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Billy Joel ビリー・ジョエル/52nd Street US SBM CD Master Sound

テクノロジーの進化によって生まれ変わったビリー・ジョエルの大名盤『52ND STREET』。高音質技術“SBM CD”によるハイクオリティ盤『CK 64412』を復刻させたタイトルが登場です。 【16ビット化のデジタル劣化を抑えるSBM技術】 DSD、xrcd、DIGITAL K2、HDCD……90年代から2000年代初頭にかけ、さまざま新技術が開発された高音質盤CD。その中でもSBM(Super Bit Mapping) CDは1991年に登場し、その先鞭を切った新技術でした。当時はアナログ名盤のCD化が一大最盛期を迎え、リスナーの耳も肥え始めた頃。80年代後期の盲目的な“CD=ハイクオリティ”の絶対信仰が薄らぎ、「冷凍庫に入れると高音質になる」「カッターで直線の傷を入れるとクリアになる」といった迷信段階も超えて「CD化自体の良し悪し」が語られるようになっていました。そこでソニーが導入したのがSBM技術。ベーシックなCD規格でありながら、従来のCD化とは次元の異なるナチュラル・サウンドを実現。その成功が各社の新技術CD競争の端緒にもなったのです。誤解のないように付け加えますと「SBM CD」はいわゆるイコライジング加工によるリマスターではありません。そもそも「SBM」とは、CD化に際してロスを減らす技術。アナログから20ビット以上の高レートでデジタル化したとしても、CD規格はあくまで16ビット。音声データを落とさないと収録できません。通常のCD化は最初から16ビットでデジタル化するか、高データを16ビットに落とし込むわけですが、ここで登場するのが「SBM」。16ビットに落とす際に無作為にデータを切り捨てるのではなく、人間の聴覚特性に合わせ、波形カーブを調整する技術なのです。つまり、アナログの滑らかな波形が「山」だとすれば、デジタルは「階段」。20ビット以上は階段の1段1段が細かいので高音質なのですが、通常CDは一律に段を大きくして雑なサウンドにしている。それに対して「SBM」は人間の耳に沿って省く波形を選び、より細かい階段に聞こえるようにしているのです。やや分かったような分からないような話ですが、これをアニメーションに喩えてみましょう。アナログの滑らかな波形はいわゆる自然の光景で、デジタルはパラパラ漫画だとしましょう。20ビットは絵の枚数が多いわけですが、16ビットは絵を省き、カクカクした動きになるわけです。通常のCDは一律に枚数を減らしていますが、「SBM」は動きの速さや人間の目に残像が残りやすい色を選んで省き、絵が減っているように感じない……という感じです(あくまでイメージの比喩です)。しかも、この「SBM」は古臭い過去の遺物でもありません。CDでの実用化は1991年と早かったものの、その後に一般化。さらに映像用の技術にも転用され、ブルーレイにも搭載されるようになっているのです。ここで逆に湧くのが「じゃあ、現代のCDと同じ?」という疑問なのですが、ここでポイントになるのがアナログの経年劣化。たとえマスター・テープを精密に保存していたとしても、時間が経つほど磁気が消失する事は免れず、早い時期ほど録音された際の音声が残されている。つまり、早い時期に開発された「SBM」でデジタル化されたCDは、現在もなお光り輝くサウンドを保持しているわけです。 【金の保存力でマスターサウンドを現代に伝えられた『52ND STREET』】 そんな新技術で甦った大名盤は、まさにマスター・サウンド。後年のリマスターCDに比べると音圧は低めでやや地味にも感じますが、大事なのは繊細さ。特に美しいのは打楽器。イコライジングで潰れがちなドラムの打音ピークも歪まずに伸び、豊かなカーヴを描いて虚空へと消えてゆく。この消音の刹那も音圧稼ぎの影響でサッと消えがちなのですが、本作は皮の振動が収まっていくのを感じるほどにリアルなのです。そして、ピアノ。これも打弦楽器だけに立ち上がりの鋭さと長音の繊細さが命になるわけですが、フォルテッシモでもピークが美しく再生できる音域幅を超えないために瑞々しく、消音の端にも超弱音のヴァイヴが綺麗に残されている。こうした特性はノンリマスターの初期CDにも言えることですが、本作はSBMだからこそ艶やかで滑らか。立ち上がりと消音の間で空間に満ちていくノートの美しさが絶品で、歴史的名曲群のイマジネーションも豊かに感じられる。そして、ゴールドCDだからこそ、そのサウンドまで現代に保存されている。本作は通常CDに移し替えているので大元ゴールドCDの反射率はあまり効果は望めませんが、金の保存性は重要。通常CDはアルミ薄膜に記録されているわけですが、それを挟むポリカーボネイトには保水性があり、空気中の水蒸気を吸い込んでしまう。そのため、長期間保存するとアルミが腐食(つまり錆び)、それが読み取りエラーの原因にもなるのです。しかし、金はもっとも安定した金属であり、自然界では錆びない。もちろん、この保存力まではCDRで再現できないものの、ソースになったゴールドCDに読み取りエラーが少ないからこそ、それだけ本作にもマスター・サウンドが忠実に移し替えられているわけです。このCDがリリースされた後、音そのものを加工するデジリマが世間を席巻し、言語道断のラウドネス・ウォーまで勃発してしまいました。現代ではそうした加工時代も通過し、“本来の音”を求めるようになりましたが、そんな今だからこそ初期SBM CDの真価が輝いてもいるのです。ナチュラル志向に回帰した現在だからこそ再評価されるべき初期SBM。その自然なサウンドで紡がれる大名盤『52ND STREET』。 Taken from the original US SBM/Super Bit Mapping (CK 64412), Master Sound Series released 1. Big Shot 2. Honesty 3. My Life 4. Zanzibar 5. Stiletto 6. Rosalinda's Eyes 7. Half A Mile Away 8. Until The Night 9. 52nd Street

Billy Joel ビリー・ジョエル/52nd Street US SBM CD Master Sound

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