『STRENGTH IN NUMBERS』を全米17位に送り込みつつ、終焉の足音も近づいていた1986年の38 SPECIAL。ドン・バーンズ脱退前の生演奏を脳みそに流し込む極上サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1986年10月31日ヒューストン公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。“STRENGTH IN NUMBERS Tour”と言えば、創立メンバーであるドン・バーンズ/スティーヴ・ブルッキンズが去る直前の時期。まずは、その全体像を俯瞰し、本作のポジションを探ってみましょう 1986年《4月28日『STRENGTH IN NUMBERS』発売》・6月15日ー8月23日:米国#1(36公演)・9月9日ー11月17日:米国#2(33公演)←★ココ★ 1987年・1月31日:プエルトリコ公演・2月9日ー27日:米国#3(6公演)《ドン・バーンズ/スティーヴ・ブルッキンズ離脱》これが『STRENGTH IN NUMBERS』時代の38 SPECIAL。1987年にも数公演ありましたが、ツアーのメインは1986年中に終了していました。その中で本作のヒューストン公演は終盤に差し掛かった「北米#2」の26公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを伝える本作は、まさに「完全オフィシャル級」の超・極上品。そもそもこのショウは“Westwood One”でFM放送されたわけですが、本作はそのエアチェック。。。。では、ありません。ごく最近になって名門「Krw_co」が発掘したプレFMマスター。それも、放送原盤ですらないマスター・リール起こしなのです。実際、ダビングはおろか電波にも乗っていないサウンドは超鮮明でウルトラ・クリア。80年代中期というと、『NASSAU COLISEUM, UNIONDALE, NEW YORK 1/29/85』もありましたが、本作も完全に同等。言葉で説明しようとしたら美辞麗句をズラズラと並べる以外になく、ぶっちゃけ「完全公式級なんだから、さっさと聴いちゃってください」としか言いようがありません。そんなオフィシャル代わりサウンドで描かれるのは、全盛期を総括するような熱演。『NASSAU COLISEUM, UNIONDALE, NEW YORK 1/29/85』とは時期が近いものの、ツアーが違うのでセットが異なります。ここで比較しながら整理してみましょう。ストレングス・イン・ナンバーズ(3曲)・Like No Other Night(★)/Somebody Like You(★)/Just A Little Love(★)クラシックス(11曲)・ロッキン・イントゥ・ザ・ナイト:Stone Cold Believer/Rockin' Into The Night・スペシャル・フォーシズ:Rough-Housin'/Back On The Track(*)/Chain Lightnin'/Caught Up In You・ツアー・デ・フォース:Back Where You Belong/Twentieth Century Fox・その他:Teacher, Teacher(★)/Hold On Loosely/Travelin' Band(★)※注:「★」印は『NASSAU COLISEUM, UNIONDALE, NEW YORK 1/29/85』で聴けなかった曲。「*」印はこのツアー以降、演奏されていない限定曲。……と、このようになっています。『STRENGTH IN NUMBERS』の新曲群はもちろんですが、映画『りんご白書』に提供された「Teacher, Teacher」やCREEDENCE CLEARWATER REVIVALのカバー「Travelin' Band」も美味しい。そして、意外なところでは「Back On The Track」も貴重。ドン・バーンズ離脱時代は元より、復帰後も演奏されていない80年代だけの限定曲なのです。そんなサウンドボード・ライヴだけでも胸いっぱいなのですが、本作はさらにラジオ番組ならではの美味しいポイントが散りばめられている。それは、ライヴの合間に入る宣伝。バドワイザーのCMやダナ・スティール(パーソナリティ)も出てくるのですが、重要なのは当時のミュージシャン達。番組冒頭から「やあ、EL&POWELLのグレッグ・レイクだよ。“Westwood One Radio Net Work”を楽しもう」と語る。たった一言ずつなのでライヴを邪魔したりはしないものの、EL&POWELL時代だった1986年の薫りが濃厚に噴き出す。その後もTHE MOODY BLUESのジャスティン・ヘイワード/ジョン・ロッジ、トム・ペティ、THE FIXXといった面々の肉声が差し込まれているのです。本作は、本来なら公式リリースされるべき超極上のサウンドボード・アルバム。そして同時に、公式では不可能なミュージシャン達の貴重コメントが時代感を醸すラジオ・アルバムです。発掘の名門「Krw_co」だからこそ成し得た、奇跡のプレFMリール。「1986年10月31日ヒューストン公演」のステレオ・サウンドボード録音。名門「Krw_co」が発掘したプレFMのマスター・リールで、そのサウンドは完全オフィシャル級。貴重な『STRENGTH IN NUMBERS』ナンバーや「Teacher, Teacher」「Travelin' Band」だけでなく、番宣するグレッグ・レイクやTHE MOODY BLUES、トム・ペティなども面白い。ドン・バーンズ離脱直前の時代感にむせ返る超極上のサウンドボード名盤です。 The Summit, Houston, TX, USA 31st October 1986 STEREO SBD Disc:1 (39:45) 1. Dana Steel From KLOL Houston TX. 2. Greg Lake Of ELP Westwood One Promo Spot★★貴重 初めて聴きました 3. Dana Steel Talk 4. Rough-Housin' 5. Back On The Track 6. Like No Other Night 7. Stone Cold Believer 8. Budweiser AD 9. Justin Hayward and John Lodge Moody Blues Westwood One Promo Spot★貴重 10. Somebody Like You 11. Just a Little Love 12. Chain Lightnin' Disc:2 (43:53) 1. Tom Petty Westwood One Promo Spot★貴重 2. Dana Steel Radio Stations Call Out 3. Teacher, Teacher 4. Back Where You Belong 5. The Fixx Westwood One Promo Spot★貴重 6. Dana Steel 7. Caught Up In You 8. Twentieth Century Fox 9. Rockin' Into The Night 10. Dana Steel 11. Talk 12. Hold On Loosely 13. Travelin' Band 14. Westwood One Outro STEREO SOUNDBOARD RECORDING Don Barnes - guitar vocals Donnie Van Zant - vocals guitar Jeff Carlisi - guitar steel guitar Larry Junstrom - bass Steve Brookins - drums Jack Grondin - drums Steve McRay - keyboards harmonica backing vocals Carol Bristow - backing vocals Lynn Hineman - backing vocals