リヴォン・ヘルムが1988年にニューヨークのローンスター・カフェで行ったライブを素晴らしいクオリティの卓直結サウンドボードにて収録。リチャード・マニュエル亡き後、再結成ザ・バンドの活動も遂に煮詰まってしまった1988年、リヴォンはいくつかのソロ・ライブを行っていました。しかもローンスター・カフェでのギグは単にリヴォンのソロというだけでなく、豪華なゲストが登場したステージでもあったのです。フィービー・スノウや俳優のハリー・ディーン・スタントンに留まらず、何とボブ・ディランまで登場。この共演の何が凄いって、ディランが自身の曲ではなくザ・バンドのクラシック「The Weight」を歌ってみせたのです!後にも先にも彼が歌ったのはこの時だけで、見事にリードボーカルを務めている。そのせいでザ・バンドではリック・ダンコが歌っていたパートをリヴォンが歌うという、大変にレアなライブバージョンとなりました。その貴重な場面が上質な卓直結サウンドボードで記録されていたのはラッキーという他ありませんが、当然ザ・バンドの三枚組ブート「CROSSING THE GREAT DIVIDE」でこの日ディランが歌った二曲が収録された実績がありました。とはいえ、それはピッチが高かった上に音質も今回より明らかに劣るもの。それに「CROSSING THE~」のリリースも今や20年前。この奇跡的な共演と場面を知らなかった人も少なくないのでは。そこで久々に今回88年ローンスター・カフェの卓直結サウンドボードがリリースされるのですが、まずは音質が一気に向上。元になったのは近年になって現れた「2nd gen.」カセットであり、当然ロージェネレーションということになります。しかしこのアッパー版、あるいは「CROSSING THE~」それぞれが共通して抱えていた問題、それはピッチが高めであったということ。そこで今回のリリースに当たってはピッチの問題も徹底的にアジャスト、音質のアッパー感と相まって極度に聞きやすい状態へと生まれ変わりました。それにギグ全体が収録されており、他のゲストとのゴキゲンな共演の模様も素晴らしい音質で捉えられています。実は「Ragtop」もリヴォン以外の人物がリードボーカルを務めているのですが、これに関しての詳細は不明のまま。フィービー・スノウも二曲でソウルフルな歌を披露してくれているのが流石です。それに何と言ってもゲストを迎え、ザ・バンドのステージとはまったく違ったリラックス感たっぷりのギグを楽しんでいるリヴォンの様子も、何しろ音質が素晴らしいのでバッチリ伝わってくる。ザ・バンド時代にも演奏されていた「Goin Back to Memphis」などはその最たる例で、バンド時代のパワフルな歌いっぷりと違う、ゆったりとした歌い方が印象的です。そしてギグの後半では二曲のインストゥルメンタルが登場しますが、これまたゴキゲンなロッキン・グルーブが楽しい演奏でした。言うなれば「リヴォン・ヘルム一座」とでも呼びたいリラックスした楽しいステージを最高の音質で収録。音源でゴキゲンな一夜と驚きのディラン登場(チャック・ベリーの「Nadine」も熱唱!)を正確なピッチにてお楽しみください。ザ・バンドの歴史に埋もれた幻の一日の極上サウンドボード・ドキュメント! Lone Star Cafe, New York City, NY, USA 29th May 1988 SBD (79:59) 1. Intro 2. Kansas City (with Harry Dean Stanton) 3. Willie & the Hand Jive (with Harry Dean Stanton) 4. The Weight (with Bob Dylan) ★ 5. Nadine (with Bob Dylan) ★ 6. Going Back To Memphis 7. Blues Instrumental 8. Rockin' Pneumonia (with Phoebe Snow) 9. My One Desire (with Phoebe Snow) 10. Instrumental 11. Ragtop 12. Why Are People Like That? 13. Instrumental SOUNDBOARD RECORDING