数々の秘宝映像を残したアメリカの伝説番組“The Midnight Special”。そのビル・ウィザース特集回が究極クオリティ版で復刻。“The Midnight Special”は、まさに伝説の音楽番組でした。1972年8月から1981年3月までNBCで放送された深夜番組で、70年代のスター達の秘宝映像を放送。個性な番組内容も相まって、アーカイヴ映像は現在でも秘宝扱いとなっている音楽バラエティの傑作番組です。話題のオフィシャル発掘で甦る70年代のお宝映像 最大のポイントは、生演奏主体であること。70年代初期の音楽番組と言えば、マイムが当たり前。生演奏は収録の手間がかかる上に事故も起こりやすく、時間も読めないので敬遠された時代でした。そんな中で“The Midnight Special”は番組独自の生演奏にこだわって人気を博しました。この点は時が経つほどに重要視されるようになり、70年代に旬を迎えていた輝ける映像が大量に残されることになったのです。そんな伝説番組ですが、実は50年の時を超えた現在、再び脚光を浴びています。その原因は最高峰マスターの発掘。番組の公式チャンネルがアーカイヴ映像を次々と公開し始めたのです。そして、そのクオリティが衝撃! 本家本元の所蔵マスターだけあって、これまで知られてきたどんなマスターよりも美麗。もちろん、証明やセットには70年代の時代感が宿っていますが、劣化ゼロで瑞々しい鮮度には50年の時間が存在しなかったかのように美しいのです。豪華共演もギターギーローも熱い68分間 そんな話題の発掘シリーズの中でも、本作は“1974年3月22日”に放送された「Episode 60」。ビル・ウィザース特集回をDVD化したものです。ホストはウィザースが務めていますが、他にもロリー・ギャラガーやMONTROSE、メリサ・マンチェスター等も出演。全16曲に及ぶ貴重なライヴ映像を約68分に渡って楽しめるのです。番組は1曲ずつ入れ替わる構成ですが、ここではバンド/アーティスト毎に分けてまとめてみましょう。ビル・ウィザース(5曲)・ジャストメンツ:The Same Love That Made Me Laugh/Green Grass/Railroad Man(ボビー・ウーマック&バディ・マイルス共演)・その他:Ain't No Sunshine/Lean on Me まず登場するのは、本作の主役ビル・ウィザース。当時の彼は『+'JUSTMENTS』時代で、新作からの3曲を軸に5曲も披露しています。特に必見なのは「Railroad Man」。ここでは後述するボビー・ウーマックやバディ・マイルスもバックに参加。とんでもないメンツの共演を繰り広げている。幅広く旬のアーティストが集う番組ではありますが、ここまで豪華な共演はそうそうおお目にかかれません。ボビー・ウーマック/バディ・マイルス(3曲)・ボビー・ウーマック:Lookin' for a Love/Nobody Wants You When You're Down and Out・バディ・マイルス:You Really Got Me 先に目玉共演をご紹介してしまいましたが、本作にはボビー・ウーマックとバディ・マイルスのソロ・パフォーマンスも登場します。それぞれにファンキーなステージングが熱く、特にドラムを叩きながらTHE KINKSの代表曲を歌うバディ・マイルスは必見です。ロリー・ギャラガー(2曲)・Tattoo'd Lady/Cradle Rock 大共演のビル・ウィザース関係と並んで本作の見どころなのが欧米HRギターヒーロー。欧州代表はアイルランドの英雄ロリー・ギャラガーです。当時の彼は『IRISH TOUR '74』製作の2ヶ月後でもあり、あの名作ライヴルバムを映像化したような熱演を繰り広げてくれます。もうお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、ロリーは同じ“The Midnight Special”シリーズのTHE KINKS篇にも出演していました。実はそちらと本作は曲は異なるものの、セットも衣装も同じ。どうやら放送日は違っても収録日は同じだったようです。MONTROSE(2曲)・Rock the Nation/Good Rockin' Tonight ロリーに対する(?)米国HRの代表はロニー・モントローズ。1974年なので『PAPER MONEY』時代かと思いきや、実はその前。ベースもビル・チャーチですし、デビュー作からの2曲を熱演してくれます。特に必見なのが当時26歳だったサミー・ヘイガー。常に実年齢より若々しく見える人ですが、ロバート・プラントばりのブロンドを振り乱しての絶唱は強烈です。メリサ・マンチェスター/クリフ・デ・ヤング(2曲ずつ)・メリサ・マンチェスター:Bright Eyes/He Is the One・クリフ・デ・ヤング:My Sweet Lady/Sunshine on My Shoulders 専業ミュージシャンだけでなく、「歌う俳優」も観られるのがTV番組ならではの醍醐味。メリサ・マンチェスターは2ndアルバム『BRIGHT EYES』時代で、新作プローモションなのか新作から2曲を披露しています。もう一方のクリフ・デ・ヤングはより俳優のイメージが強い人ですが、ここではテレビ映画『サンシャイン』のサントラ曲を歌っています。以上の7組・全16曲の秘宝集です。ファンキーな大共演、燃え上がるHRギタリストの大熱演、そして俳優もこなすシンガー達の美声……バラエティ系の音楽番組だからこその幅広さをたっぷり楽しめる映像傑作です。“The Midnight Special”シリーズでも格別にカラフルな1枚。音楽番組がリリース。公式チャンネルが公表した超極上の大元マスターで、ビル・ウィザースとボビー・ウーマック/バディ・マイルスの共演やHR系ギターヒーロー等、多彩なゲスト達を楽しめる文化遺産映像です。Hosted by Bill Withers with special guest appearance by Cliff de Young, Bobby Womack, Buddy Miles, Rory Gallagher, Melissa Manchester, Montrose, and Wolfman Jack. Episode 60 / 22nd March 1. Intro 2. Bill Withers - Ain't No Sunshine 3. Rory Gallagher - Tattoo'd Lady 4. Bobby Womack - Lookin' For A Love 5. Melissa Manchester - Bright Eyes 6. Montrose - Rock The Nation 7. Buddy Miles - You Really Got Me 8. Bill Withers - The Same Love That Made Me Laugh 9. Cliff de Young - My Sweet Lady 10. Bobby Womack - Nobody Wants You When You're Down And Out 11. Melissa Manchester - He Is The One 12. Bill Withers - Lean On Me 13. Cliff de Young - Sunshine On My Shoulders 14. Rory Gallagher - Cradle Rock 15. Bill Withers - Green Grass 16. Montrose - Good Rockin' Tonight 17. Bill Withers, Bobby Womack and Buddy Miles - Railroad Man PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.68min.