一昨年前、そして昨年と、今更ながらの進化を遂げ、(決してデジタル的なクリーンアップではない)真のクリアネスを実現したOG盤復刻CD、2タイトル。昨年9月のリリースの「LIVE IN JAPAN 1971」こそが、真の最終到達点、これ以上のものは出ない、出るはずがない、出しようがない、と思っていたところ、つい先日、ネットにひょっこりアップロードされた新たな1ST ISSUE OG盤トランスファー。「After me clean up a record scratch noise dropped dramatically」と短いコメントが提供者(アップロードとした人)から添えられていましたが、何と驚くことにスクラッチノイズがただの一片も無い。そして音質はウルトラ・クリアー(決して、イコライズでない、OG初盤のあの美しいナチュラルサウンド)。と言っても音質は当店昨年9月リリースと大差ないかな、とも思ったのですが、当店コピーではなく、一からレコードをトランスファーしてのこの結果は、アナログ的観点から言ってまずは驚異的。部分的飛びや欠損も皆無。「OG Records (No equalizer)」との短い表記は、逆に提供者の自信の表れと言って良いのではないでしょうか。ただし「Fixed in the pitch control and speed」と書かれていますが、音質・内容はOKなのですが、実際はピッチが全体的にまだまだランダムに狂っており、そこは当店のプロ級マスタリングエンジニアが全てジャストに修正してくれました。作業コメントは下記の通り。
★ピッチがランダムに狂っているのを修正。(%は概ね)
Disc 1
Immigrant Song冒頭は合ってる ~ Heartbreakerで20%高い。Since I've Been Loving Youはほぼ合ってるTangerineでは若干高く、Moby Dickでは50%~70%高い。
Disc 2
Stairway To Heavenは冒頭30%~終盤で合致し、Celebration Dayから若干高く、ディスク終盤にかけて60%高い。
ということで、新たに現れたベスト・オブ・ベストの古典的名盤「LIVE IN JAPAN 1971」。良いものは何度聞いても良い。と言うか、良い物だけを何回も聴いて余生を送りたい人にはマスト!な一枚。
★下記は昨年9月の当店のOG盤復刻レイテスト盤リリース時の説明文です。これまでの状況とOG盤音源の歴史が判る便利かつ素晴らしい解説ですので、ここに再掲載いたします。
OG盤LPを復刻した古典的名盤「LIVE IN JAPAN 1971」も再リリースいたします。日本から発信されたLPアイテムというにとどまらず、地球上から最初に発せられた929サウンドボード録音アイテムという歴史的価値はあまりにも大きい。それだけでなく、このOG盤LP本体がバージョン違いを生み出してしまったという点が実に面白いではありませんか。しかもアメリカで「A CELLARFUL OF NOISE」というコピー盤が生み出されたこと解るように、早い時点からステイタスを獲得していました。その一方でOG盤ご本尊は何度かプレスを重ねるたびに盤に刻まれた内容が違っていたのです。中でも赤いレーベルのファースト・プレスは関東と関西の電圧の違いからピッチが狂った状態でレコードがプレスされてしまったのは非常に有名なエピソード。そうした問題を置いてもなお、ファースト・プレスならではの鮮度抜群な状態は別格で、現在では正確なピッチで収録されたセカンド・プレス以上に評価の高いビンテージ・アイテムへと昇格しています。そもそもOGというレーベルに対する評価自体が近年マニアの間で急上昇していますが、そうした状況を受け、ビートルズの武道館公演初日を初めてリリースしてみせた「LIVE IN JAPAN」以上にOGのリリースした最高のアイテムという評価は揺るぎないものなりました。それはCD時代を迎えてからというもの、929サウンドボード録音の音質があまりにも劣っていたことが大きかったと言わざるを得ません。確かに、ライブの終盤まで音源の発掘が進んだことは救いでしたが。しかしオリジナルLPの音質と比べ、過去に出回ったCDアイテム、特に90年代に生み出されたものとの差はあまりにも大きかった。それは今回再リリースされる本アイテムと聞き比べれば一目瞭然。元来ヒスノイズの入った音源ではありますが、それがLPでは「サーッ」っとヒスらしく響くのに対し、CDアイテムでは「ザー」や「ゴー」といった具合に吹き荒れる様が聞き苦しかったことは忘れられません。より近年リリースされたアイテムになると、それはだいぶヒスらしい状態にまで戻ってくれてはいたですが、何度も繰り返すようにLPのクリアネスにどうしても到達できない。やはり1971年当時のフレッシュなマスター・テープをそのまま盤へ封じ込めたOG盤というのは本当に偉大なもの。それこそが不朽の名盤と呼ばれる所以でしょう。今やカリスマ的だと表現しても過言ではない、OGオリジナルのメガレア・アイテムと化した「LIVE IN JAPAN 1971」ファースト・プレスLP最大の問題であったピッチの大きな狂いをアジャストしリリース。これは待ってましたとばかりにマニアが飛びつき、あっという間にSold Outになっています。すべての929アイテムの源流となったオリジナルLPの風格や味わいをCDで手軽に味わえるというのは、やはり便利。そこで今回の再リリースと相成る訳ですが、ウインストン・リマスター「929」再リリースとは違い、こちらは前回のバージョンとはまったく違うものだとお考え下さい。というのも、前回は「LIVE IN JAPAN 1971」ファースト・プレスの問題を解消した状態でネット上に現れたものを元にしていたのですが、今回は改めて提供されたファースト・プレスのミント・コンディションLPを丁寧にCD化しているのです。それによって全体に散見されたスクラッチ・ノイズが一気に払拭されたクリアーな状態へとバージョン・アップを遂げました。これだけでもリスニング上の違いがはっきり分かる今回のリリースですが、それだけにはとどまりません。より良いコンディションの良い盤を元にしたことで、前回と比べるとまるで薄皮が取れたかのようなクリアネスが感じられますし、何よりも「Communication Breakdown」の冒頭で起きていた、微弱な音飛びもありません。そして元々929サウンドボードにおいてピッチの狂いがちなポイントだったアコースティック・コーナー。おまけにギターのチューニングを半音下げて演奏していたことから、前回はピッチの狂いを見落としていた「Tangerine」も今回は正確にアジャストし、単なる再発から進化した文句なしのアッパー版リリースとなります。いよいよ聴きやすくなった「LIVE IN JAPAN 1971」ファースト・プレス、その素晴らしさをじっくりご堪能下さい!
Live at Festival Hall, Osaka September 29, 1971 Taken from the original 2LP(OG-798A/798B/799A/799B)
Disc 1 (43:26)
1. Immigrant Song 2. Heartbreaker 3. Since I've Been Loving You 4. Tangerine 5. Moby Dick
Disc 2 (40:47)
1. Stairway To Heaven 2. Celebration Day 3. You Shook Me / Whole Lotta Love 4. Communication Breakdown 5. Organ Solo 6. Thank You