マーク・ボールズを迎え、キャリア随一となる入魂のライヴを叩きつけた1999年のイングヴェイ・マルムスティーン。その現場を伝える貴重なフル・ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1999年12月2日:神奈川県民ホール」公演。その超極上オーディエンス録音です。マーク・ボールズとの初来日は『INSPIRATION』時代だったわけですが、その時は企画盤に伴うツアーということもあってか東名阪のみで終了。1999年は力作『ALCHEMY』を引っさげ、満を持しての本格的なジャパン・ツアーを敢行しました。まずは、そのスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。・11月24日:Zepp Fukuoka・11月25日:大阪厚生年金会館・11月26日:名古屋市公会堂・11月27日:渋谷公会堂《11月28日:HMV新宿SOUTH(クリニック)》・11月29日:渋谷公会堂・12月1日:仙台イズミティ21・12月2日:神奈川県民ホール ←★本作★ 以上の全7公演+α。本作の横浜公演は、その最終日にあたるコンサートでした。また、歴史上マークとの来日は3回実現したわけですが、当店で“ALCHEMY Tour”をご紹介するのは本作が初でもあります。良い機会ですので、他2回とも併せて各ツアーの代表作をご紹介しておきましょう。1996年:INSPIRATION Tour →『TOKYO 1996 FINAL NIGHT DAT MASTER』1999年:ALCHEMY Tour →★本作★ 2001年:WAR TO END ALL WARS Tour →『OSAKA 2001 DAT MASTER』 以上の3作品。『TOKYO 1996 FINAL NIGHT DAT MASTER』『OSAKA 2001 DAT MASTER』は名盤であり、本作の登場をもって3つのツアーをすべて極上体験できるようになりました。実際、本作は上記の名盤にも負けない極上サウンド。何よりも素晴らしいのはド密着なダイレクト感とタイト感。芯は極太で距離感など微塵もなく、その密着感は「目の前」というよりは「脳内侵入」レベルなのです。しかも、本作はそんな名録音を細心マスタリングで磨き込んだ大幅アップグレード版。ネット原音は芯こそ極太でもエッジが丸くモコモコした感じでしたが、本作は空気感がクリスタル・クリアに透き通り、元々吸い込まれていたディテールが鮮やかに浮き立っている。まるでサウンドボード……いや「まるでオフィシャル」と呼びたい大化けぶりなのです。もちろん、この大化けが実現したのも原音の潜在力あったればこそ。度々お話しさせてきましたが、デジタル技術は万能の魔法ではない。どんな録音でも超極上に変えられるわけではなく、録音の個性によっては大化けもするし、まるで変えようがないケースも多々あるのです。そして、本作は前者の見本のような録音だった。ちょっとイジっただけでものの見事に変貌。原音をご存知の方なら「これが同じ録音?」「ずいぶん加工したな」と思われるかも知れませんが、実は元々からポイントを押さえただけで面白いように向上するタイプの個性だったのです。そんな超アップグレード・サウンドで画かれるのは、イングヴェイの来日全史でも2つとない強烈な個性で圧倒する“ALCHEMY Tour”のフルショウ。何よりも強烈なのはセット。ここで、その内容を整理してみましょう。アルケミー(12曲)・序盤:Playing With Fire/Deamon Dance (7,405,926)/Stand (The)/Blitzkrieg/Leonardo・中盤:Legion Of The Damned/Asylum I: Asylum/Asylum II: Sky Euphoria/Asylum III: Quantum Leap・終盤:Blue/Wield My Sword/Hangar 18, Area 51 その他(7曲)・オリジナル:Far Beyond The Sun/Dreaming (Tell Me)/Liar・その他:Kojo No Tsuki/Nessun Dorma/Burn/Badinerie ……と、このようになっています。圧倒的なのは新作『ALCHEMY』の超・大盤振る舞い。『ALCHEMY』と言えば、『UNLEASH THE FURY』に次ぐ歴代2位の超大作なわけですが、「Voodoo Nights」以外の全曲をブチかましているのです。イングヴェイは常に新曲を多めに演奏する人ではありますが、ここまでの大盤振る舞いは他に類を見ない。むしろ「Voodoo Nights」を外している方が不思議に思えてくるほどの徹底ぶり。そして、その入魂の気迫は演奏のテンションからも伝わってくるのです。ただし、アルバム再現というわけではなく、新曲群も大きく3つの塊に分割。その合間に他のレパートリーも盛り込んでいます。そして、その合間パートも聴き逃せない。マークが歌う「Burn」も意外とレアですし、インストの「荒城の月」やマークが歌い上げる「誰も寝てはならぬ」など、実にバラエティ豊か。そして極めつけは「Dreaming (Tell Me)」。ジョー・リン・ターナーのしっとりとした歌声が味わい深い名曲を、マークがネオクラシカルに、格調高く歌い上げている。“INSPIRATION Tour”でも“WAR TO END ALL WARS Tour”でも聴けなかった美味しい1曲です。冒険的な新曲の猛ラッシュという「攻めのショウ」でもあるわけですが、だからこそ合間に楽しい名曲群を散らしたカラフルに仕上げてもいるのです。アルバム『ALCHEMY』も気配の入りまくった入魂の1枚でしたが、その気迫はステージにも注入……いや、さらに激しく爆発していました。そんなショウをアップグレード・サウンドで極上フル体験できる新名盤。「1999年12月2日:神奈川県民ホール」公演の超極上オーディエンス録音。芯は極太で距離感など微塵もなく、ド密着なダイレクト感とタイト感はサウンドボード級。しかも、細心マスタリングで大幅アップグレード。モコモコ感のあったネット原音とは別物級に生まれ変わり、クリスタル・クリアに透き通って元々吸い込まれていた細やかなディテールが鮮やかに甦っている。もはや「まるでオフィシャル」と呼びたい大化けサウンドで『ALCHEMY』ナンバーの猛ラッシュやマーク・ボールズ版「Dreaming (Tell Me)」も楽しめる必聴・必携盤です。Kanagawa Kenmin Hall, Yokohama, Japan 2nd December 1999 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (60:26) 1. Intro 2. Playing With Fire 3. Deamon Dance (7,405,926) 4. Stand (The) 5. Blitzkrieg 6. Leonardo 7. Far Beyond The Sun 8. Guitar Solo 9. Kojo No Tsuki 10. Vocal Solo (Nessun Dorma) 11. Legion Of The Damned Disc 2 (74:02) 1. Asylum I: Asylum 2. Asylum II: Sky Euphoria 3. Asylum III: Quantum Leap 4. Drums Solo 5. Bass Solo 6. Band Introductions 7. Burn 8. Dreaming (Tell Me) 9. Blue 10. Wield My Sword 11. Hangar 18, Area 51 12. Acoustic Guitar Solo 13. Badinerie 14. Liar / Outro Yngwie J. Malmsteen - Guitars, vocals Mark Boals - Vocals Randy Coven - Bass Mats Olausson - Keyboards John Macaluso - Drums