2020年代になってから“ATOM HEART MOTHER Tour”の定番へとのし上がったブレシア録音。「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した最高峰更新盤が登場です。そんな本作に永久保存されているのは「1971年6月19日ブレシア公演」。その極上オーディエンス録音です。本作最大のポイントはアップグレードしたクオリティにあるわけですが、まずはショウのポジション。1971年はPINK FLOYDが急速に進歩していった時期であり、各レッグで意味合いが異なってきます。まずは、いつものように当時の活動概要から紐解いてみましょう。“ATOM HEART MOTHER Tour”・1月17日ー2月27日:欧州#1(10公演)←※M-502他・4月3日ー7月1日:欧州#2(20公演)←★ココ★・8月6日ー15日:日本/豪州(5公演)←※OSAKA 1971他・9月18日ー10月3日:欧州#3(7公演)←※MONTREUX 1971《10月4日ー7日:ポンペイで撮影》・10月10日+11日:英国(2公演)“MEDDLE Tour”・10月15日ー11月20日:北米(27公演←※CLEVELAND 1971他 これが1971年のPINK FLOYD。その象徴と言えば8月の初来日ですが、本作はその約2ヶ月前となる「欧州#1」の一幕でした。さらに日程をフォーカスし、当店コレクションと共に整理してみましょう。「欧州#2」の詳細・4月3日ー6月2日(11公演)*6月4日『DEEP IN SPACE(デュッセルドルフ)』*6月5日『BERLIN 1971: 1ST GEN』*6月12日『ROUNDHOUSE 1971(リヨン公演SBD)』*6月15日『ROYAUMONT 1971 COLLECTOR'S EDITION』*6月19日:ブレシア公演 ←★本作★*6月20日『ROME 1971』・6月23日:ハートフォードシャー大学公演*6月26日『AMSTERDAM FREE CONCERT 1971』・7月1日:オッシアッハ公演 ……と、このようになっています。このショウが注目を集めるようになったのは2020年になってから。それまで1種類しか録音が知られていなかったのですが、次から次へと新録音が発掘。一気に5種類に増加しました。しかも、そのクオリティもハンパではなかったのです。本作は、そんな5種の録音を駆使し、最長/最高峰を更新したフル・ライヴアルバムなのです。それでは、5種の録音を整理し、詳しいアップグレード内容もご紹介していきましょう。音源の詳細・RECORDER 1:stratcat58(3rdジェネ)※補填用(長尺版)・RECORDER 2:Geloso G570 ※補填用・RECORDER 3:トレーダー音源 ※補填用(前回未使用)・RECORDER 4:G.O.(1stジェネ)・RECORDER 5:Renzo Storti Master ←★メイン音源★ 以上の5種。本作はベスト・マスターの「RECORDER 5」をメインとしつつ、「RECORDER 1・2・3」で補完したライヴアルバムです。「RECORDER 5」を主軸としたコンセプトは前回盤『DEFINITIVE BRESCIA 1971』と共通するのですが、本作はマスターの精査からやり直し、精度アップを果たしたのです。まず第一に、のポイントは伝統録音「RECORDER 1」のアップグレード。実は最近になって従来版より長尺なマスターが発掘。本作はその長尺版を採用することで更なる長尺化を実現しています。そしてもう1つが「RECORDER 3」の採用。あくまで四番手という補足の補足で36秒ほどではありますが、徹底したリサーチによって初CD化。貴重な現場を最大漏らさず再現できたのです。そうした長尺化も有意義ではありますが、あくまで資料的。それ以上に重要なのは、全編を貫くサウンドです。こちらも「GRAF ZEPPELIN」による細密マスタリングで精度アップされている。その作業は帯域分析や音源間の違和感解消、ノイズ処理など多岐に渡りますが、最も効果が大きかったのは位相補正。ベスト・クオリティのメイン音源「RECORDER 5」の逆相が正しく修復されている。これは前回盤のミスではありません。理由は不明ですが「RECORDER 5」は位相反転の状態で公開され、そのまま全世界に流通されてきたのです。しかし、1971年の演奏音を基準にしてみれば逆相なのも確か。実際、正確に補正された本作は単に定位が整っているだけでなく、フワフワと左右に分離していたサウンドがビシッと安定。現場でPINK FLOYDが演奏していた本来のアンサンブルを取り戻しているのです。「ATOM HEART MOTHER Tourの新定番」として衝撃を呼んだブレシア録音。あの衝撃から5年が経ち、新発掘ラッシュも打ち止めとなったようです。本作は、そんな現存マスターを駆使して最長/最高峰を更新した決定盤なのです。伝説の初来日に向けて日々、進化を重ねていったPINK FLOYDの真実 '71年Brescia公演を新規マスタリング!5種類存在する音源のうちベストとされるRec5をメインに、欠落をRec2、Rec1などで補う手法自体は、前回盤と同じですが、前回盤ではメインのRec5が逆相となっていたので、それを修正したのが大きなポイント。さらに位相の修正、音量調整とEQ処理による帯域調整がなされています。メイン音源は逆相を修正したので、過去盤のフワフワした違和感も解消され、さらに音量バランスとEQ処理も適度になされたことで、この時期のライブ代表曲の殆どを網羅したBrescia公演を、138分、極めて演奏の近い骨太のサウンドで体感できます。また補填に過去盤未使用のRec3も抜擢 これにより太陽賛歌前の曲間パートと太陽賛歌出だしの延べ35秒ほどがCD初収録!さらにFat Old Sun前の曲間補填パートも前回盤より17秒ほど長く、ここもCD初収録となっております。【音源整理】基本的に前回盤と同じ手法ですが、さらに今回はRec3も使用・Recorder 1:stratcat58(3rdジェネ) ★今回の3番手の音源・Recorder 2:Geloso G570 ★今回のサブ音源・Recorder 3:★今回の4番手の音源・Recorder 4:G.O.(1stジェネ)・Recorder 5:Renzo Storti Master ★今回のメイン音源 採用内容 今回メイン・・Rec5 サブ・・Rec2 3番手・・Rec1 4番手・・Rec3「1971年6月19日ブレシア公演」の極上オーディエンス録音。現存する5種の録音を駆使し「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した最長/最高峰盤。メイン録音であるベスト・マスターの「RECORDER 5」も逆相が解消され、補填用の「RECORDER 1」も最新の長尺版を使用。従来版では使われていなかった「RECORDER 3」も活用され、貴重な現場を最大漏らさず復刻。“ATOM HEART MOTHER Tour”の新定番を究極形に磨き上げた決定盤です。Palazzo Delle Manifestazioni Artistiche, Brescia, Italy 19th June 1971 ULTIMATE SOUND UPGRADE Disc 1 (59:33) 1. Intro ★0:00-0:54 Rec2で補填 2. Atom Heart Mother ★0:03-0:33片ch無音対策でモノ化 3. Careful With That Axe, Eugene ★0:00-0:08 / 0:20-0:31 Rec2 / 14:47以降 Rec1で補填 4. Fat Old Sun ★0:00-0:01 Rec1 / 14:41以降 Rec2で補填 5. Embryo ★0:00-0:12 Rec1で補填 Disc 2 (78:50) 1. The Return Of The Son Of Nothing ★0:00-0:12 / 0:16-0:29 / 12:57-15:48 Rec2 / 24:03以降Rec3で補填 2. Set The Controls For The Heart Of The Sun ★0:00-0:06 Rec3 / 13:12以降 Rec1で補填 3. Cymbaline ★0:00 - 0:09 / 11:34以降 Rec1で補填 4. A Saucerful Of Secrets 5. Blues