カート・コバーンの死が迫っていた事など知る由もなく、最後の欧州ツアーに乗り出していた1994年のNIRVANA。その最末期の姿を目撃できるマルチカメラ映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1994年2月24日ミラノ公演」。その絶景オーディエンス・ショットです。このショウがどれほど末期だったのか、まずは当時の活動概要を俯瞰してみましょう。1993年・1月16日+23日:南米(2公演)・4月9日/7月23日/8月6日:北米#1《9月23日『IN UTERO』発売》・10月18日ー11月15日:北米#2(20公演)・11月18日『MTV UNPLUGGED』・11月27日ー12月31日:北米#3a(17公演)←※LIVE AND LOUD 1994年・1月1日ー8日:北米#3b(6公演)・2月6日ー3月1日:欧州(15公演)←★ココ★《3月4日:カート最初の自殺未遂》《4月5日:カート・コバーン死去》これが1993年/1994年のNIRVANA。カートは死の1ヶ月前まで欧州ツアーを行っており、本作のミラノ公演はその12公演目。つまり、最後から数えて4公演目というステージでした。そんなステージを伝える本作は、3つの映像から組まれたマルチカメラ作品。主にステージ右側と正面からの中距離ショットが切り替わっていく。3台目の映像は実際には翌日「2月25日」だったりしますが、同会場の上に穴埋め的にたまにしか使われていないのでほとんど気になりません。そして、メインの2アングルが素晴らしい絶景。観やすいシーンを選んで構成しているのも確かですが、前方客の影がほとんどなく、ステージを直視できる。しかも、本作は近年になって公開されたリマスター版であり、手ブレ補正も施された画面はかつてない安定感と観やすさを実現しているのです。幾重にも作り込まれた映像美で描かれるのは、甦る事のないNIRVANA最末期のフルショウ。“IN UTERO Tour”の映像と言えば公式化された『LIVE AND LOUD』も有名ですが、本作は時期が違うこともあってかなり異なっている。ここで比較しながら整理しておきましょぅ。ネヴァーマインド(10曲)・Drain You/Breed/Come As You Are/Smells Like Teen Spirit(★)/In Bloom(★)/Lithium/Polly(★)/Lounge Act(★)/Territorial Pissings(★)/On A Plain(★)その他(12曲)・イン・ユーテロ:Radio Friendly Unit Shifter/Serve The Servants/Dumb(★)/Pennyroyal Tea/Very Ape/Rape Me/All Apologies/Heart-Shaped Box・その他:Sliver/About A Girl/School/Blew※注:「★」印は公式『LIVE AND LOUD』でも観られなかった曲。……と、このようになっています。『NEVERMIND』『IN UTERO』の2本軸構成ですが、バランスは前者に傾倒。『LIVE AND LOUD』になかったナンバーも大量投入され、『IN UTERO』以上のセットの軸となっています。本作の6日後にカートが重度の気管支炎と咽頭炎を発症してツアーは中断。その後自殺未遂を繰り返したカートは、ショットガンで自らの頭を打ち抜き、伝説は幕を閉じました。本作に詰まっているのは、そんな最末期の現場なのです。二度と戻らぬステージを現存する素材を駆使して再現した映像作品。最末期の現場を目撃できる映像作がリリース。3種のオーディエンス・ショットから組まれたマルチカメラ作品で、最新リマスターで手ブレ補正も完璧。遮蔽物ゼロの絶景で最後から4公演目のフルショウを体験できます。Palatrussardi, Milan, Italy 24th February 1994 AMAZING SHOT!!! 1. Intro 2. Radio Friendly Unit Shifter 3. Drain You 4. Breed 5. Serve The Servants 6. Come As You Are 7. Smells Like Teen Spirit 8. Sliver 9. Dumb 10. In Bloom 11. About A Girl 12. Lithium 13. Pennyroyal Tea 14. School 15. Polly 16. Very Ape 17. Lounge Act 18. Rape Me 19. Territorial Pissings 20. All Apologies 21. On A Plain 22. Blew 23. Heart-Shaped Box Kurt Cobain - Vocal. Guitar Krist Novoselic - Bass Dave Grohl - Drums, Backing Vocal Pat Smear - Guitar Melora Creager - Cello COLOUR NTSC Approx.76min.