コージー・パウエル在籍当時のM.S.G.において、'81年の来日公演と並んで忘れられない音源といえば、1980年のツアーで収められたサウンドボード音源の数々。これらコージー所蔵のカセット・テープを元にした音源は、初登場した直後から多くのハードロック・ファンを驚愕させ、今に至るまで当時の定番音源とされています。もしもこれらの音源をお持ちでないというファンの皆さんには、これを機会にぜひお聴き頂きたいと思います。"Cozy Tapes"の中で、1980年12月22日・カリフォルニア州ロサンゼルスの"カントリー・クラブ"公演を、公式音源レベルのステレオ・サウンドボード 音源で収録した音源は、「L.A. 1980 SOUNDBOARD」として2001年にリリースされ、ファンを大いに驚かせました。オーディエンス録音のコレクターズ・アイテムさえ少なかった M.S.G.の'80年アメリカツアーが、ライン・ソースで発掘されたと言う事実は衝撃的ですらあり、その後'02年には同種の音源が 「REACTIVATE LIVE 」としてハーフ・オフィシャル化されたほどでした。この既発2タイトルは内容的にほぼ同一なのですが、最近になって新たにプレスCD2枚組で海外 より入荷した本作「FLYING OVER WEST」は、それら過去の音源では聴けなかったパートを含み、音質的にもより優れているなど、現在はこちらが1980年ロサンゼルスにおける音源の決定 版として位置づけられています。ディスク1に収録されている音源は、「L.A. 1980 SOUNDBOARD」製作に当たって直接の素材とされたテイク。2001年にイギリスのスタジオにおいて、コージーのカセット・テープをデジタル化したマスターをダイレクトに収録しています。「L.A. 1980 SOUNDBOARD」や「REACTIVATE LIVE」など既発盤は、音源の冒頭部分とラストがフェイド処理され、作品としての体裁を整えていましたが、最後の「Looking Out From Nowhere」のラスト40秒が無音で収録されているという特徴がありました。それに対して本盤は、オープニングに当たる「Armed And Ready」のイントロ・リフと、「Looking Out From Nowhere」演奏後のフェイド処理がなく、ゲイリーが「Thank you!」という最後のMC部分まで聴く事が出来ます。また音質面においても10年前と比べて大きく進歩した補正技術によって、今回はより迫力のある音像で収録されており、既発と比べて圧倒的に優れた音圧、クリアで重厚なサウンドで演奏を楽しめます。実質的な収録時間は既発とほぼ同じですが、中味はもはや全くと言って良いほどに別物。バンドとして歩み始めた直後の初期M.S.G.が繰り広げる熱い演奏を、過去最良の音質で45分20秒に渡って楽しむことが できます。ディスク2ではさらに驚きのテイクが登場! こちらは「LA. COUNTRY CLUB 12/22/80 MSG」とステッカーに手書きされたコージー所蔵の"TDK SA-C90"マスター・カセットより、全ての収録内容をそのままダイレクトに起したバージョンを収録しています。このカセット直落とし版の収録時間はディスク1よりも2分以上長く収録されており、当日のライヴにおける知られざる部分をより垣間見 ることが可能です。音源の冒頭、会場アナウンスが絶叫する「THE MICHAEL SCHENKER GROUP!」という既発未収録部分がいきなり聴ける事に、ファンの皆さんは驚かれる事でしょう。このあまりにラウドな音響から、担当者は一旦録音を止めてミキサー卓における音量レベルを下げたようで、5秒ほど無音になっています。つまりディスク1や既発盤は、この録音レベル調整以降の収録だったのです。さらに本音源は、一切のイコライズを通過していない、テープをダイレクトにデジタル化しただけのナチュラルな質感も特徴です。他音源と比べてよりアナログの風味が漂うサウンドは独特の味わいがあり、このライヴを聴き慣れたマニアも新鮮な気持ちで音源と向き合えるでしょう。そして本音源最大の特徴は、音源の終盤で確認できる約2分間の既発未収録テイクです。ディスク1は上記した通り、「Looking Out From Nowhere」の演奏後、ゲイリーが「Thank you!」とMCした場面で終了していますが、このマスター・カセットではさらに2分間も続きが収められており、「Lost Horizons」の前半部までを続けて聴くことが出来ます。この部分はハーフ・オフィシャルですら未収録であり、本作のみの大きな聴き所。全てを聴けな いのは確かに残念ですが、このロサンゼルス公演での「Lost Horizons」をライン録音で聴ける意味と価値は絶大です!2001年リリース盤の大元デジタル・マスターが収録されたディスク1に、ここだけでしか聴けない貴重なテイクを含むマスターテープ・ダイレクト版のディスク2と、同じライヴでもそれぞれが違った質感と内容でたっぷりと楽しめる本作は、まさに1980年ロサンゼルス公演の決定版! ハー フ・オフィシャル版で満足していた方も、コレクターズ・アイテムの底力に驚くであろう逸品です! Taken from the original master cassette tape TDK SA-C90, hand written "LA. COUNTRY CLUB 12/22/80 MSG" on tape index(2 Versions) Disc 1 Version #1 2001 Digitally Transfer From Master Tapes 1. Armed And Ready 2. Cry For The Nations 3. Victim Of Illusion 4. Natural Thing 5. Feels Like A Good Thing 6. Member Introductions 7. Into The Arena 8. Rock Bottom 9. Looking Out From Nowhere Disc 2 Version #2 Master Cassette Tapes Direct Transfer 1. Armed And Ready 2. Cry For The Nations 3. Victim Of Illusion 4. Natural Thing 5. Feels Like A Good Thing 6. Member Introductions 7. Into The Arena 8. Rock Bottom 9. Looking Out From Nowhere 10. Lost Horizons(cut out) Michael Schenker - Guitar Gary Barden - Vocal Chris Glen - Bass Cozy Powell - Drums Paul Raymond - Keyboards STEREO SOUNDBOARD RECORDING