今振り返ってみても『FULLY FINISHED OUTTAKES』の登場は革命的でした。しかし驚いたことに、その後もストーンズ・アウトテイクの流出は細々と続いており、さすがに『FULLY FINISHED~』のようなボリュームには及ばなくとも、実は驚きの音源がいくつか登場していたのでした。それらは本当に細々と、しかも曲単位での流出が続いていたのですが、いよいよアルバム一枚に収まる量にまで揃ってきたことからマニアがまとめてくれたのが今回のCDの大元となるもの。メインは1980年代から90年代前半にストーンズが録音したアウトテイクなのですが、かと思えば1964年にリージェント・サウンド・スタジオで録られた「Meet Me In The Bottom」最初期バージョンなんていう驚きの初登場音源も。それに何と言っても全編を通して非常に音質がイイ。まだ80年代アウトテイクの音質がイイのは想定内としても、この「Meet Me In The Bottom」までもが非常にクリアーな音質で聞かれるのは驚きかと。ここにまとめられた音源の中では「Hide Your Love」のデモ・バージョンがもっとも流出音源っぽい音質を漂わせていますが、それですら過去に聞かれた流出アウトテイクのようなクオリティとは雲泥の差。よって音質に関しても『FULLY FINISHED OUTTAKES』と比べても遜色のないレベルであり、未だにこうした驚きの音源がコア・マニアの間で秘匿されていることに驚きを隠せません。そしてストーンズが1997年にBB・キングのバックを務め、彼のアルバム『DEUCES WILD』に収録された「Paying The Cost To Be The Boss」の未編集ロング・バージョン、さらには彼とのセッションからのアウトテイク「Head In The Toilet Blues」という、これまた驚きの発掘。おまけにBB・キングとのセッションもまた最高の音質で収録されているという。もはやプチ『FULLY FINISHED OUTTAKES』と呼んでもおかしくないほど驚きの新発掘の詰まった超ゴージャスCD。THE ROLLING STONES - RAREST STUDIO OUTTAKES (48:10) 01. Alright Charlie - Vocal Version (From Voodoo Lounge 93/94) 02. Down In The Bottom #1 (Regent Sound Studios, London May 1964) 03. Fragile (Like China) (1985 possibly) 04. Chuck Berry No (Munich 1975) 05. Paying The Cost To Be The Boss with B.B. King(5.06 version without harmonica) ((Ocean Way Studios, Los Angeles March 1997) 06. Hide Your Love (Early Version) (Island Studios, London 23rd May 1973) 07. Dirty Work Blues (Pathe Marconi, Paris December 1982) 08. Truck Driver Blues (Pathe Marconi, Paris December 1982) 09. I'm Cured (I Don't Need You Anymore) (Ocean Way Studios, Los Angeles 1997) 10. Head In The Toilet Blues (B.B. King at Ocean Way Studios, Los Angeles March or April 1997) STEREO SOUNDBOARD RECORDING