話題の超大物ジョイントツアー“ROCK, PAPER, SCISSORS”の極上ライヴアルバムが登場です。最近は大物のジョイントツアーも珍しくなくなってきましたが、単に一緒にツアーするだけで、共演しても1・2曲ほどゲスト参加というのが普通。しかし、このツアーではステージを共にし、ほとんど1曲ごとにリードが代わるという、前代未聞の合体ツアーなのです。そんな画期的ツアーだけに、世界中から注目を浴びている真っ最中。いくつもの名録音が報告されていますが、本作はその中でもとびっきりに素晴らしい逸品ライヴ・アルバムなのです。ツアーは6月21日から7日24日までの約1ヶ月間・全21公演が予定されていますが、本作は4公演目「2016年6月26日カムデン公演」のオーディエンス・アルバムです。なにしろ、聴きどころだらけの録音だけにポイントを分けてご紹介していきましょう。
【ポイント1:奇跡のジョイント】
まず、何と言ってもショウ自体が画期的。ツアーが公表されたときは「2人で2曲ほど一緒に演って、どっちが自分のセットリストをやるか決める」と語っていましたが、フタを開けてみるとまるで違った。冒頭からピーターの「The Rhythm of the Heat」→スティングの「If I Ever Lose My Faith in You」と並べ、ほとんど1曲ごとにフロントが入れ替わる。フロントを譲っても互いのバック・ボーカルや演奏としても加わるのです。しかも、演奏曲も豪華絢爛で互いの代表曲・人気曲がズラッと並ぶ壮観さ。ほぼ2人のベスト盤をシャッフルしたようなコンサートなのです。
【ポイント2:豪華なデュエット】
そんな融合ステージ最大の目玉は、やはり超大物2人がマイクを分け合うデュエット。片方がバック・ヴォーカルに回る曲もあるので厳密には分けきれませんが、特に「No Self Control」「Games Without Frontiers」「Englishman in New York」「Solsbury Hill」「Every Breathe You Take」「Sledgehammer」ではしっかりとデュエット。伝説の2人が歌いつぎ、声を合わせていく様子がたっぷりと聴けるのです。
【ポイント3:互いのカバー】
デュエットだけでも目眩がしそうなのですが、さらに互いの代表曲をカバーし合うというスペシャルまで披露。「Shock the Monkey」や「Kiss that Frog」をスティングが歌いあげ、ピーターの歌声で「If You Love Somebody Set Them Free」が綴られるわけです。ここまでの超大物が他人の曲を覚えるだけでも驚きですが、それを本人の目の前で歌うとは……。長いロック史でも、他に類を見ない凄い空間です。セットリストを見るとGENESISの「Dancing With the Moonlit Knight」があり、「ついにピーターがGENESISを!?」とも思ったのですが、残念ながら(?)ここでのヴォーカルはスティング。しかもイントロだけ2分弱ほど歌うだけでした。期待が先行したものの、よく考えてみればスティングがGENESISを歌うというのも、やはり凄いですね……。
【ポイント4:強烈なクリア・サウンド】
こんな大注目コンサートを記録した本作は、なんとも見事なオーディエンス録音。何よりも素晴らしいのは最新デジタル機材のクリアさ。会場の空気感がどこまでも透き通っていて、楽音や歌声の1つひとつがキラキラと輝いている。「まるでサウンドボード」と呼ぶほどの間近感はありませんが、真っ直ぐビビッドに届く楽音は図太い。残響・反響で濁らない楽音は、それこそオフィシャルのライヴアルバムにも迫る美しさです。いかに楽音が美しくても、本作はやはりオーディエンス録音。その旨みたっぷりの大歓声がまた素晴らしいのです。会場となった“BB&Tパヴィリオン”は、25,000人規模のオープンスペースなのですが、野外だけに回り込む会場残響がないのが大きいのでしょう。広大な熱狂や手拍子の海もまったく濁らない。大ヒット曲だらけのセットリストで巻き起こる大合唱が、美しくも壮大なスペクタクルを演出しているのです。超大物同士が魅せてくれる、画期的なコラボレーション・コンサート。その全貌を精緻&クリアに体感できる名録音です。ライヴアルバム最重要の三要素“良い曲・良い音・良い演奏”だけでも満点なのに、互いの曲をカバーし、デュエットし、交互に歌い合う。そして、その奇跡の現場に立ち会う観客たちの熱狂・呼吸感までもがリアル。あらゆるポイントが必聴だらけの1本。今週末、あなたのお手元へお届けします。
Live at BB&T Pavilion, Camden, NJ. USA 26th June 2016 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND
Disc 1(62:44)
1. The Rhythm of the Heat 2. If I Ever Lose My Faith in You 3. No Self Control 4. Invisible Sun 5. Games Without Frontiers 6. Shock the Monkey 7. Secret World 8. Driven to Tears 9. Fragile 10. Red Rain 11. Dancing With the Moonlit Knight - Selling England By the Pound 12. Message in the Bottle
Disc 2(59:38)
1. Darkness 2. Walking in Your Footsteps 3. Kiss that Frog 4. Don't Give Up 5. The Hounds of Winter 6. Big Time 7. Englishman in New York 8. Solsbury Hill 9. Every Little Thing She Does Is Magic 10. If You Love Somebody Set Them Free 11. Roxanne
Disc 3(37:20)
1. Peter MC 2. Love Can Heal 3. Desert Rose 4. In Your Eyes 5. Every Breathe You Take 6. Sledgehammer
Peter Gabriel - Vocals, Keyboards Ged Lynch - Drums Tony Levin – Bass David Rhodes - Guitars, Vocals Angie Pollock - Keyboards, Vocals Jennie Abrahamson - Vocals, Flute Linnea Olsson - Vocals, Cello
Sting - Vocals, Bass Vinnie Colaiuta - Drums Rhani Krija – Percussions Dominic Miller - Guitars David Sancious - Keyboards Peter Tickell - Violin, Mandolin Jo Lawry – Vocal