緊迫した状況で敢行された名演スプリングフィールドと同時にリリースされるもう一つの” Isolar”ツアー音源は4月8日のデュッセルドルフ公演。スプリングフィールドの所で触れたマディソン・スクエア・ガーデンでアメリカ・ツアーを完遂したボウイ一行は二週間のオフを挟んで今度はヨーロッパ・ツアーを開始します。” Isolar”ツアーのヨーロッパ・レグと言えばサウンドボードの名作にて完売して久しい「ROTTERDAM 1976」がありましたが、それ以外には近年アイテムのリリースがめっきり減ってしまった感があります。そうした状況を打破すべく、これまで「COPENHAGEN 1976」に「PARIS 1976 2ND NIGHT」といったマニア感涙のオーディエンス・アルバムをリリースしてまいりました。それらはどれも当然ながらショーを完全収録していたのですが、今回のデュッセルドルフは「Word On A Wing」の途中から録音がスタートしており、結果としてディスク一枚に収まるコンパクトなもの。おまけにライブ終盤の曲では微弱なカットも。つまり不完全収録となってしまいます。それでもなお今回リリースされるのには訳がある。まず何と言っても先に上げた二つのヨーロッパ・アイテムよりも音質がイイ。ステレオ録音のオーディエンス(コペンハーゲンも同様でしたが)というだけでなく、それらよりも演奏の音像が近い。さすがにサウンドボード・レベルな近さではないのですが、ステレオ録音ならではのワイド感に加え、程よい距離感で楽しめる音像がとても聞きやすい。この音質の魅力に輪をかけて輝きを放っているのがこの日の演奏。これまでリリースされてきたヨーロッパ・アイテムはサウンドボードのロッテルダムも含め、どれもツアー中盤以降の模様を捉えていました。それに対し、今回はヨーロッパ・ツアー開始二日目という今までにない時期。それらツアー中盤以降のアイテムからは成熟感や完成度の高さが伝わってきましたが、今回のデュッセルドルフの雰囲気はまったく違う。ツアーの終盤で逮捕というトラブルのあったアメリカから心機一転、ジギー時代やソウル時代には実現しなかったヨーロッパ・ツアーが遂に始まったという喜びに満ち溢れている。それが演奏に反映されているのは明らかで、スプリングフィールドが鬼気迫るテンションであったのに対し、こちらは勢いに溢れ、なおかつ軽快な演奏が輝きを放っている。アメリカであれほどささくれ立った雰囲気で演奏されていた「Stay」がこれほど快活に演奏されているのも心機一転のツアー序盤ならでは。この勢いが最後まで持続しており、ライブ終盤の曲で起きる微弱なカットが気にならないほど聞き通せてしまう名演なのです。このスカッとするほどの勢い、中でもロッテルダムのサウンドボードを聞いてきたマニアであれば確実に新鮮な雰囲気に映ることでしょう。そして今回のリリースに際しては、せっかく聞きやすい良好オーディエンスだったにもかかわらず、非常に不安定だったピッチの狂いを徹底的にアジャスト。トレーダー間に出回っているバージョンとは比べ物にならないほど聞き込める状態もマニア納得の仕上がり。これは一触即発だったスプリングフィールドと対を成すヨーロッパ序盤の軽快な名演です!
Live at Philipshalle, Dusseldorf, Germany 8th April 1976 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND (58:47)
1. Word On A Wing (Start Cut) 2. Stay 3. I'm Waiting For The Man 4. Queen Bitch 5. Life On Mars 6. Five Years 7. Panic In Detroit 8. Band Introductions 9. Changes 10. TVC 15 11. Diamond Dogs 12. Rebel Rebel 13. The Jean Genie
David Bowie - Vocals, saxophone Carlos Alomar - Rhythm guitar, backing vocals Stacy Heydon - Lead guitar, backing vocals George Murray - Bass guitar, backing vocals Dennis Davis - Drums, percussion Tony Kaye - Keyboards





























