サイモン&ガーファンクルが生み出した稀代の名盤『明日に架ける橋』に収録されていた二曲にまつわるドキュメントとして2002年に放送されたテレビ番組を収録。タイミング的には全米同時多発テロから一年ということで、事件後にアルバムタイトル曲がいかにニューヨークの人々を癒したのかということ、さらに曲の誕生についての関係者の証言をまとめた内容となっています 恐らく企画当初はポール・サイモンに取材を依頼したのだと思われますがあえなく断られてしまったのでしょう。代わりに当事者の一人として同曲のアレンジに多大な貢献を果たしたセッション・ピアニストのラリー・ネクテルが登場。サイモンが「Bridge Over Troubled Water」をギターで作曲したことは良く知られていますが、それをピアノ中心のゴスペル風なアレンジへと求められたのがネクテルその人だったのです。彼は実際にピアノを弾きながら、どのようにしてあのような雰囲気を作り上げていったのかを説明してくれるのですが、何しろレコードに収録されたバージョンに関わった張本人ですので分かりやすく、なおかつ説得力が半端ない。おまけにこの番組から7年後にネクテルは亡くなられてしまったので、今となっては大変に貴重な内容となってしまいました。このエピソードではサイモン本人が登場できない代わりに、「Bridge Over Troubled Water」のインスピレーションの元になったクロード・ジーター牧師の取材まで試みたというのだから凄い。高齢だった彼は2006年に亡くなられてしまいますが、既に2002年の時点で入院中の身であり、本人への取材は叶わず。代わりに彼の隣人にジーター牧師の話を聞くという執念を見せています。そして極めつけは一年前にS&Gのリマスターに関わったプロデューサーのボブ・アーウィンにまで話を聞くという念の入れよう。その点『明日に架ける橋』からもう一つの曲について掘り下げた「El Condor Pasa」に関する回では同曲の作者と存命する家族に話を伺うといった執念をみせているのがこの番組らしいところですが、その反面番組自体にS&Gの関与は少なく、どちらかというの民族音楽の歴史に触れた内容となっていてこれもまた興味深い。このようにアーティスト本人が登場しなくとも名曲にまつわるエピソードを紹介する番組としては後に別の局が生み出した『SONG TO SOUL』が大きな成功を収めることになりますが、正にその先駆けと呼べる画期的なドキュメンタリーとして大いに楽しめる貴重な番組を完璧な画質と音質(もちろんステレオ)で収録したハイクオリティDVD。最近だと思っていた2002年も今や20年が経過。地上波が当たり前な時代らしく画面に映るゴーストな状態も平成のテレビ放送を偲ばせてくれて懐かしさがいっぱい。音楽番組『そして音楽が始まる』は、2002年から2003年まで、某民放テレビ局の日曜深夜で放送された、音楽を題材にしたドキュメンタリー番組。番組は毎回、人々の心に残る邦楽・洋楽の曲を1曲取り上げ、アーティストと作者のインタビューを交えながら紹介していた。マニア提供の超高画質マスターを使用。画質は抜群に綺麗で、素晴らしい内容と相成っての、今週一番のお薦めタイトルです。The Making of Bridge over Troubled Water & El Condor Pasa (If I Could) Broadcast Year : 2002 Featuring exclusive interview of Larry Knechtel (48:42) Bridge Over Troubled Water 1. Program Intro 2. Sequence 1 3. Sequence 2 4. Sequence 3 5. Sequence 4 6. Sequence 5 7. Sequence 6 8. Sequence 7 9. Sequence 8 10. Sequence 9 11. Program Outro El Condor Pasa (If I Could) 12. Program Intro 13. Sequence 1 14. Sequence 2 15. Sequence 3 16. Sequence 4++ 17. Sequence 5 18. Sequence 6 19. Sequence 7 20. Sequence 8 21. Sequence 9 22. Program Outro PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.49min