JEMSによるミラード・マスターの公開がプラットフォームを変えてからというもの、驚くほどクロスビー・スティルス&ナッシュ方面の発掘が続いていますが、今回は母体であるCSNのステージをミラードが捉えた今回も驚きの音源。CSNは1982年にアルバム『DAYLIGHT AGAIN』を大ヒットさせ、それに準じて行われたツアーも大盛況。その終盤には同名のライブビデオの撮影を兼ねてLAはユニバーサル・アンフィシアターでの三夜連続公演がセッティングされました。ミラードが好んで録音に出かけたシアター・クラスの会場という事から今回の録音も素晴らしいクオリティ。思いのほか前の席を陣取れなかったことから、ミラード自身は今回の録音の出来を良く思っていなかったそうですが、JEMSが「序盤は低音の歪みが気になるがミラード以外の我々からすると、これは素晴らしい音質だ」と評しているのも納得。しかも今回の発掘で判明したのは、彼が録音してくれた11月28日こそ先のライブビデオが収録された日だったという事。演奏は元より「Wasted On The Way」の前のクロスビーとスティルスのMCなども全く同じ。それ以上に、例えば「Dark Star」の時に沸き上がる歓声はもしかして演出かな?とビデオを見て感じていたのですが、ミラード録音によってヤラセでなく本当に現場で盛り上がっていた(笑)ことが判明。それ以上に驚くべきは、ビデオからカットされてしまった「See The Changes」の絶品な演奏。こうしたマニア好みなレパートリーがカットされていたのは残念でなりませんし、こうした幻の演奏が聞けることこそオーディエンス録音の醍醐味というもの。それがミラード録音ともなればなおさら。さらに「Love The One You're With」がライブビデオではコンサート終盤で演奏されたかのように配置されていましたが、実際にはライブ前半の締めとして演奏されていた事実までも発覚。ミラードが今回の録音を評価していないもう一つの理由として「Cathedral」以降ライブ終盤を録り損ねてしまったという問題があったようです。そこで彼は反対にライブの大半が上手く録音できなかったと思しき前日の録音でライブを埋めています ところが、ここでも衝撃の事実が。まずこのパートはライブビデオと別の日かつ初めて聞ける演奏と言うだけでなく、フィナーレ「Carry On」の超絶カッコイイ演奏が圧巻。この曲ですが当然ビデオ収録された28日にも演奏されています。にもかかわらずビデオに採用されなかった。こういう演奏こそ映像付きで見たかった…と思わずにいられません。こうなるとビデオの終盤を飾ったフィナーレ「Teach Your Children」が録音されていないことなど大した問題ではないというもの。公式からは伝わって来なかった豊かでリアルな臨場感、そしていつもながらのクリアーな 質。さらに「See The Changes」に「Carry On」というライブビデオでは見られない貴重なレパートリーだけでも絶対満足できる今回も衝撃のミラード・マスター。Universal Amphitheatre, Los Angeles, CA, USA 28th November 1982 PERFECT SOUND Disc:1 (68:52) 1. Turn Your Back On Love 2. Chicago 3. The Lee Shore 4. Just A Song Before I Go 5. Dark Star 6. Barrel Of Pain (Half-Life) 7. To The Last Whale...a. Critical Mass b. Wind On The Water 8. Wooden Ships 9. Love The One You're With 10. See The Changes 11. You Don't Have To Cry 12. Blackbird 13. Wasted On The Way 14. Delta Disc:2 (53:27) 1. Guinevere 2. Magical Child 3. Treetop Flyer 4. Suite: Judy Blue Eyes Universal Amphitheatre, Los Angeles, CA, USA 27th November 1982 5. Cathedral 6. Southern Cross 7. Long Time Gone 8. For What It's Worth 9. Carry On