改めてネオクラ界の最強シンガー:マーク・ボールズとタッグを組んでいた2001年のイングヴェイ・マルムスティーン。その貴重なプロショットが登場です。そんな本作に封じられているのは「2001年5月21日ソフィア公演」。“WAR TO END ALL WARS Tour”の一幕で撮影されたマルチカメラ・プロショットです。2001年のプロショットと言うと公式化も実現した韓国のTV放送が有名ですが、本作はまったくの別公演。『ALCHEMY』&『WAR TO END ALL WARS』時代は一般にマークがヴォーカルとして知られていますが、実は一概にそうとも言い切れない。その辺の事情を知る意味でも、まずは当時の活動概要を(ちょっと広めに)俯瞰し、本作のポジションにも迫ってみましょう。1999年《マーク・ボールズ復帰》*10月31日ー11月21日:北米#1(12公演)《11月23日『ALCHEMY』発売》*11月24日ー12月5日:アジア(9公演)←※YOKOHAMA 1999 2000年《マーク・ボールズ→ヨルンランデ交代》・6月10日ー17日:欧州#1(5公演)《11月7日『WAR TO END ALL WARS』発売》・11月16日ー12月16日:北米#2(22公演)←※DENVER 2000 2001年・3月11日ー4月12日:北米#3(26公演)《?月:ヨルン・ランデ解雇→マーク・ボールズ復帰》*5月1日ー6月9日:欧州#2(32公演)←★ココ★・6月15日+17日:日本(コンツェルト2公演)*6月27日ー7月22日:アジア#2(14公演)←※KOREAN WAR《マーク・ボールズ→ドゥギー・ホワイト交代》・9月20日ー10月6日:中南米(9公演)これが1999年ー2001年のイングヴェイ・マルムスティーン。「*」印はマークがシンガーを務めたツアーですが、その合間にはヨルン・ランデとの交代劇も発生。さらには“WAR TO END ALL WARS Tour”の最終盤にはドゥギー・ホワイトに代わっていました(せっかくマークとヨリを戻していたというのに、もったいない話です……)。そんな中で本作のソフィア公演は、ヨルン解雇直後の「欧州#2」。その18公演目にあたるコンサートでした。そんなショウは地元テレビ局で放送。本作は、そのエアチェック・マスターからDVD化されたものです。そのクオリティは絶品。時代柄アナログ感は拭えず、デジタル大全盛の現代感覚では「オフィシャル級!」とは断言し難い一方、韓国放送を公式化してしまうイングヴェイだけに言えなくもない(苦笑)。実際、安定したマスター鮮度は『KOREAN WAR』にも迫る素晴らしさで、当時はロック後進地であった東欧のローカル放送という事情を考えると驚異的でもある。カメラワークや音声ミックスに関しては先進の西欧/北米諸国にも引けを取りません。そんな映像美で描かれるのは、ネオクラの理想を体現する2人の天才がぶつかり合うステージ。『KOREAN WAR』とも異なるセットですので、比較しながら整理しておきましょう。ウォー・トゥ・エンド・オール・ウォーズ・Crucify/Wild One/Masquerade クラシックス・歌物:Rising Force/Red House(★)/Seventh Sign/Smoke On The Water(★)/I'll See the Light Tonight(★)・インスト:Far Beyond the Sun/Trilogy Suite Op: 5/Badinerie(★)/Prelude(★)/Air On The G String(★)/Black Star ※注:「★」印は定番プロショット『KOREAN WAR』で観られなかった曲。……と、このようになっています。カバーの「Red House」「Smoke On The Water」はイングヴェイがメインで歌うために貴重感は今ひとつですが、後者のサビではマークも登場してシャウト一発で格の違いを見せつけてくれます。もちろん、その他のヴォーカル曲はマークの絶唱がこれでもか!と炸裂する。特にこのツアーだからこその「Seventh Sign」は何テイク聴いても震撼するネオクラ感増量のヒロイック・バージョンです。ヴォーカル曲の多さやクオリティ面では韓国プロショットには一歩及ばないものの、やはり奇跡の「マーク&イングヴェイ」を目撃できる醍醐味は何物にも代え難い。2人とも今なお現役ではありますが、もし再共演が実現したとしても本作ほどの充実感は望めないでしょう。二度とは帰らぬネオクラシカル・メタルの理想郷。「2001年5月21日ソフィア公演」のマルチカメラ・プロショット。地元テレビ放送のエアチェック・マスターからDVD化されたもので、東欧放送ながら定番プロショット『KOREAN WAR』にも迫る素晴らしさ。マーク・ボールズ時代のステージを目撃できる醍醐味に溢れたコレクション不可欠の1枚です。NDK Hall 1, Sofia, Bulgaria 21st May 2001 PRO-SHOT 1. Intro 2. Rising Force 3. Crucify 4. Far Beyond The Sun 5. Wild One 6. Trilogy Suite Op: 5 7. Red House 8. Badinerie 9. Masquerade 10. Seventh Sign 11. Prelude 12. Air On The G String 13. Black Star 14. Smoke On The Water 15. I'll See The Light Tonight 16. Outro/End Credit Yngwie J. Malmsteen - Guitars, Vocals Mark Boals - Lead Vocals★ Mats Olausson - Keyboards, Vocals Randy Coven - Bass Guitar Tim Donahue - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.79min.