スティーヴ・マリオットとピーター・フランプトンという二枚看板を擁し、英国ブルース・ロックの最前線を突き進んでいた1970年のHUMBLE PIE。その伝説的なBBC放送サウンドボードが最高峰マスターからCD化です。そんな本作に刻まれているのは「1970年9月9日ロンドン」のスタジオ・ライヴ。BBCの“Peel's Sunday Show”のために収録されたFM放送サウンドボード録音です。彼らのBBC音源と言えば、オフィシャル発掘盤『NATURAL BORN BOOGIE』も浮かぶわけですが、本作はあの名作にも一切収録されていない秘宝なのです。そんなBBCセッションはどんなタイミングで収録されたのか。まずは当時の歩みから俯瞰してみましょう。1970年・3月7日:バーミンガム公演・4月12日~6月21日:欧州#1(20公演)《7月『HUMBLE PIE』発売》・7月26日~9月10日:欧州#2(10公演)←★ココ★・9月18日~10月23日:北米#1(13公演)・11月22日~12月4日:北米#2(4公演)1971年・2月9日~3月15日:英国(6公演)《3月『ROCK ON』発売・3月19日~5月30日:北米#3(35公演)←※公式FILLMORE ・6月10日~7月3日:欧州#3(16公演)・7月9日~8月14日:北米#4(20公演)《9月:ピーター・フランプトン→クレム・クレムソン交代》《11月『PERFORMANCE: ROCKIN' THE FILLMORE』発売》・11月11日~28日:欧州#4(8公演)・12月3日~31日:北米#5(16公演)伝説BBC放送を真空パックしたベスト・マスター これが1970/1971年のHUMBLE PIE。この短い期間に、バンドは大きく姿を変えていきました。Immediateレーベルの倒産という逆風を越え、新天地A&Mから再出発作『HUMBLE PIE』を送り出したのが1970年7月。本作のセッションは、そのリリースから間もない「欧州#2」の9公演目にあたります。そこから先の歩みはご覧の通り。翌年は北米を重点的に巡り、その「北米#3」から名盤『PERFORMANCE: ROCKIN' THE FILLMORE』が生まれる。ところが、その発売を待たずにフランプトンはバンドを去り、クレム・クレムソンへとバトンが渡されました。つまり本作は、あの『ROCKIN' THE FILLMORE』の約9ヶ月前というタイミングでもありましたそんなブルースへの転換期を封じ込めた本作は、実に見事なヴィンテージ・サウンドボード。半世紀以上を経たテープだけに、わずかながらテープ劣化もなくはないのでプレス化は見送られましたが、さすがBBC放送だけあって滋味深く気品も漂う。楽器それぞれの輪郭はきちんと立ち、ヴォーカルも真ん中にどっしり。そして何より、アナログならではの温もりをまとった自然な鳴りが、泥臭いブルース・ロックに見事なまでに馴染んでいます。しかも、曲間にはDJの語りも挟み込まれる。その声が聞こえてくるたびに、当時の電波を自宅のラジオで直に受け止めているかのようなリアリティが立ち上がってくる。部屋の空気まで56年前の英国の薫りで満たしてくれる、正真正銘のラジオ・アルバムなのです。ブルース・ロックへ舵を切ったスタジオ・ライヴ そんなサウンドで描かれるのは、まさに変貌の真っ只中にあったHUMBLE PIE。前年までのステージを彩っていたアコースティック・コーナーは影を潜め、代わって中心に据えられたのは、ブルースを土台に重く激しく畳みかけていくハードな演奏です。当時のシーンと言えば、LED ZEPPELINやFREEがアメリカで大成功。彼らに続けとばかりにHUMBLE PIEもヘヴィなブルース・ロックに路線転換していった時期でした。ここで、そのセット内容も整理しておきましょう。大地と海の歌(3曲)・I'm Ready[マディ・ウォーターズ]/Live With Me(★)/One Eyed Trouser-Snake Rumba(★)その他(6曲)・カバー:Four Day Creep[アイダ・コックス]/Hallelujah (I Love Her So)/I Walk on Gilded Splinters[ドクター・ジョン]・その他:Stone Cold Fever/The Sad Bag Of Shakey Jake(★)/Big Black Dog(★)※注:「★」印は『PERFORMANCE: ROCKIN' THE FILLMORE』で聴けなかった曲。[ ]内はカバー元のオリジナル・アーティスト。……と、このようになっています。マディ・ウォーターズやアイダ・コックス、ドクター・ジョンといった先達のナンバーに、『大地と海の歌』の楽曲を織り交ぜた9曲。そのうち「★」印の4曲は、のちの『ROCKIN' THE FILLMORE』でも聴けなかったレパートリーです。中でも見逃せないのが「One Eyed Trouser-Snake Rumba」と「Big Black Dog」。どちらも70年代には2回しか記録がないという超レア曲。また、かつてはアコースティックな手触りだった「The Sad Bag Of Shakey Jake」も、ここではエレクトリックなブルースへと衣替えしています。そして、それほどハードに転身しつつ、各人の見せ場があるバンドらしさもしっかり。「Live With Me」ではヴォーカルが次々と受け渡され、「I Walk on Gilded Splinters」ではスティーヴとピーターがそれぞれのギター・ソロで火花を散らす。さらに耳を澄ますと、スティーヴの声が高みへと駆け上がり始めているのも分かります。リードを取る場面ではまだ抑え気味ながら、コーラスへ回った途端にハイトーンが突き抜けてくるのです。ブルース・ロックが熱く燃えていた1970年、それも大きな転換点に立っていたHUMBLE PIEをBBCならではのヴィンテージ・サウンドで届けてくれる1枚です。公式『NATURAL BORN BOOGIE』の続編としても楽しめる生粋のラジオ・アルバム1970年英国にたゆたっていたブルース・ロックの薫り「1970年9月9日ロンドン」のFMサウンドボード録音。BBCの“Peel's Sunday Show”で放送されたスタジオ・ライヴで、ベスト・マスターからCD化された銘品です。公式BBC発掘盤『NATURAL BORN BOOGIE』とは1曲も重ならない別セッションで、アナログの温もりをまとったヴィンテージ・サウンドが泥臭いブルース・ロックに見事に馴染む。曲間のDJの語りも手伝って、当時の電波を直に受け止めているかのようなリアリティです。アコースティックを脱ぎ捨て、ハードなブルースへと舵を切った転換期の熱演で、超レアな「One Eyed Trouser Snake Rumba」「Big Black Dog」も楽しめます。Studio, London, England 9th September 1970 BBC Peel's Sunday Show 1. Four Day Creep 2. I'm Ready 3. Live With Me 4. Stone Cold Fever 5. Hallelujah (I Love Her So) 6. I Walk on Gilded Splinters 7. The Sad Bag Of Shakey Jake 8. One Eyed Trouser-Snake Rumba 9. Big Black Dog Steve Marriott - guitar, vocals Peter Frampton - guitar, vocals Greg Ridley - bass, vocals Jerry Shirley - drums SOUNDBOARD RECORDING





























