オーネット・コールマンのファン、否ジャズ・ファンにとっても貴重な70、80、90年代それぞれのとても興味深い完全初登場ライヴが入荷しました!!オーネットにギター、ベースがそれぞれ2人、ドラムス、タブラによるプライム・タイムに、オーネットが敬愛するアルトゥーロ・トスカニーニの名を冠したオーケストラによる1990年4月21日オーネットに焦点を当てた伝説のフェスティバル、レッジョ・エミリア公演を収録した2枚組のタイトルが入荷しました!!音質はグッド!!オーネットはジャズの作品とは別に1950年代のはじめからクラシックの作曲も手掛けており、1962年のタウンホールで演奏された弦楽四重奏のための「詩人と作家への〜」がオーネット最初のクラシック作品として知られています。因みにこの作品から採られたと思われるのが本公演、ア・ポエム・トゥ・ミュージック〜オーネット・フェスティバルなのだ!「アメリカの空」は、オーネットがチャーリー・パーカーとの共演やフランク・ザッパなどにも影響を与えたといわれる作曲家/パーカッショニストで幻の盲目のストリート・ミュージシャン、ムーンドッグを訪ねた時にインスピレーションを得て作曲を始め、当時オーネットの友人だったニューヨーク・フィルのトランペット奏者だったジェラルド・シュワルツからのアドバイスを受けながら3年間をかけて完成させた。オーネットはその作品をニューヨーク・フィルと自己のグループでの共演を望んだが、実現せず、最終的に英国のロンドン・シンフォニー・オーケストラとの共演で吹き込まれることになったが、悪評高き英ミュージシャン・ユニオンの壁に阻まれオーネットただ一人の入国しか許可されなかった。その上レコーディング前のリハーサルでは、オーケストラのメンバーは作品内容に明らかに懐疑的でミュージシャン達は時計ばかり見ていたそうです。しかし、いよいよ本番当日になりオーネットが初めてアルト・サックスを取り出し共演すると、オーケストラのメンバーはその美しくも卓越した即興演奏に驚嘆し遂に「アメリカの空」の素晴らしさを悟る。こうして録音が終了すると全員が総立ちでオーネットを称えたそうです。完成から40年以上を経た現在では、アメリカを代表する古典と呼ばれています。様々な制約と困難を経て、難産の末やっと発表に漕ぎ着けたオーネット最大の問題作1972年の「アメリカの空」。しかしこの作品の原案は、自己のグループとシンフォニー・オーケストラとの共演で演奏時間にして90分にも及ぶ大作として想定されていながら、LPレコードの収録時間の関係で原曲の1/3以上がカットされ、しかもオーケストラとオーネットのみの演奏でのリリースとなってしまいました。「アメリカの空」のオーケストラを伴っての演奏は、発表後の1972年のニューポート・ジャズ・フェスティバル、1983年オーネットの故郷フォートワース公演など、ほんの数回しか披露されておらず、しかも短縮されたものばかりでした。しかし遂に全11楽章(8楽章にオーネットとプライム・タイムが加わる)、演奏時間にして90分というオーネットが当初考えていた大作の全貌を明らかにする公演が1987年に実現した。本作はその1987年の完全版を踏襲しながら、さらに当初オーネットが最後まで共演を望んだニューヨーク・フィルハーモニック、何故か?そうオーネットが敬愛するアルトゥーロ・トスカニーニが1926年に初指揮して翌年から常任指揮者となったのがニューヨーク・フィルハーモニックだった。因みにトスカニーニは皇帝と呼ばれたフルトヴェングラーと双璧を成す偉大なる指揮者だ。この公演では90分の完全版、さらにトスカニーニの地元イタリアのそのトスカニーニの名を冠したオーケストラとの共演、しかもダブルのギターとベース、ドラムスとオン・ザ・コーナー!バダル・ロイを擁するプライム・タイムと、ついにオーネットが当初やりたかった本当の「アメリカの空」が初めて実現したといっても過言ではないエポックメイキングな歴史的コンサートとなったのでした。めでたし、メデタシ、目出度!!ジャズ・ミュージシャンという枠を飛び越して、20世紀が生んだ1人の偉大な音楽家オーネット・コールマンの溢れ出る才能に触れるコレクタブルなタイトル、心して聴くべし!!