クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」初日公演の極上ステレオ・サウンドボードマスター!イギリス在住の重鎮テーパーから提供されたのは、クラプトンが全キャリアにおいて最も弾き捲ったと言ってもよい94年〜95年の「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」において、キャリアの原点に戻り、短期間だけ小さなクラブを回った唯一の「クラブツアー」から、その初日となった94年11月7日サンフランシスコ、ザ・フィルモア公演を極上のステレオ・サウンドボード録音で完全収録したDATマスターです!このクラブツアーからは、当店では極上のステレオ・オーディエンスマスターから「Irving Plaza」3 daysの各日をリリースして大好評をいただいておりますが、ここに堂々の横綱マスターの登場です。このザ・フィルモア公演も3日間連続で行われ、そのうちこの7日と翌8日の公演は正式にライブレコーディングが敢行され、映像収録も行われました。オーディオの方では、この2日間からの抜粋音源にクラプトンのインタビューを組み込んだラジオプログラムが当時のアメリカのFMで放送されたり、映像の方は、あの名監督マーティン・スコセッシが陣頭指揮を執り、映画「NOTHING BUT THE BLUES」として完成させたことはファンの方ならご存知でしょう(公式リリースは2022年までずれ込みましたが)。音源については、アンダーグラウンドでこの映画から落としたサントラ盤扱いの他、流出したサウンドボードソースから製作され、リリースされました。しかしこれまで流通していた音源の元は映画のVHSテープ或いは流出サウンドボードをコピーしたカセットマスターだったため、今回は元マスターの鮮度そのままにデジタルコピーされたDATマスターゆえの、グレードアップバージョンとしてのリリースとなります。先般、当店はこのクラブツアーより、同年11月11日にカリフォルニア州ウェストハリウッドのハウス・オブ・ブルースにて収録されたオーディエンスショット映像を「House Of Blues 1994 1st Night」として無料ギフトとしてご提供しましたが、それをご覧になった方ならお判りのように、本当にこじんまりしたクラブで食事をしながら鑑賞するといった形態で行なわれた公演でした。ビッグネームのクラプトンがそんな環境で演奏することなど(日本で言えばビルボード東京に出演するようなものです)、当時でも考えられないことだったのですが、原点回帰を目指したクラプトンが敢えてブッキングしたツアーだったのです。映画とそのサントラCD「NOTHING BUT THE BLUES」は、監督のマーティン・スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではなかったことを考えると、クラブギグの全貌を極上音質のサウンドボードで楽しめる本作の魅力は計り知れないものだと言えるでしょう。しかもその初日公演というわけですから、クラプトンの気合が並々ならぬものであったことは自明の理でしょう。それがこの最高峰の音質で鑑賞できる、まさにクラプトンマニアならずとも一度は聴かねばならぬ歴史的音源なのです。そして今回、同クオリティのサウンドボードマスターから、初日にはプレイしなかったEvery Day I Have the Bluesを2日目公演から、Driftin'を3日目公演からボーナス収録していますので、より完璧にこのザ・フィルモア公演を楽しんでいただけます。特にDriftin'は、近年のステージではアコースティックセットの幕開けとなる、クラプトンの弾き語りチューンとして定着していますが、このテイクはバリバリのエレクトリックで演奏されており、しかも曲中での度重なる転調でどんどんテンションが高まっていくという、凄まじい出来栄えとなっています。結果として、本作は当然の如く、オフィシャルサントラCDよりもはるかに多くナンバーを聴くことができます。94年〜95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。クラプトンがブルースに回帰した訳 ではなぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのでしょうか?それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。その中でも、ヤードバーズ時代、ブルースブレイカーズ時代という下積み期に経験したクラブという環境。「原点回帰」という点では、クラプトンにとって絶対はずせないスポットだったのです。それだけに、このクラブツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成 ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、<1994年>≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫ 9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。10月3日〜11月4日:全米アリーナ・ツアー 11月7日〜11月28日:全米クラブ・ツアー ←【ココ】 <1995年> 2月15日〜3月7日:イギリス・ツアー 4月5日〜5月5日:ヨーロッパ・ツアー 8月28日〜9月24日:全米アリーナ・ツアーII 10月1日〜10月13日:ジャパン・ツアー 前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、中盤以降のギターソロが大々的にフィーチュアされるナンバーについては、ライブアーティストであるクラプトンの真髄を見せるように、完全アドリブで澱むことのない切れ味抜群の怒涛のフレーズを畳み掛けています。特にSomeday After A While以降の終盤での弾き捲りは、筆舌に尽くしがたいものがあります。よくぞここまで指が動くものだと感嘆させられます。クラプトンのプレイの特長を簡潔に表現すると、「フレーズ構成の妙とプレイの流麗さ」でしょう。速弾きはするが、単調にはならずスリリング。そしてソロ中に躓かない、澱まない、ミストーンは無し。アコースティックあり、エレクトリックあり。メジャーブルースあり、マイナーブルースあり。スローブルースあり、シャッフルあり。いろいろなタイプのブルースをセットインさせた、非常にバラエティに富んだ「ブルース博覧会」をそのプレイ特性で見事に演出し、飽きさせません。クラプトンファンの方のみならず、本作を聴いていただければ、エリック・クラプトンというブルースミュージシャンの真髄がお判りいただけると思います。終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開されたかと思うと、アンコールでは何とピアノだけをバックに独唱するAin't Nobody's Businessをプレイします。この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。アンコールに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。是非聴いていただきたい1曲です。このナンバーを含み、最初から最後まで、そのすべてがサウンドバランス抜群でクリアな極上ステレオ・サウンドボード録音で捉えられています。またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる10本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、(1)マーティン12弦-Motherless Child (2)マーティン000-42-Malted Milk (3)ドブロ(リゾネイター)-How Long Blues (4)ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail (5)ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four (6)フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues leave Me Alone、I Can't Judge Nobody 、Driftin’、Crossroads、Groaning The Blues 、Five Long Years、Ain't Nobody's Business (7)フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Hoochie Coochie Man、Standin' Around Cryin' (8)ギブソン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise (9)ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Third Degree、Reconsider Baby、Sinner's Prayer、Every Day I Have The Blues (10)ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After A While、Tore Down、Have You Ever Loved A Woman、 Crosscut Saw 本作の極上音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」のハイライトだったクラブツアーを捉えたサウンドボードの決定版は本作です!The Fillmore, San Francisco, CA, USA 7th November 1994 STEREO SBD(from Original Masters) 2024 TRANSFER & UPGRADE!!! Disc:1 (50:55) 1. Introduction 2. Mother's Children 3. Malted Milk 4. How Long 5. Kidman Blues 6. County Jail 7. 44 8. Blues Leave Me Alone 9. Standin' Round Crying 10. Hoochie Coochie Man 11. It Hurts Me Too 12. Blues Before Sunrise 13. Third Degree 14. Reconsider Baby Disc:2 (67:05) 1. Sinner's Prayer 2. I Can't Judge Nobody 3. Someday After A While 4. Tore Down 5. Have You Ever Loved A Woman 6. Crosscut Saw 7. Five Long Years 8. Crossroads 9. Groaning The Blues 10. Ain't Nobody's Business Bonus Tracks 11. Every Day I Have the Blues The Fillmore, San Francisco, CA, USA 8th November 1994 12. Driftin' The Fillmore, San Francisco, CA, USA 9th November 1994 STEREO SOUNDBOARD RECORDING Eric Clapton - guitar / vocals Andy Fairweather Low - guitar Chris Stainton - keyboards Dave Bronze - bass Andy Newmark - drums Jerry Portnoy - harmonica The Kick Horns (Simon Clarke - baritone saxophone, Roddy Lorimer - trumpet, Tim Sanders - tenor saxophone)