『WINGER』『IN THE HEART OF THE YOUNG』の連続ヒットでキャリアの絶頂に登り詰めた1990年のWINGER。黄金時代の輝きを目撃できるプロショット映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1990年10月14日オーバーンヒルズ公演」。“IN THE HEART OF THE YOUNG Tour”の一幕を収めたマルチカメラ・プロショットです。『IN THE HEART OF THE YOUNG』時代と言えば奇跡の来日公演も含めたWINGER初のワールド・ツアーが実現したわけですが、本作はそれに先立つ本国レッグ。WINGERの歴史に触れるには良い機会でもありますので、まずは当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。1990年・6月21日+23日:北米#1(2公演)《7月24日『IN THE HEART OF THE YOUNG』発売》・8月16日―11月12日:北米#2(60公演)←★ココ★・11月23日―12月13日:欧州#1a(13公演)1991年・1月2日―26日:欧州#1b(14公演)・2月8日―3月12日:北米#3(26公演)・3月14日―19日:日本(5公演)・3月22日―6月1日:北米#4(25公演)・6月7日―7月6日:欧州#2(17公演)・7月12日―9月1日:北米#5(12公演)・10月10日:ニューポート公演 これがWINGERの絶頂時代だった1990年/1991年。デビュー直後から精力的にライヴを重ねていましたが、海外進出を果たしたのは1990年の暮れになってから。本作のオーバーンヒルズ公演は、その直前「北米#2」の43公演目にあたるコンサートでした。この「北米#2」はKISSの“HOT IN THE SHADE Tour”の前座であり、特にこの日はSLAUGHTERと組んでKISSのオープニングを務めました。「1990年/オーバーンヒルズ/プロショット」のキーワードでもうピンと来られる方もいらっしゃるかも知れません。1990年/1991年のオーバーンヒルズからは大量のプロショットが流出しており、HR/HM系に限っただけでもAC/DCやMOTOLEY CRUE、JUDAS PRIEST、METALLICA、MEGADETH(PRIESTの前座)、ANTHRAX、CINDERELLA等々など。特にこの日はメインアクトのKISSも流出しており、『KISSOLOGY VOLUME TWO』まで実現している。本作は、そんなプロショット・シリーズのWINGER篇なのです。しかも、本作はベストとして知られるマスター。実のところ、ややゴワゴワとした粒子感もあるので「完全オフィシャル級」とは言えないのですが、それでもシャープなエッジクッキリとしており、とにかくビビッド。同じ映像が某有名動画サイトにアップされていたりもしますが、本作の方が収録時間も長く、画質も良いのです。そんなビビッド・クオリティで描かれるのは、貴重にして絶頂の風を全身に受けたWINGERの勇姿。前述した通りKISSの前座なために持ち時間は約48分と短めですが、そのLP1枚分の時間に代表作2枚を濃縮還元。その濃ゆさを実感していただくためにも、セットを整理しておきましょう。ウィンガー(3曲)・Madalaine/Seventeen/Headed for a Heartbreak イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング(5曲)・Loosen Up/You Are the Saint, I am the Sinner/Miles Away/Easy Come, Easy Go/Can't Get Enuff ……と、このようになっています。ここに技量を見せつけるようなドラムソロにバンド・ジャム、そして独特なタッピング技も鮮やかなレブ・ビーチのギターソロも織り交ぜられている。全盛期のオフィシャル映像『LIVE IN TOKYO』をさらに煮詰めたようなセットですが、それを綴るパフォーマンスも同様。当時はキップ・ウィンガーもレブも20台の若者。そのエネルギーは1時間未満のステージで尽きるはずもなく、最初から最後まで全力疾走で駆け抜ける。特にヘッドセット・マイクのキップはベースを弾きながらもそんじょそこらの専任シンガーより激しく動き回り、歌い、吠え、煽り、ビシビシとフォーメーションをキメまくる。歌うベーシストは数いれど、彼ほどフロントマン然とした人はいなかったでしょう。当時の幾多の名バンドがそうだったように、音楽シーンの変化に飲み込まれて短い黄金時代を終えてしまったWINGER。しかし、刹那ではあっても間違いなく輝き、その光は今の目にも目映いのです。そんな全盛の魅力を濃縮したマルチカメラ・プロショット。絶頂“IN THE HEART OF THE YOUNG Tour”のマルチカメラ・プロショットがリリース。シャープなエッジクッキリとしたベスト・マスターで、大代表曲の数々やタッピング技も鮮やかなレブ・ビーチのギターソロも楽しめます。Live at The Palace of Auburn Hills, Detroit, MI, USA 14th October 1990 PRO-SHOT 1. Madalaine 2. Loosen Up 3. You Are the Saint, I am the Sinner 4. Miles Away 5. Easy Come, Easy Go 6. Drum Solo 7. Jam 8. Guitar Solos 9. Seventeen 10. Headed for a Heartbreak 11. Can't Get Enough PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.48min.