本作に収録されているのは6種のプロショット映像。メインとなるのは2CDと同じ「1994年2月14日パリ公演」ですが、他に5種のボーナス・プロショットも追加収録されたコンピレーション作品でもあります。2CDと同じショウの超個性派プロショット まず、メインのパリ公演プロショット。これがハイクオリティにして超・個性派でもある。ワンカメで撮影されており、ズームもアングルもかなりラフ。パッと見るとオーディエンス・ショットに見えるのです。ただし、これは正真正銘のプロショットでして、フランスでTV放送された映像なのです。実際「オーディエンス風」ではあっても「オーディエンス」ではない。まず音声がサウンドボードですし、画質も猛烈に美しく、撮影ポジションもしっかりカメラ・ピットなのです。ここまでお読みの方は「微妙な何となくプロショット」と思われるかも知れませんが、そうではありません。この映像のオーディエンスっぽさは、思いっきり狙った演出。MTVも当たり前になった90年代半ばはライヴ映像にもちょっと変わった「ひねり」が求められがちでしたし、当時のNIRVANAはストリート回帰ムーヴの旗手。あくまで想像ですが、この番組のプロデューサーは生々しさや手作り感を狙って「オーディエンスっぽいプロショット」を作ったのではないでしょうか。実際、その効果は抜群で、画面からハミ出すようなカメラワークは全盛NIRVANAのワイルドで型破り感を活写していますし、猛烈なアンダーグラウンド感とシーン最先端の画質の組合せは他の映像では味わえない醍醐味を醸しています。最後のツアーを伝える多彩なボーナス映像群何とも美味しいパリ公演プロショットですが、惜しむらくは約17分という短さ。そこで、本作ではさらに多彩なプロショットを5種追加収録しています。もちろん、単なる寄せ集めではなく、2CDと同じ「最後の欧州ツアー」がコンセプト。活動の全体像は2CDの仮説に譲るとして、ここでは「欧州」ツアーにフォーカスし、各映像の撮影日を確認してみましょう。「欧州」の詳細*2月4日:フランスTV出演(3曲)*2月6日:カスカイス公演(2曲)・2月8日ー12日(4公演)*2月14日:パリ公演(8曲+2曲)・2月16日ー21日(4公演)*2月22日:ローマ公演(4曲)*2月23日:イタリアTV出演(2曲)・2月24日ー27日(3公演)・3月1日:ミュンヘン(最終公演→カートの咽頭炎でツアー中断)《3月4日:カート最初の自殺未遂》……と、このようになっています。クオリティや作風はそれぞれ異なるものの、いずれもベスト・マスターで集成。公式化済みの映像もオフィシャル版に負けない最高峰クオリティです。以上の6種・約51分に及ぶ秘宝映像集です。NIRVANA最後の欧州ツアーをベスト・マスターで綴った映像傑作。時代をねじ伏せ、駆け抜けた革命児最後の勇姿。Le Zenith, Paris, France 14th February 1994 1. Intro 2. Radio Friendly Unit Shifter 3. Drain You 4. Breed 5. Smells Like Teen Spirit (Cuts In) 6. Sliver 7. Lithium 8. Rape Me 9. Territorial Pissing Bonus Footage Canal+ Studios in Paris, France, 4th February 1994 10. Rape Me ★ 11. Pennyroyal Tea ★ 12. Drain You ★ Pavilhao Dramatico, Cascais, Portugal 6th February 1994 13. Rape Me [Single-Cam] 14. Rape Me [Multi-Cam] Le Zenith, Paris, France 14th February 1994 15. Lithium [Alt-Angle] 16. Rape Me [Alt-Angle] Palaghiaccio in Rome, Italy 22nd February 1994 17. Smells Like Teen Spirit 18. Lithium 19. Pennyroyal Tea 20. Rape Me RAI Studios in Rome, Italy / February 23rd, 1994 21. Serve The Servants ★ 22. Dumb PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.51min.