大代表作『PARALLEL LINES』『EAT TO THE BEAT』を立て続けに全英1位に送り込み、母国を越える絶大なイギリス人気を誇っていた1979年のBLONDIE。その全盛の姿を目撃できる大定番映像の特別版が登場です。そんな本作にフィーチュアされているのは「1979年12月31日グラスゴウ公演」。人気絶頂の英国で行われたカウントダウン・ライヴのマルチカメラ・プロショットです。『EAT TO THE BEAT』時代と言えば、公式ライヴアルバム『PICTURE THIS LIVE』のメインだったダラス公演や、当店でも人気の大定番サウンドボード『LONDON 1980: Pre-FM VINYLS』でもお馴染み。そうした状況を整理する意味でも、当時のツアースケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。1979年《5月-6月『EAT TO THE BEAT』制作》・6月27日-8月26日:北米#1(44公演)←※公式PICTURE THIS LIVE《9月28日『EAT TO THE BEAT』発売》・10月4日-13日/12月15日:北米#2(4公演) ・12月25日-31日:欧州#1a(5公演)←★ココ★ 1980年・1月1日-22日:欧州#1b(18公演)←※LONDON 1980・3月7日-22日:北米#3(3公演)・6月25日+9月21日:欧州#2(2公演)《11月『AUTOAMERICAN』発売》 これが『EAT TO THE BEAT』完成から『AUTOAMERICAN』までの歩み。全米ツアーも終盤に差し掛かったところで『EAT TO THE BEAT』が発売され、年末になっていよいよ英国侵攻。本作のグラスゴウ公演は、そんな大晦日のライヴであり、『LONDON 1980: Pre-FM VINYLS』の約2週間前となるコンサートでした。そんなショウはTV放送され、古くから黄金時代を伝える定番中の大定番として君臨。本作は、その最高峰版となる日本放送バージョンなのです。本作のソースとなっているのは、2006年に放送された某放送協会の名物番組“黄金の洋楽ライブ”。今週は同番組のROXY MUSIC特集『STOCKHOLM 1976: JAPANESE BROADCAST』も同時リリースとなりますが、実は本作とROXY MUSICはカップリング放送。本作はBLONDIE篇のみ編集された1枚なのです。そして、最高峰の由来となるのは何と言ってもクオリティ。2006年版だけあって放送も録画もデジタルであり、局マスターから本作まで劣化ナシでDVD化。その映像美もサウンドボード音声も「完全オフィシャル級」以外の言葉がない素晴らしさです。その「超」付き極上クオリティで描かれるのは、大ヒット作『PARALLEL LINES』『EAT TO THE BEAT』の濃縮還元。この映像は11曲(+α)で当日セット全21曲の約半分なのですが、綺麗に二分割構成になっている。恋のハートビート(前半6曲)・Dreaming/Slow Motion/Shayla(★)/ Union City Blue(★)/Atomic(★)/Eat To The Beat(★)恋の平行線(後半5曲)・Picture This/Pretty Baby(★)/Heart Of Glass/Hanging On The Telephone/Sunday Girl ※注:「★」印は『PICTURE THIS LIVE』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。実のところ、『PICTURE THIS LIVE』未収録の曲は『LONDON 1980: Pre-FM VINYLS』で聴けたりしますので、むしろ本作は濃縮感の方が美味しい。「Dreaming」「Heart Of Glass」「Hanging On The Telephone」といった当時の最新ヒットも取りそろえ(ちなみに、黄金時代の公式映像作『LIVE!』と被っているのはこの3曲だけです)、「目で見る2大名盤の圧縮版」といった感じのショウなのです。そんなステージの最高峰クオリティ版だけでもお腹いっぱいですが、本作には日本放送ならではの独自演出もある。当店では国内のコアな記録マニアによる極上マスターで音楽番組の数々をアーカイヴしておりますが、“黄金の洋楽ライブ”はその定番。あくまでもライヴそのもの、音楽そのものを最大限に活かした上でさり気なくセンスの良い番組独自演出が素晴らしいのです。その中身は2つあり、1つは日本後字幕。曲間MCの和訳はもちろんの事、各メンバーの名前や曲名/作曲クレジットを完備。さらに1曲1曲に寸評解説まで付き、忘れていた曲がスッと甦り、ヒット曲の意外なチャート成績などで飽きさせないのです。そして、もう1つの独自演出がステージ前後の解コーナー。この番組は毎回バンドにちなんだゲストを迎えて解説を担当していますが、本作はROXY MUSICとのカップリング特集だったので同じく今は亡き某音楽評論家「コンちゃん」がナビゲート。BLONDIEについてのコメントのみ切り取り編集されているのでやや細切れ感もありますが、バンド・ヒストリーやステージのヴィジュアル・コンセプトなど、懐かしい語り口で解説してくれます。黄金時代の輝くステージをビッカビカの完全オフィシャル級クオリティで楽しめる映像傑作です。さらに多彩な日本後字幕や解説コーナーまで完備し、「もし、オフィシャル作品化されて日本盤が出たなら……」という妄想を実現している準オフィシャル仕様の1枚。 Apollo Theatre, Glasgow, Scotland 31st December 1979 PRO-SHOT Broadcast Date: 2nd September 2006 1. Intro / MC Talk 2. Dreaming 3. Slow Motion 4. Shayla 5. Union City Blue 6. Atomic 7. Eat To The Beat 8. Picture This 9. Pretty Baby 10. Heart Of Glass 11. Hanging On The Telephone 12. Bug Pipes & Drums 13. Sunday Girl 14. MC Talk Deborah Harry – vocals Chris Stein – guitar Frank Infante – guitar Nigel Harrison – bass Jimmy Destri – keyboards Clem Burke – drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.41min.