エリック・クラプトン2025 武道館初日公演の極上オーディエンスマスターがリリース!エリック・クラプトン来日公演、大好評の中で継続中!その初日、14日公演の極上オーディエンス録音音源をオリジナルマスターから超速リリース致しましたところ、さすがの速さに大好評。その理由は、リリースの速さのみならず、音質が優れていたからに他なりません。そして同じ14日の初日をさらにアップグレードな音質で収録した別のオリジナルマスターをリリースと相成りました!「BUDOKAN 2025 DAY 1」も高音質でしたが、本作はそこに音像の広がりと音の深みと歯切れの良さを加えたサウンドと言えばいいでしょうか。大迫力サウンドです。場内が暗転し、オーディエンスがクラプトンの登場を待つシーンから、客電が点き、終演のアナウンスが流れるまでが完璧に収録されています。早くも初日の決定版と呼ぶに相応しいクオリティですので、どうぞご期待ください。初日公演の全貌をよりリアルに体感できる永久保存盤セットリストをご覧いただければ、今回の日本公演へのクラプトンの意気込みが伝わってくるようです。クラプトンの62年に及ぶプロキャリアから、今80歳の彼がどうしてこのセットリストを組んだのか、その意図を垣間見るため、各曲の出所を明らかにしてみましょう(各曲は、初演奏または初録音した年に準拠します。「 」は収録アルバム)。・クリーム時代・・・White Room、Cross Road Blues「WHEELS OF FIRE」Sunshine of Your Love 「DISRAELI GEARS」Badge「GOODBYE」・デレク・アンド・ザ・ドミノス時代・・・Key to the Highway、Nobody Knows You When You're Down and Out 「LAYLA AND OTHER ASSORTEDLOVE SONGS」・ソロ時代・・・(70年代)Kind Hearted Woman Blues 「CROSSROADS 2」「ME AND MR. JOHNSON」Golden Ring「BACKLESS」Wonderful Tonight、Cocaine「SLOWHAND」(80年代)Old Love、Before You Accuse Me 「JOURNEYMAN」(90年代)I'm Your Hoochie Coochie Man、Motherless Child 「FROM THE CRADLE」Tears in Heaven 「RUSH」、「UNPLUGGED」(00年代)Little Queen of Spades「ME AND MR. JOHNSON」(20年代)The Call「MEANWHILE」こうして見ますと、カバー曲中心でリリースした2010年代のアルバムからの選曲はなく、逆にクリーム時代のナンバーがデレク・アンド・ザ・ドミノス時代を上回る3曲もセットインしていることが分かります。それだけクラプトン自身もクリームでのキャリアを誇りに思っているのでしょう。8曲もブルースがセットインしているのがクラプトンらしいところですが、そのうち3曲がロバート・ジョンソンのナンバーでした。この辺りにもクラプトンの想い、こだわりが垣間見えるようです。また全体を俯瞰すれば、新曲を含めほぼ満遍なくキャリア全体から選曲していることが分かります。80歳での日本公演、長年支持してくれた日本のファンのために組んだセットリストはキャリアを総括する内容だったと言えるでしょう。逆に言えば、これらが80歳になった現在のクラプトンが演奏したい曲なのでしょう。古いファンも「UNPLUGED」以降のファンも満足させる、長いキャリアを誇るクラプトンらしいセットリストでした。さて、いきなりクリーム時代のWhiteRoomというハードで熱量の多いナンバーでスタートする初日公演ですが、このバンドメンバーでの日本公演では初の演奏となりました(イントロ付き)。ソニー・エモリーのパワフルなドラミングが冴え、女性コーラスが圧倒的な迫力を演出するこのナンバーで、クラプトンはオリジナルバージョンどおり、ワウペダルを踏んでのソロを決めてくれました。声も出てます!最後にこの曲をプレイした2003年の日本公演時のような切れ味はさすがに影を潜めていますが、それでもクラプトンらしい絶妙なフレーズ構成が窺えます。続くブルースはもはやコンサートでは定番の堂々たる演奏ぶり。そして本来ならアコースティックセット前の盛り上げとしてI Shot the Sheriffを持ってくるべきところ、今回は意外にもSunshine of Your Loveというクリーム最大のヒット曲で意表を突きました。例のリフに入る前には、昨年の中南米ツアーの時と同様のイントロが付加されています。こうした新しいアレンジでライブに臨むクラプトンには「マンネリ」という言葉は無縁でしょう。アコースティックセットの前には、オーディエンスに向けての挨拶コメントがありました。「またここに戻って来れて嬉しいです。長年ここでプレイして来れたのは、ミスター・ウドーのおかげでした。」と、初来日からクラプトンをサポートしてきたウドー音楽事務所の故有働氏への配慮もしたところが、彼の人間性を表していました。そしてしっとりと始めたロバート・ジョンソンのKind Hearted Woman Bluesへ。前回の日本公演でもセットインしていたことを思うと、クラプトンは相当この曲が好きなのでしょう。さすがにファルセットパートは辛そうですが、それでも懸命に歌うクラプトンには感慨を抱かざるを得ません。続いてはニューアルバム「MEANWHILE」に収録した新曲The Callを披露。ネットで公開されているこの曲のMVでも感じられるように、クラプトンの優しい想いが溢れる珠玉のナンバーです。ニューアルバムでは、彼自身の一押しなのでしょうね。そしてまたブルースを2曲続け、昨年のヨーロッパツアーで46年ぶりに演奏したことで話題になった、78年作「BACKLESS」収録のGolden Ringをしっとりとプレイしてくれました。この曲が日本公演で聴けるのは、初めてのことでした。アコースティックセットの最後を飾ったのは、大名曲Tears in Heaven。「UNPLUGED」以降のファンには堪らないナンバーだったでしょう。そして再びスタンディングのエレクトリックセットとなった後半は、まさにクラプトンの王道とも言えるナンバーを畳みかけてくれました。OldLoveの序盤ではぎこちないプレイもありましたが、ソロの後半は俄然調子を戻し、オーディエンスを湧かせています。この日のハイライトはここでしょう。中間のジャム風パートでのティム・カーモンのシンセソロは、98年の「ピルグリムツアー」を彷彿させます。クラプトンに比肩するくらい情熱的な彼のソロには会場からも喝采が湧き起こっています。続くWonderful Tonightのメインフレーズはドイル・ブラムホールがプレイしていますが、中間のソロはクラプトンです。70年当時はジョージ・ハリスンの奥さんだったパティ・ボイド宛てに送ったクラプトンのラブレターを昨年彼女がオークションに出品したことに立腹し、昨年ツアーではパティ絡みのこの曲とLaylaをセットインさせなかったというクラプトンですが、日本公演ではこの曲を復活させたことが意外でもありました。どういう心境の変化だったのでしょうか。終盤Cross Road BluesからCocaineまではまさに大団円の様相を呈しています。クラプトンのプレイにも一際気合が入っていますが、バンド全体も凄いです。各人のソロにも熱がこもります。Cocaineのエンディングは、オーディエンスの大合唱で終わるのではなく、その後に粋な畳みかけがありました。こういうアレンジも新鮮でいいものです。アンコールは昨年の北米ツアーと同様、Before You Accuse Meでした。ここでも中間には、フレディ・キングのあのHideawayの展開部をちょこっと挿むなど、楽しい工夫をしてくれています。このステージに満足しなかったファンは一人もいなかったのではないでしょうか。初日公演における所感 本作の素晴らしい音質で聴くと、まるで各曲におけるクラプトンとメンバーのアイコンタクトまでが浮かんでくるような生々しさに溢れています。このステージに立つのは80歳に達した老齢のクラプトン。かつてと同じ曲を演奏しても、いい意味では枯れた、悪い意味では衰えたパフォーマンスとなるのは致し方ないところです。実際にエレクトリックでプレイされた全曲において、クラプトンはどこかでミストーンを発するか、或いはもたつきを露呈しています。それは老齢による指の衰えか、もしくはリウマチの悪化ゆえのことかもしれません。でも我々はそれを承知で武道館に足を運び、また、そこで収録されたその時限りの音源を好んで聴きます。それは74年に29歳で初来日したクラプトンと同様、以降51年に亘り、日本と日本のファンを愛して演奏してきてくれた80歳のクラプトンをも愛しているからでしょう。彼の超絶速弾きのキラーソロをいつも聴きたいところですが、もたつきつつも懸命にプレイする彼の姿にも我々は感動するのです。二度と同じソロはしない、が身上のクラプトンの姿が本作にもあります。初日のクラプトンの姿は本作にリアルに捉えられています。Live at Budokan, Tokyo, Japan 14th April 2025 ULTIMATE SOUND(from Original Masters Disc:1 (49:24 1. Intro2. White Room 3. Key to the Highway 4. I'm Your Hoochie Coochie Man 5. Sunshine of Your Love 6. Kind Hearted Woman Blues 7. The Call 8. Motherless Child 9. Nobody Knows You When You're Down and Out 10. Golden Ring 11. Tears in Heaven Disc:2 (56:27) 1. Badge 2. Old Love 3. Wonderful Tonight 4. Cross Road Blues 5. Little Queen of Spades 6. Cocaine 7. Before You Accuse Me Eric Clapton - guitar, vocals Doyle Bramhall Ⅱ - guitar, vocals Chris Stainton - piano, keyboards Tim Carmon - hammond organ, keyboards Nathan East - bass Sonny Emory - drums Sharon White - backing vocals Katy Kissoon - backing vocals