これまでマイルス・デイヴィスのアーカイヴ・リリースから漏れていた、マイルスとカムバック・バンド悪夢の来日公演は西新宿広場直前のミシガン州アナーバー公演が極上高音質サウンドにて、ついに初登場!!全世界の音楽ファンが待ち望んでいたジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスの復活。1978年頃からマイルスの一時引退から側に寄り添っていたアル・フォスターを中心にその付箋は張られていたのだが、1980年5月に始まった本格的な復活に向けてのスタジオ・セッションも1981年1月から本格化する。マイルスの調子も良く、3、5月のセッションで一気に奇跡の復活作「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」のレコーディングを終えてしまう。その後来るべき本格的なツアーに先駆けて、マイルスの感を取り戻すべくウォーミングアップ・コンサートとして1981年6月にボストンのキックスで4日間のコンサートを行う。ここに遂にまだ無名だったマーカス・ミラー、ビル・エヴァンス、マイク・スターン、ミノ・シネルの才能無限大の若獅子達とマイルス復活最大の功労者アル・フォスターから成る通称カムバック・バンドがお披露目となった。この時のレビューでは、マイルスがいかに若い才能を活用し、それまでと一線を画す音楽を創造している。やはりマイルスはマイルスだったと絶賛されている。しかしマイルスはミストーンも多くまだ途上状態だった。さらにジャズの本場ニューヨークのエイヴリー・フィッシャー・ホール、同じくニューヨークの名門サヴォイとステージを重ねほぼ現役感をほぼ完全に取り戻す。そして7月28日ワシントンのワーナー・シアターから米国に於ける復帰後初のツアーを敢行。日を重ねるごとにマイルスの調子は上がり、最早一時引退が嘘のような圧巻のパフォーマンスを繰り広げていく。その復帰後最初の米国ツアーの最終盤となる1981年9月19日ミシガン州アナーバーのヒル・オーディトリアム公演は、一部の関係者とコレクターの間でマイルス奇跡の復帰直後のマイルスとカムバック・バンドの屈指の名演奏と言われていたが一般には出回らない秘蔵音源だった。 ここについにGiレーベルにより真のマスターが発掘されて、さらにレーベル独自の丁寧なマスタリングを施した驚異の極上高音質サウンドにてバンドのウォーミングアップからファースト&セカンド・セットを完全収録した強烈盤がつ、つ、ついに初登場なる!!この後初のアメリカン・ツアー最終日のロサンゼルス、ハリウッド・ボウル公演があり、野外とあって観客の熱狂も激しく気を良くした帝王マイルスも頑張り過ぎて風邪をひいて、まんま莫大なギャラを得て元気のあった日本ツアーに、元気を失ったマイルスがやって来る…本公演ですが、カムバック後のマイルスとカムバック・バンドに対して、一般的に辛口の批評で知られるナット・ヘントフによる「マイルスの壮絶極まりないトランペットが聴けただけで私は十分に満足した。それにしても、無名に近いメンバー中心のバンドの、なんというコントラスト、なんというドラマチックな演奏だったことか。私は再起を心から喜ぶ。」という好意的な批評通りの、全編素晴らしい演奏をしており、マイルスのカムバック直後のベスト・プレイが聴ける。また大発見と評された若きビル・エヴァンスを筆頭にマイク・スターン、ミノ・シネルらのソロもたっぷりとフューチャーし、70年代からマイルスを支えたアル・フォスターと若きマーカス・ミラーによるドッシリとしたリズム・セクションと、まだ結成されて間もないグループ演奏とは思えない弾けっぷり!いつの時代のマイルスも賛否両論ありますが、色々と資料が揃った現在では、このアナーバー公演こそ、これぞ真のマイルスとカムバック・バンド本来の姿なのだ!!Hill Auditorium, University Of Michigan, Ann Arbor, MI, United States of America Miles Davis, tp, key Bill Evans, ts, ss Mike Stern, g Marcus Miller, e-b Al Foster, dr Mino Cinelo, per (First Set) 1 - Band Warming up 2 - Back Seat Betty 3 - My Man's Gone Now 4 - Aida (Second Set) 5 - Kix 6 - Fat Time 7 - Jean Pierre