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Pink Floyd ピンク・フロイド/The Piper at the Gates of Dawn 2019 Stereo Mix

『THE PIPER AT THE GATES OF DAWN』、こと"夜明けの口笛吹き"。シド在籍時唯一のこのオリジナル・アルバムは後のピンク・フロイドが進んでゆく方向性とは大きく異なるものでしたが、俗に言う" スウィンギング・シックスティーズ (※ 翔んでる60年代) "の中で発芽したこのアルバムをフロイドの最高傑作とする熱狂的なファンが非常に多い事もまたこのバンドのユニークなところです。ビートルズのアルバムでお馴染みの、かのノーマン・スミスがレコーディング・エンジニアを務めたこの1stアルバムには御存知の通りステレオ盤とモノラル盤の2種が存在していた訳ですが、そのサウンド・イメージは大きく異なります。モノ盤は左右への拡がりは無くとも奥に向って伸びてゆく直線的な拡がりとタフで明瞭な音の重なりが魅力でしたが、ステレオ盤はパンニング(※ 左右チャンネルへの音の振り分け)によるアプローチが目立ち、時として着地点のおぼつかないその浮遊感が独自の魅力ともなっていました。聴感上の好みの問題なので一概には言えないものの、ファンに人気があったのはモノラル・サウンドの方だった様に思われるのですが、しかし60年代後半はまだ発展途上のテクノロジーの中でステレオ・サウンドの可能性を暗中模索している時代であり、安易にその評価を決めるのはナンセンスでしょう。とはいえ21世紀のオーディオ感覚でそれを聴くと古臭いステレオ効果に眉をひそめる方も少なからずいらっしゃる筈ですし、2007年にデジタル・リマスタリングが施された『夜明けの口笛吹き / 40周年記念盤』のディスク2を持ってしても、その評価が改まる事はさほど無かった様に思います。ところがそこに目を付けたファンが現代のサウンド・テクノロジーで当時のステレオ感覚にメスを入れ、モノラル盤にも決して劣らないダイナミックな仕上がりのステレオ・リミックスが今、ネット上で話題になっているのを御存知でしょうか。有名な話ですが、この1stアルバム制作時のフロイドはモノラルの音像を念頭に置いて制作しており、ステレオ盤についてはレコーディング・エンジニア(= ノーマン・スミス)に一任するという、当時のビートルズと同じスタイルを採用していました。これは言い換えるとモノラル盤サウンドが潜在的に秘めている可能性を惹き出し、聴き手は勿論のこと制作側でさえ気付かなかった感覚を呼び覚ます第三者の作業こそがステレオ盤制作の狙いだったとも読み取れます。でももしそうであるならば、このアルバムをテクノロジーの変遷と共にモノラルとステレオの両イメージで聴き馴染んできた現代のファンは、その両録音の良いところを更に高い次元で融合させるサウンド・ヴィジョンを一番豊かに蓄えているのではないでしょうか。そしてその人物が卓越したセンスと技術でそのリミックス作業に挑んだなら、それは非公式であっても多くのファンの共感を呼ぶステレオ・サウンドが出来上がるでしょう。それが形になったものがまさに本作なのですが、ここにはモノラル・ステレオの両バージョンを奥深くまで聴き尽くした者にしか出せない成果、すなわちシドがフロイドで放った音楽的魅力が絶妙のサウンド・バランスで導かれているのです。ステレオという特性を若干過剰にアピールした60年代式のアプローチを見直し、節度ある斬新なリミックスによって現代的なステレオ感覚を存分に発揮するだけでなく、スウィンギング・シックスティーズから飛び出してゆく当時のフロイドの音楽的跳躍力を、あえてステレオ盤の立ち位置から世に問い直していると言えば伝わるでしょうか。例えば「Astronomy Domine」ではピーター・ジェナーの声による天体名の連呼から浮き上がってゆく冒頭のアンサンブルが立体的で、モノラル盤的な音マッシヴさも併せ持っており、やがて登場するエコーの掛かったギター、オルガンの音色も密度の高い甘美なステレオ感を醸し出しているのです。「Matilda Mother」もセンターから出る音を注意しながら聴くと、L・Rの振り分けがオリジナルより自然に出ているのが分かる筈ですし、" ターキッシュ・ディライト・リフ "でお馴染みのあのオルガン旋律も、右側でより鮮やかに、そしてよりモノラル盤に迫る濃密な鳴りで耳元へ届きます。更に、モノラル盤の後半でステレオ盤との違いが目立っていた「Pow R. Toc H.」も現代風の自然なステレオ表現にリビルドされており、音像中央にあるタムの打音の周りで展開する各サウンドの浮き上がりも瑞々しい新鮮なイメージで現われます。「Take Up Thy Stethoscope And Walk」もシドとロジャーがボーカルを分け合う様子がより立体的なサウンドで甦り、左右チャンネルの音配分が抜群に良い事で楽曲のドライヴ感と躍動感が更に際立って耳に届く点もトピックでしょう。そして大きな聴きどころとなってるのが、やはり「Interstellar Overdrive」です。オリジナル版のモノラルとステレオの違いは楽曲の終盤で最も顕著に現われていた訳ですが、ここでは" ノーマンが21世紀のハイエンド機材で改めてその作業に携わったら恐らくこの様にしていたであろう "と感じられる非常にセンスの良い、そして節度ある適切なステレオ・リマスターが施されているのが魅力です。しかもステレオ・ミックスで足りていないオーバーダビングの音をモノラル音源からパッチする事でモノ・ミックスに近付けるという、熱心な往年のファンなら思わずニンマリ笑顔になってしまう心ニクイ編集もされており、その様子も聴き応えと好感度を引き上げています。「The Gnome」もチェレスタの響きとシドの歌声を奥行きあるステレオ・サウンドでマッチングさせており、サウンドの一体感がますます向上しているのが分かる筈ですし、「Bike」に至っては中盤から終曲まで展開するサウンド・コラージュ、すなわち、こちらへ向かってくる足音とドアの開放音、ゼンマイ(?)を巻く音、時計のチクタク音、鳥の鳴き声・・等など、後のフロイドがライブ演奏中で展開した立体的なサウンド・イメージの原型が、2019年最新版2チャンネル・ステレオによる表情豊かな音の息吹きで放たれているのです。現代のセンスとテクノロジーによってリミックスされたサウンドが、聴き手に新たな知見を運んでくれる『夜明けの口笛吹き " 2019年版ステレオ・リミックス "』。2曲目の「Lucifer Sam」でも序盤からワイドに拡がるステレオ感が魅力ですが、御存知の通りこの曲の歌詞の中には" You're the left side, He's the right side (※ あなたは左に / 彼は右に) "という一節がある訳です。隠喩として書かれているであろうこの部分の意味は恐らく、創造性をつかさどる右脳と左脳の事を指していると思われますが、本作もまた右/左チャンネルの創意に充ちた新しい音配分が聴き手に未知の興奮を呼び覚ましてくれる仕上がりが魅力となっています。これは言い換えるなら、シド・バレットという狂ったダイヤモンドの眩しさに私達がまた一歩近付けた証でもあるでしょう。★ファンによる「The Piper At The Gates Of Dawn」ステレオリミックスバージョンです。オリジナル版の左右へ極端に振られた今ではややチープな印象を受ける1967年ステレオミックスの内容を完全リニューアル、しかも「Interstellar Overdrive」ではステレオミックスで足りていないオーバーダビングの音をモノ音源からパッチしたりといったモノラルミックスに近づける形で編集もされており、非公式リミックスとはいえコンセプト的には「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」の50周年リミックスのようなこだわりが感じられる2019年バージョンのファンメイド・リミックスです。(41:58) 1. Astronomy Domine 2. Lucifer Sam 3. Matilda Mother 4. Flaming 5. Pow R. Toc H. 6. Take Up Thy Stethoscope And Walk 7. Interstellar Overdrive 8. The Gnome 9. Chapter 24 10. The Scarecrow 11. Bike

Pink Floyd ピンク・フロイド/The Piper at the Gates of Dawn 2019 Stereo Mix

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