはいってもそれらの音源はネット上に現れたものであり、いくら別格のクオリティを誇る極上オーディエンス録音だとしてもリリースするのには…。ここはやはり、独自入手の音源、しかも極上音質を誇るオーディエンス録音にてCD化を実現してみせたいところ。そう思っていたところに現れました!トレーダー間やネット上に一切流通しない音源に入手に成功したのです。コンタクトしてきてくれたテーパーが録音したのは5月30日のパリ公演。そうです、「ONE ON ONE」ツアー、ヨーロッパ・レグの初日です。この日のライブを捉えてくれた今回のオーディエンス録音の音質、とにかく素晴らしい。「Letting Go」までは音が近すぎてわずかながら音のエッジがささくれ立ってしまうほどにオンな音像。しかし「Temporary Secretary」からはそんな粗さもとれて見事なクリアネスに圧倒されてしまいます。さすがにベルリンの「recorder 1」のほど極端なダイレクト感には及ばないものの、遂にCDにてリリースに相応しいクオリティの独自入手音源が登場してくれた…そんな興奮をこの文章から少しでも感じてもらえれば幸いかと。今回の「ONE ON ONE」ツアーですが、長きに及んだ「OUT THERE」ツアーからのコンセプトを一新すべく、レパートリーを大幅に入れ替えてきたことは既に世界中のマニアの間で話題になっているとおり。オープニングの「A Hard Day’s Night」を始めとして、今回はいわゆる「前期」と称される時期のビートルズ・レパートリーが多く導入(「In Spite Of All The Danger」に至ってはデビュー前の曲です)されている点が注目の的。ただし、70を超えてからポールの声が微妙に衰えつつあるのを受け、遂にキーを下げるというアレンジを導入し始めました。その最たる例が久々にレパートリーとして復活した「Here There And Everywhere」なのですが、何とポールがピアノを弾きながら歌う演奏形態というだけでも驚きですが、キーを下げたことで前に演奏される「My Valentine」と同じようにアルバム「KISSES ON THE BOTTOM」に入っていてもおかしくないようなムーディな曲調に生まれ変わりました。しかもアレンジがいい感じに仕上がっているのだからさすがです。また世界中のマニアを狂喜させたビートルズのデビュー曲「Love Me Do」のアコースティックな演奏の素晴らしさが極上の音質で味わえるのです!そして何よりも、この日のポールがノリノリで遊び心と余裕に溢れた雰囲気がこれまた最高の音質で捉えられているのも大きな魅力でしょう。何しろジョンを偲んで演奏された「Here Today」の後、客席から彼の「Give Peace A Chance」の合唱が始まると、それに喜んだポールがピアノで伴奏した挙句、一緒に歌ってあげるという場面が実に微笑ましい。とどめはアンコールの「Yesterday」を始める前、今度はパリの観客が国家「La Marseilaise」を合唱したことに応え、ポールが「God Save The Queen」を一瞬ながらも独唱してみせるのだから愉快なことこの上ありません。正にフランスらしいライブとなったこの日の音源は既にネット上にも出回っていますが、それとは比べ物にならない(あまりに別次元)極上音質でお送りする「ONE ON ONE」ツアーCDタイトル。Live at Accor Hotels Arena, Paris, France 30th May 2016 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (49:22) 1. Introduction 2. A Hard Day's Night 3. Save Us 4. Can't Buy Me Love 5. Letting Go 6. Temporary Secretary 7. Let Me Roll It / Foxy Lady 8. I've Got A Feeling 9. My Valentine 10. Nineteen Hundred And Eighty-Five 11. Here, There And Everywhere 12. Maybe I'm Amazed Disc 2 (54:31) 1. We Can Work It Out 2. In Spite Of All The Danger 3. You Won't See Me 4. Love Me Do 5. And I Love Her 6. Blackbird 7. Here Today / Give Peace A Chance 8. Queenie Eye 9. New 10. The Fool On The Hill 11. Lady Madonna 12. Four Five Seconds 13. Michelle 14. Eleanor Rigby 15. Being For The Benefit Of Mr. Kite! Disc 3 (65:11) 1. Something 2. Ob-La-Di, Ob-La-Da 3. Band On The Run 4. Back In The U.S.S.R. 5. Let It Be 6. Live And Let Die 7. Hey Jude 8. La Marseilaise / Yesterday 9. Hi, Hi, Hi 10. Birthday 11. Golden Slumbers 12. Carry That Weight 13. The End