日本洋楽史の伝説ともなっているイベント“軽井沢サウンドマーケット’86”。TV放送とは異なり、目玉の共演ジャムも完全形で観られる衝撃映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは、もちろん「1986年5月31日/6月1日:軽井沢プリンスホテル」。ジェフ・ベック、カルロス・サンタナ、スティーヴ・ルカサーが並び立った伝説イベントの関係者ショットです。“軽井沢サウンドマーケット’86”と言えば、TV放送プロショットが大定番となってきたわけですが、本作はそれとはまったくの別映像。当時のSANTANAスタッフが個人的にビデオ撮影され、ジェフ・ベックの訃報を期に公開されたもの。伝説イベントの裏舞台を詳らかにする蔵出しの秘宝映像なのです。その内容は、大きく3つに分けられる。早速、個別にご紹介していきましょう。イベント前日(上野駅/リハ:約12分) まず登場するのはバンドとスタッフの移動シーン。約1分の短い映像ですが、今では様変わりしてしまった上野駅も昔懐かしい外観ですし、そこに普通に歩いてはいる姿も新鮮です。そこから一気に会場へワープ。イベント前日に行われたSANTANAのサウンドチェック・シーンが約11分に渡って映し出される。冒頭で「5月31日」と記したのはこのことで、画面にもしっかり「05.31.86」と表示されます。ここはもう裏舞台のむせ返るようなプライベート感。メンバーと一緒にステージに立って撮影されており、完全に手持ちのホーム・ビデオ撮影。画面の雰囲気は今にも自分の家族でも探しそうな感じなのですが、そこにいるのは正真正銘SANTANAの面々。すぐ目の前でバディ・マイルズが絶唱していますし、その向こうではカルロス・サンタナもハーフコートに短パンという不審者丸出しな姿で参加している。他メンバーも手を伸ばせば触れそうな距離ですし、それでも一向に気にせず、邪険にもしない。まさにプライベート撮影の極地なのです。そして、その光景は異様でもある。見た目はリラックスしていながら共演イベント前にした緊張感が漂い、ジョークに笑う表情もどこか引きつり気味。何より、演奏の熱量が不思議。曲を完奏するわけではなく、軽い音合わせなのですが、短いフレーズはシャープで今にも熱いインプロが燃え上がりそうでそのまま消える。チロチロとした種火が垣間見えつつ、後の大爆発を予感させる。まさに導火線のようなリハーサルなのです。当日の共演ジャム(完全版:約25分)そして、本作のメインとなるのは当日の大爆発。フルショウではありませんが、英雄ギタリスト3人が並び立ったジャムを完全一貫撮影している。そう、TV放送ではカットされた高揚感溢れるMCや曲間もシームレスでフル体験できる、史上初の映像なのです。もちろん、ここもTV放送には一切使用されていない独自のプライベート・ショット。しかも、その映像ニュアンスが美味しすぎる。ステージ直下のカメラピットから撮影されており、当然の事ながら遮蔽物は一切なし。つまり、ぶっちゃけた話が最前列のオーディエンス・ショット。「目の前に3人がいる」という体験感も強烈なら、伝説的なジャムを特等席から満喫する独り占め感も圧倒的。イベント未体験の方はもちろん、実際に足を運ばれた方でも「こんな場所から観たかった!」と思われるに違いない理想の光景が広がるのです。イベント終了後(約4分)本作のラストは、熱演を終えたメンバー達がステージを降りるシーンも収録している。ステージ衣装のまま階段を駆け下り、関係者達とねぎらい合うのです。雰囲気としては近所の夏祭りのようでもありつつ、そこで談笑しているのはSANTANAの面々。しかも、そこには生々しい会場アナウンスが漏れ聞こえており、凄まじいまでの現場感が吹き出すのです。以上、約42分に及ぶ夢のスタッフ体験記です。メンバーと共に東京を移動し、リハーサルに立ち会い、特等席から奇跡の共演を目撃できる。「共演ジャムの完全映像」というだけでも胸いっぱいですが、それ以上に本作でしか味わえない体験感に胸が震えます。これまでも幾多の記録でアーカイヴしてきた“軽井沢サウンドマーケット’86”ではありますが、そんな中にあっても格別。伝説イベント“軽井沢サウンドマーケット’86”の秘蔵映像がリリース。大定番のTV放送とはまったく別の関係者ショットで、貴重なリハの他、伝説のジャムもノーカットで現場体験できます。Live at Prince Hotel, Karuizawa, Japan 31st May & 1st June 1986 (42:08) Santana 1. Ueno Station 2. Soundcheck Live with Jeff Beck, Santana & Steve Lukather 3. Super Boogie 4. Hong Kong Blues 5. People Get Ready 6. Johnny B. Goode Jeff Beck - Guitar Jan Hammer - Keyboards Simon Phillips - Drums Doug Wimbish - Bass Jimmy Hall - Vocal, Saxophone 7. After Show COLOUR NTSC Approx.42min.