アナログ時代から“DARK SIDE OF THE MOON Tour”の真実を伝え、誰もが胸を焦がした録音史の伝説『THE BEST OF TOUR 72』。1972年で最も有名な語り部録音がアップグレード。そんな本作に永久保存されているのは、もちろん「1972年2月20日レインボー・シアター公演」。その伝説オーディエンス録音です。“DARK SIDE OF THE MOON Tour”は時期によって『狂気』の姿が刻々と変わっていく記念碑ツアーですが、まずは当時の活動概要から当店コレクションを整理しつつ、本作のポジションを探っていきましょう。1972年・1月17日~19日:リハーサル・1月20日~2月20日:英国(16公演)←★ココ★・3月6日~13日:日本(6公演)←※SAPPORO 1972他・3月29日+30日:マンチェスター(2公演)・4月14日~5月4日:北米#1(17公演)←※DEFINITIVE CHICAGO 1972他・5月18日~6月29日:欧州#1(5公演)←※BRIGHTON 28TH JUNE 1972・9月8日~30日:北米#2(17公演)←※HOLLYWOOD BOWL 1972他・10月21日~12月10日:欧州#2(23公演)←※ZURICH 1972 MATRIX他 1973年・1月13日~2月4日:パリ(4公演)《3月1日『狂気』発売》・3月4日~24日:北米#3(16公演)←※DEFINITIVE BOSTON 1973他・5月18日+19日:ロンドン(2公演)←※EARLS COURT 1973 2ND NIGHT他・6月17日~29日:北米#4(13公演)←※TAMPA 1973他・10月12日~11月4日:欧州#3(4公演)←※RAINBOW 1973他 ※注:各レッグとも代表タイトルのみ。これが1972/1973年のPINK FLOYD。本作はその序盤も序盤、「英国」レッグの一幕でした。初期型の『狂気』が味わえるとあって人気の高い時期であり、数々の名作が発掘されてきた区間でもあります。ここでさらに日程をフォーカスしてみましょう。「英国」レッグの詳細*1月20日『BRIGHTON JANUARY 1972 REVISITED』*1月21日『PORTSMOUTH 1972 REVISITED』・1月22日~2月13日(10公演)*2月17日『RAINBOW THEATRE 1972 1ST NIGHT』・2月18日:レインボー・シアター公演*2月19日『RAINBOW THEATRE 1972 3RD NIGHT』*2月20日:レインボー・シアター公演 ←★本作★ 現存する3種録音の最高峰マスター 本作のレインボー・シアター公演は、全16公演の最終日。しかも、4夜連続で行われたレインボー公演の締めくくりでもありました。1月21日のポーツマスで『狂気』が世界初の完全演奏に到達してから、ちょうど1ヶ月。試作品は一夜ごとに形を変え続け、この夜には英国レッグでもっとも練り上げられた姿へと辿り着いていたのです。そして、この夜こそが伝説を生みました。オーディエンス録音でありながらサウンドボードすら凌ぐと言われ、名だたるレーベルが我先にとコピーを重ねた怪物LP『THE BEST OF TOUR 72』。FLOYD録音史においても、これほど神格化された録音はそうありません。もっとも、その伝説録音にも死角がありました。LPは1枚物であり、収められているのは第一部の『狂気』のみ。しかも曲中には欠落が3ヶ所ある。そのためCD時代になってからは、現存する3種の音源が組み合わせられ、ショウの全景が再現されるようになりました。もちろん、本作もその点では同じ。ただし、今回はその素材ソース自体がアップグレードしているのです。どういう事なのか、ここで素材3音源を整理しておきましょう。RECORDER 1:Ian Sippen録音(1stプレスLP)伝説LP『THE BEST OF TOUR 72』そのもの。本公演唯一のステレオ録音であり、音質もベスト。ただし、元々LP1枚物なため『狂気』のみの収録。欠落も3ヶ所あり。本作では現存ベストの1stプレス盤が起こされている。今回はレーザーターンテーブルを使用した独自トランスファーで、ネット他では一切出回っていない本作だけの最高峰バージョンを採用している。RECORDER 2:Steve B録音(1stジェネ)他音源には未収録の「Blues」や「太陽賛歌」を記録している唯一録音。『狂気』パートがなく、本作でも第二部のメイン音源。曲間チューニングに欠落あり。RECORDER 3:John Baxter録音(新発掘の大元マスター)『狂気』から「神秘」途中までの録音ですが、曲間チューニングを収録しているのがポイント。今回は2026年に新発掘された大元カセットからトランスファーされた究極マスターを採用。音質が大幅に向上しており、『狂気』セット終了後の会場音が23秒長くなりました。新発掘された“RECORDER 3”の大元マスター ……と、このようになっています。そして本作最大のポイントが「RECORDER 3」。なんと、その大元マスターが2026年に新発掘されたのです。あくまで録音自体は同じ「RECORDER 3」なのでメイン音源の座を奪うわけではありませんが、これまで格落ちだったパートが一気にアップグレード。ゴワゴワ、モコモコとした質感がまったくなくなり、比べものにならないほどクリアになっている。透明感だけを取れば、伝説LPそのものの「RECORDER 1」にすら匹敵するほどなのです。その実力は、冒頭からいきなり炸裂。1曲目「Speak To Me」は丸ごと「RECORDER 3」で、2曲目「Breathe」から伝説LPの「RECORDER 1」へとバトンが渡るわけですが、今回はその境目もスッと溶けている。開幕からわずか数分、耳がそれを実感してしまうのです。この恩恵は全編に及びます。特に「Us And Them」では、実に4分半以上という長大な区間を「RECORDER 3」が支えている。さらに「RECORDER 3」は、長くもなりました。「Eclipse」の演奏が終わった後の会場音(約23秒)が初登場。試作版『狂気』を聴き終えたレインボー・シアターの空気が長く残されているのです。さらなる精度を求めた至高のトランスファー/マスタリングそして2番目のポイントが「RECORDER 1」。従来と同じく1stプレスLPから起こされていますが、今回はレーザーターンテーブルを使用しています。針を落とすのではなく、レーザー光で溝を読み取る特殊な再生機。物理的な接触を伴わずに情報を拾い上げるだけに、トランスファーの精度がアップしました。しかも、この新マスターはネット他に一切出回っていない、本作だけのバージョンです。そんな本作の仕上げを担ったのは「GRAF ZEPPELIN」。その作業がまた執念深い。「RECORDER 1」にはピッチの徹底補正と位相修正を施し、LP起こしゆえに生じる重複箇所も違和感のないノーカット状態へと復旧。第二部では「RECORDER 2」をメインに据え、「RECORDER 3」のハムノイズを除去したうえで帯域を整えて補填しています。結果、終盤に残る曲間2ヶ所を除き、欠落はすべて埋められました。第二部における「RECORDER 2」との音質差も、もはやほとんど気になりません。半世紀にわたって君臨してきた伝説LP。その最新形が、ついにここまで来ました。新発掘の大元マスターと、レーザーターンテーブルによる独自トランスファー。それを「GRAF ZEPPELIN」が組み上げた、最長にして最高峰の『THE BEST OF TOUR 72』です。「1972年2月20日レインボー・シアター公演」の伝説オーディエンス録音。3種録音を駆使しているのは従来と同じですが、「RECORDER 3」の大元マスターが新発掘された事で格段にアップグレードし、「Eclipse」終演後の会場音23秒が初登場。「RECORDER 1」もレーザーターンテーブルによる独自トランスファーで精度アップ。「GRAF ZEPPELIN」が組み上げた最長/最高峰更新盤です。Rainbow Theatre, Finsbury Park, London, England 20th February 1972 Disc 1 (74:26) 1. Speak To Me ★丸ごとRec3 2. Breathe 3. The Travel Sequence 4. Time ★3:22-3:44 Rec3で補填 5. Breathe (Reprise) 6. The Mortality Sequence 7. Money 8. Us And Them ★2:03-6:41 Rec3で補填 9. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse ★1:08以降 Rec3で補填 / 3:01以降(演奏後Aud) 23秒初登場 ★2nd セット 12. Tuning ★トラック分け ★丸ごとRec3 13. One Of These Days ★演奏後 Rec3で補填 14. Careful With That Axe, Eugene ★演奏後 Rec3で補填 Disc 2 (66:34) 1. Tuning ★丸ごとRec3 2. Echoes ★演奏後 Rec3で補填 3. A Saucerful Of Secrets 4. Blues 5. Set The Controls For The Heart Of The Sun





























