大ヒット作『THE GAME』のリリースと共に幕を開けた一大全盛のワールドツアー。そのスタートダッシュを刻んだライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「1980年7月6日フェニックス公演」。その傑作オーディエンス録音です。このツアーは、まさに全盛期。前年リリースされたシングル『Crazy Little Thing Called Love』が2月に全米1位を獲得し、その勢いに乗って発売された『THE GAME』も大ヒット。さらにツアー中盤にもシングル『Another One Bites the Dust』が全米1位となり、その最終盤には『GREATEST HITS』までもがヒットする……まさに、ヒットに次ぐヒットで燃えに燃え上がったツアーでした。まずは、そのゴールデン・エイジの中でショウのポジションを確かめてみましょう。
●1980年《6月30日『THE GAME』発売》・6月30日-7月14日:北米#1(14公演)←★ココ★・8月5日-9月30日:北米#2(35公演)《12月8日『FLASH GORDON』発売》・11月23日-12月18日:欧州(17公演)
●1981年・2月12日-19日:日本(6公演)・2月28日-3月21日:中南米#1(7公演)・9月25日-10月18日:中南米#2(6公演)《10月26日『GREATEST HITS』発売》・11月24日+25日:モントリオール(2公演)
これが“THE GAME TOUR 1980-1981”の全体像。本作のフェニックス公演は、その序盤「北米#1」の5公演目。“THE GAME TOUR”でも最古の記録であり、アルバム発売から1週間後というタイミングのコンサートでした。シングル『Another One Bites the Dust』が全米1位となるのは1980年10月ですから、幕を開けた黄金時代がどんどん過熱していく右肩上がり真っ最中だったわけです。そんなショウを記録した本作は、実に素晴らしいヴィンテージ・オーディエンス。録音自体は以前からコアなコレクター間で知られてきましたが、本作は最近になって発掘された新マスターで、とにかくクリアさが圧倒的。現場となった“コンプトン・テラス”は、今は亡き野外劇場。音を反射する壁も天井もないために、PAが吐き出す出力音が曇りもせずに手元に届き、ディテールも鮮やかなままダイレクトに拾われている。鳴りに美しさは望めないものの、その芯は恐ろしくオンで鋭く、歌声は歌詞の1語1語どころか1音節のニュアンスまでクッキリ。もちろん、ギター/ベース/ドラムも一切混ざり込まずに綺麗にセパレートしており、ちょっとしたシンセの効果音も強弱の動きまでビビッド。それこそAM放送かと思うほどの超クリア・サウンドなのです。本作は、そんな新マスターをさらに細心リマスタリングで磨き上げたもの。もちろん、無意味な音圧稼ぎなどせず、バランスを整えました。実のところ、原音では左チャンネルがハイ落ちしていた。それを調整し、より自然で現場の客席に届いていたであろうサウンドを忠実に再現したのです。そのクリスタル・クリアなサウンドで描かれるショウがまた熱い! まだまだツアーも始まったばかりで「何をやっても上手くいく」という頂上までは届いていないようですが、その上り坂を猛スピードで駆け上がっていく勢いはたっぷり。フレディも絶好調でテンションも高い。勢いだけはぶっち切れる寸前なものの、まだ新しいステージに慣れていないのでそこまでは行かない……という寸止めのショウなのです。そして、ツアー初期だからこそのセットも美味しい。『QUEEN ROCK MONTREAL』でも聴けない「Mustapha / Death On Two Legs」「You're My Best Friend」もあるわけですが、やはり美味しいのは「Need Your Loving Tonight」「Rock It (Prime Jive)」でしょう。どちらも80年代初期を象徴するようなナンバーですが、特に「Rock It (Prime Jive)」は序盤の数公演で演奏された後、1981年の日本公演までなりを潜めてしまうだけに貴重。もちろん、本作は“THE GAME TOUR”最古の録音ですから、この2曲も「Play The Game(イントロのピアノも面白い感じです)」も最初期バージョンです。何とも美味しいポイントだらけなようですが、惜しむらくは約1時間という短さ。54分テープ1本で録音されていたらしく本編セットの終盤「Love of my Life」のイントロで録音が終了してしまうのです。内容が素晴らしいだけに、さぁこれからハイライト、そして怒濤のアンコール!と盛り上がっていくところで終わるのは惜しい……。残念ながら、このショウの録音は1種類しか発見されておらず、恐らくこの先を聴くことはこれからもできないでしょう。そんな短さは如何ともし難いものの、約1時間にわたって黄金時代の入り口を本生100%体験できる醍醐味は何物にも代え難い。それもツアー屈指の素晴らしいリアル・サウンドで。少々マニアックながら、マニアなればこそ聴き逃せない1枚。
★80年「Game Tour」の5公演目。現存する音源では最も初期の貴重音源。音質も良いです。
Live at Compton Terrace, Phoenix, AZ, USA 6th July 1980 TRULY AMAZING SOUND (54:14)
1. Intro 2. Jailhouse Rock 3. We Will Rock You (fast) 4. Let Me Entertain You 5. Play The Game イントロ面白い 6. Mustapha 7. Death On Two Legs 8. Killer Queen 9. I'm In Love With My Car 10. Get Down, Make Love
11. You're My Best Friend 12. Save Me 13. Now I'm Here 14. Need Your Loving Tonight 15. Rock It (Prime Jive) 16. Love Of My Life





























