本作が撮影されたのは「1988年2月2日The Ritz公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。もちろん、そのクオリティは鉄壁。GUNS N' ROSES編とは違ってプレ放送版マスターではありませんが、収録もミックスも完全なオフィシャル仕事。実際、このライヴはプロモCD『LIVE AT THE RITZ』として公式リリースされた他、日本盤『RECOVERY: LIVE!』にも「Since I've Been Loving You」「Face the Day」が採用されたほどです。そんな完全オフィシャル・クオリティで観られるGREAT WHITEは、“ブルース”と“LAメタル”が絶妙にブレンドされた絶品のステージ。前座だけにわずか9曲・48分と短めですが、その限られた時間の中で初期の名曲が濃縮されている。ここでセットを整理し、その濃度を実感していただきましょう。SHOT IN THE DARK(4曲)・Shot In The Dark(★)/What Do You Do(★)/Is Anybody There(★)/Face The Day ONCE BITTEN(3曲)・Gonna Getcha/All Over Now/Rock Me その他(2曲)・Money (That's What I Want)(バレット・ストロング)/Since I've Been Loving You(LED ZEPPELIN) ※注:「★」印は公式プロモCDLIVE AT THE RITZ』でも聴けなかった曲。……と、このようになっています。『SHOT IN THE DARK』『ONCE BITTEN』のベストソングを配し、そこにビートルズでも有名な「Money (That's What I Want)」や「Since I've Been Loving You」といったカバーをまぶしている。まさに初期の濃縮還元であり、“大人なLAメタル”がギュッと詰まっているのです。どの曲も本当に素晴らしいのですが、やはり注目なのは、「Since I've Been Loving You」でしょうか。ジャック・ラッセルは、FASTWAYのデイヴ・キング、KINGDOM COMEのレニー・ウルフと並んで“ロバート・プラントの後継者”と目されていましたが、ことセクシーな歌いっぷりでは他2人よりも1歩も2歩も抜きん出ている。本作でも堂々とLED ZEPPELINが描かれた衣装を着ていますが、その溢れる愛情が最大限に発揮されているのです。そんなカバーでは、背筋がゾクッとするほどプラントに肉薄するジャックですが、LED ZEPPELINとは似ても似つかぬオリジナル曲でも色気ムンムン。80年代ムードたっぷりの「Shot In The Dark」、躍動感あふれる「All Over Now」、そして名曲中の名曲「Rock Me」。メロディアスで、キラびやかで、ちょっぴりブルージーなLAメタルを歌うプラント声………今さらですが、GREAT WHITEとはなんと贅沢なロックバンドなのでしょうか。これほど芳醇なロックの直後に、GUNS N’ ROSESの“あの”激烈パフォーマンスを叩きつけられるのですから、この日の観客は本当に世界一の幸せ者です。ストリート感覚をまき散らしながら時代の寵児へと駆け上がっていったGUNS N’ ROSESと、ブルージーな色気で幾多のLAメタルとは一線を画していたGREAT WHITE。80年代に隆盛を極めていたHR/HMを別の次元へと誘った超極上プロショットで体験できる豪華DVDです。 Live at Ritz, New York, NY. USA 2nd February 1988 PRO-SHOT (48:02) 1. Shot In The Dark 2. What Do You Do 3. Gonna Getcha 4. Money (That's What I Want) *BEATLES Cover 5. Is Anybody There 6. Since I've Been Loving You *LED ZEPPELIN Cover 7. Face The Day 8. All Over Now 9. Rock Me Jack Russell - Vocal Mark Kendall - Guitar Tony Montana - Bass Audie Desbrow - Drums Michael Lardie - Guitar & Keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 48min.