ローリング・ストーンズ1981年のシアトルは都合二回の公演が行われ、そのどちらも会場内のスクリーンに映し出されたプロショット映像が流出しています。中でも二日目は古くから有名で、VHSの時代からマニアにはおなじみの1981年ツアー映像でした。流出映像という性質上、現在の目で見るとピカピカのクリアー画質とは言い難いものがありますが、それでも十分に鑑賞に耐えられるレベルのプロショット映像かと。また音声の方もモノラル・サウンドボード録音であったことから懐かしのテラピン、あるいはVGPがそれぞれに『NOW WE NEED YOU MORE THAN EVER』の名の下で音盤をリリースしていましたが、非常に刺々しい音質であったのも事実。その後ビデオを経由しない純正PAサウンドボードが発掘。音質が俄然クリアーになってEVの『SEATTLE SUPERSONIC』やDACの『NOW WE NEED YOU MORE THAN EVER』などがリリースされ、現在ではシアトルを聞くのならこれら…というイメージが定着しています。そこでYouTube上にストーンズの映像レストアを発表し続ける「The Glimmer Stone」がおなじみの流出映像にPAサウンドボードの音声をアフレコさせたシアトル1981二日目を公開してくれました。これによって元の映像よりもすっきりした音声で鑑賞できる状態へとバージョンアップ。元々1981年ツアー前半の名演の誉れ高きシアトル二日目がさらに楽しめるようになったのです。特にミックのハイテンションな歌いっぷりやパフォーマンスはツアー中盤の映画『LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER』や終盤のハンプトンとは別人のごとし。もうオープニングからキレッキレな挙句、ライブ後半の「Miss You」でミックがステージをのたうち回りながら熱唱する様子ときたら壮絶。その反面、バンドのアンサンブルに関してはまだ勢いやまとまりの足らなさ加減が散見され、例えば「When The Whip Comes Down」はそれこそハンプトンのような疾走感がなく、また演奏しているキースの表情があまり笑わないところからもツアー前半の雰囲気を漂わせています。このように、あらゆる意味で映画やハンプトンとは違う81年ツアーもう一つの表情を伝えてくれた古典流出映像たるシアトル二日目。その割に近年は広く流通していなかったのも事実。そんな定番プロショットを「The Glimmer Stone」が文字通り見やすく仕上げてくれたDVD!Live at Kingdome, Seattle, WA, USA 15th October 1981 PRO-SHOT 1. Intro/Under My Thumb 2. When The Whip Comes Down 3. Let's Spend The Night Together 4. Shattered 5. Neighbours 6. Black Limousine 7. Just My imagination 8. Twenty Flight Rock 9. Let Me Go 10. Time Is On My Side 11. Beast Of Burden 12. Waiting On A Friend 13. Let It Bleed 14. You Can't Always Get What You Want 15. Little T&A (Keith on vocals) 16. Tumbling Dice 17. Band Introductions 18. She's So Cold 19. All Down The Line 20. Hang Fire 21. Star Star 22. Miss You 23. Start Me Up 24. Honky Tonk Women 25. Brown Sugar 26. Jumping Jack Flash 27. Satisfaction PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.126min.